01/7/18〜22

中部地方

【月】

去年からずっと考えていたことがあった。

「山ごもりをしよう」

やはり改めて考えさせられたのが去年のポンカンの「まとめ採り」だ。あのインパクトはあまりにも強烈で、とうとう1年間頭を離れることがなかった。

その時がついにやってきた。3連休に有休1日を加え、山ごもりの敢行だ。この時期は1日たりとも無駄にしたくない。ということで、水曜日に仕事を終えてから慌しく帰宅、そのまま出発したのであった。

夕方から夜にかけて、どの道も交通量は多い。ノロノロに苛立ちながら外環へ向かう。やっとのことで外環に乗った時にはすでにピークの時間に突入していた。(;>_<;) そして外環走行中にものすごい土砂降りに見舞われた。前が全く見えないほどのバケツ雨だ。(+_+)

梅雨明けしてから天気のことは全く気にかけていなかったので、これはショックだった。中部地方も雨だろうか?

雨が降るのは別に構わないが、アスファルトが濡れてクワガタが探せないのだけは勘弁して欲しい。(;_;)


【雨か・・・】

日が変わる頃にやっと現地に到着した。

なんと、ものすごい土砂降りだ。(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)

雨で何も見えない。(+_+)

大事な大事な夜をこんな形で迎えることになるとは全く予想できなかった。あっという間にテンションは急降下だ。

路面のクワガタは見つかるわけもなく、クワガタの溜まっていそうな外灯の下を見回ることにした。カッパを着るのも面倒なので、Tシャツ1枚でずぶ濡れになりながら 灯下を探す。絶対に怪しい人だ。

こんな中でもポツポツとクワガタが採れ始めた。ノコ♀がやけに目立つ。

そうやって探しているうちに、いきなりでっかい頭が目に入った。

げげ!!(+_+)

なんで死骸やねん。(T.T)

最近とっても死骸づいているのだが、今日もさっそくやってしまった。(T.T)

軽く42〜3はある♀のオオクワの頭だ。ノコ♀のサイズとはまるっきり違う。なんちゅうことや。

土砂降りは止む気配もないが、わずか3ヶ所ほどでルアケースが2つ満タンになった。

最悪のコンディションで

アスファルトで1頭も採っていないことを考えると、この虫の数はすごい。明日からはベストコンディションで採りたいものだ。

ネグラを探して車に泊まることにした。明日は晴れてくれ〜。


01/7/19

中部地方

【ヤナギ病】

話は変わるが、今年はどうもヤナギのクワガタに縁が薄い。ヒメオオは先日ヤナギで1頭採ったものの(後日採集記公開予定)、アカアシはわけのわからない木で1頭採集しただけで、まだヤナギでは採っていない。一度くらいはヤナギ採集を満喫してみたいものだ。

タコ採れを味わうべく、去年から行っているポイントへ行こうと思ったのだが、魔が差して遠くへ行ってみたくなった。(^^;) あとから思えば、平日なので遠出は後回しにすればよかったのだが、そんな頭は全くなく、のこのこと車を他県へ走らせたのであった。採れる保証は全くない。(^^;)

車を走らせていると、唐突に日本海が現れた。

北陸だ〜

海岸線は時々工事渋滞をしているが、なんとか目的地の入り口まではやってきた。

さあ、クワガタはいてくれるか?

山へ向かう

海岸線から一気に山へ入っていく。かなり奥の方まで入ったところで「通行止め」の標識が見えた。

うそでしょ?

よく見ると、通行止めの横に迂回路があった。ほっ。(^^;) こんな道は二度と引き返したくない。

思いっきり遠回りの迂回路を走る。迂回路の途中にジジイヤナギが樹液を出していたので寄ってみた。ミヤマかスジがついてればなあ・・・と思ったのだが、何もいなかった。

山が近づくのだが、上の方がガスっていて全く見えない。これは頂上の方は雨か???

どうもここのとこ遠出すると天気がよくない。本格的な山道に入ると案の定、土砂降りとなった。(T^T) ところどころで土砂崩れを起こしていてとっても怖い。しかもガスっていて視界がほとんどない。(;_;)

しかし、そんな中でヤナギにつく1頭のクワガタが見えた!

いたぞ!!

標高は610mほど。アカアシかミヤマかコクワかわからない。30m以上先のヤナギで、下はブッシュで近づけない。採集不能だ。見つけるんじゃなかった。(^^;) でもいたことがわかればいいか。 やっぱり今年は縁が薄い。


【あ〜さんの悲劇】

やっと1頭存在を確認できたので、ややテンションは上がってきた。しかし、このテンションはそう長くは続かなかった・・・

全く車の通りのない山道で標高を上げていく。絵に描いたようなガケを走っていくのだが、時々路肩が崩れ落ちていてとっても怖い。(T^T) 峠を越えて隣の町に出るつもりだったので、二度とここを通らずに済むことだけが救いであった。

ガスの中のヤナギ

そんな道をヤナギを見ながら進んでいく。なぜか「慰霊碑まで○○km」という看板が数km置きに立っている。それだけでも怖いのだが、当の慰霊碑を見たときにもっと怖くなった。ダム工事の犠牲者か何かだと思っていたのだが、数年前に起こった有名事件の死体遺棄現場であったのだ。誰もいない山奥深くで一人で震え上がってしまった。

雨脚は衰えることなく、ガスも思いっきり立ち込めている。いよいよ頂上が近づいたな・・・と思った瞬間、信じられない看板が立っていた。

「土砂崩れのため通行止め」

まぢっすか!

うそや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)

それはないだろう!どうしてこんなところまで来なければ看板がないのか・・・麓に1つでもあれば引き返したのに。(T^T)

あんな怖い道をもう一度引き返すなんて絶対にイヤだ。こうなったら行けるところまで行ってやるぅ。(T^T) そのための四駆なんだぜぃ!と、半狂乱気味にヤケクソな行動に出た。

通行止めのゲートみたいなところを車1台分だけギリギリで通れる場所があり、車も何台か通過した形跡もある。絶対に行けるはずだ。みょお〜〜〜〜に強気にゲートを通過した瞬間、バフっという音とともに車に衝撃があり、次の瞬間左の後輪がシュ〜〜〜〜〜〜っというけたたましい音を立て始めた。

?????!

バーストだ!タイヤがゲートの角を擦ったらしく、みるみる空気が抜けていく。ゲートの直前に車が停められるスペースがあったので、慌ててギアをバックに入れ引き返した。走行不能になっても下り坂なら何とかなると思い、下り方向に車を向けておきたかった。スペースまで20mほどであったが、そこまでで完璧に空気は抜け、タイヤがペシャンコになっているのが運転しててもわかった・・・

恥ずかしながら、あ〜はこれまでタイヤ交換の経験が一度もない。いつかは山奥で一人でこういうトラブルも起こると思っていたのだが、山ごもりの初日からいきなりこんなことになるなんて・・・

泣きっ面に蜂っ面に面っ面に・・・(ToT)

頭の中はすでに真っ白だ。雨の中、塗れるマニュアルを見ながらタイヤ交換にチャレンジする。ナットが全く緩まないのでビビったのだが、何とか対応できた。タイヤを外し終わった頃、猛烈に落雷が始まった。かなりの至近距離に落ちていて、「ゴロゴロ」というよりも「ドッカ〜〜〜ン!」という感じだ。怖いのなんの。(T^T) 木々がメリメリいう音まで聞こえてくる。

タイヤ交換の時には何せ使う金具が多いので、いつこいつらに落ちてきてもおかしくない状態だ。(T^T) ずぶ濡れのまま慌てて作業を続け、何とか作業を完了し、来た道を引き返すことにした。怖い。(T^T) 

標高を下げると雨はない

これからずっとスペアタイヤで走らなければならない。


【移動移動】

何とか麓までたどり着いた。クワガタは1頭も採集できず、全く何をしに行ったのかわからない。夜までに時間があるのでもう一ヶ所行ってみることにした。懲りないヤツだ。(^^;)

この山は標高が低く1000mないので、コクワやミヤマ、アカアシくらいしか採れないだろうとは思いつつ、ヤナギにとまるヒメオオを密かに期待する。

途中で何度も渋滞があり、けっこう疲れてしまったのだが、なんとか山の麓までやってきた。ここにはクヌギが何本かあり、けっこうびっくりした。この県でクヌギを見たのは初めてだ。

すぐに砂利道になったが、スペアタイヤはなかなか良好で、運転していても違和感がない。

また林道に挑む

しかし、もうスペアはないので今度パンクしたらいっかんの終わりだ。ここも全く車の通りはなく、しかも日没が近かったので、かなりビビりながら登った。

標高が上がり始めても数本のクヌギを見つけることができた。一見、洞がボコボコに空いてそうなのだが、近づいてみると全くそんなことはなく、外道1匹すらいなかった。どこまでボーズは続くのか・・・

山中のクヌギ

ガタガタの道を行けるところまで行ったのだが、ついにヤナギすら見つけることができなかった。(T^T)

見つけたのはオニヤンマの大群と、頂上にあった遭難者の慰霊碑だけであった。


【灯下の前に】

そんなこんなで、いきなりのズッコケ採集を繰り広げていたが、いよいよ夕闇も迫ってきたので今後の下見も兼ねて全然走ったことない道から灯下ポイントへ向かうことにした。

雨はすっかり上がっていたのだが、天気予報で大雨洪水警報が出ていることを聞いた。うそ?(T^T)

灯火を張れば思いっきり採れそうな場所を数ヶ所見つけて、ようやく灯下採集のポイントへ近づこうとしていたところで突然豪雨になった。(;_;) なんじゃこりゃ〜〜〜〜???(;_;)

容赦なく降り始めた

なんか、ズッコケもここまで来ると笑えてくる。大事な初日の夜を豪雨で犠牲にしてしまったが、もっと大事な2日目の夜までも豪雨で犠牲にしようとしている。最悪だ。(;_;) これなら理由Aの心配もないのだが、アスファルトが見えないのはあまりにもつらい。虫も飛んでくるかもわからない。なんでやね〜ん。(;_;)


【採集開始】

すっかり日没を迎え、雨が小降りになってきた。よっしゃ!

どこから回るかいろいろ考えていたのだが、予定を変更して今いる場所とは別の場所から攻めることにした。昨日オオクワの死骸を拾った場所だ。ゴールデンタイムにどこにいるかが勝負である。

到着した頃にはすっかり雨も上がっていた。お〜〜〜し!!

ところが、期待の外灯が見えてきた瞬間、猛烈な勢いで雨が降り始めた。ほんとに申し合わせたように、絶妙のタイミングだ。(T。T)

またまたずぶ濡れになりながら灯下を見る。ノコの♀が今日も目立つ。しかしピークとはとても言えない状態だ。こんな土砂降りでは仕方ないか。(;_;)

すっかりショゲて、また山を越え、最初の場所に戻ることにした。こっちも雨がたくさん降っている。全然ダメだ。アスファルトが見えないのがとにかく悔しい。ある1つの外灯だけはひっきりなしにクワガタが飛んでくる。外灯の下のあるエリアだけ、いつ見てもクワガタが2〜3頭落ちている。いつ見てもというのは、ほんとにひっきりなしにという意味だ。ノコ♀とコクワの♀しかいないのだが、拾い上げてルアケースに放り込んだ次の瞬間見ると、やっぱり落ちている。(^^;) 拾っても拾っても落ちてくるのでキリがない。(^^;) これはこれでおもしろいかも。

またまた死骸ポイントへ移動。あれから虫が飛んできた様子が全くない。家を出るときからは想像もしなかった光景だ。家を出るときにはカメムシと羽アリの大群の中でオオクワを拾い上げる自分の姿しか想像していなかった。

「××方面は予報が晴れに変わってる」というカンからの情報があったので、ここで思い切って大移動をかけることにした。こんなピークの時間を移動で割くのは勇気がいるのだが、ここは気合だ。今日はここのエリアを捨ててもいいのか?かなり悩んだのだが、今日は諦めることにした。

スペアタイヤのことも忘れて山道をひたすら走り、ようやくポイントに到着。雨が降った様子はあるものの、確かに晴れていた。有望外灯がついていないことは予測できたが、他の外灯も全体的に虫が少ない。う〜ん・・・ ここでは数頭のコクワ、ミヤマ、アカアシを採集しただけで終わってしまった。

本当はここから次の日のために適当なネグラを探しに行くつもりだったのだが、どうも諦めがつかない。気になったのはやはり死骸を拾った外灯だ。この1本だけを見るために、再び大移動を開始した。


【やっぱり雨】

やっとこさ、最初の場所に戻ってきた。軍手もびちょびちょで気持ち悪い。

期待を込めて灯下を探す。コクワ、ノコ、ノコ、ノコという感じ。ミヤマの♀もたまにいる。

こうまでして戻ってきたのに、とうとう本命の姿を見つけることはできなかった・・・ダメだ。昼も夜も完璧な惨敗。(;_;)

しかし、いないことが確認できればいいか。でなきゃ、気になって仕方がない。(^^;)

トボトボと移動し、「ついで採集」だ。

ちょっと有望な外灯の下にも今日は全然虫が落ちていない。少ないときでもいつもはノコ♀3頭くらいは拾えるのに・・・

いそいそと探していると、石と草の間に挟まっていた枯れ葉が動いたような気がした。虫がいるのか?大体の場合、こういうときはゴミムシだ。しかし、何か予感めいたものがあったのだろう。ばっちいので素手で触ることはない場所を、今回は指でほじくってみた。

♀のクワガタだった!頭を上にして挟まっているので目が合う形になる。すごい頭幅だった。こんな頭幅の広い♀は他にはいない!

顔を見ただけでオオクワだと確信した。手を泥で汚しながら、草の間から引っ張り出した。背中を確認!あれ?スジがない??? いやいや、汚れていてわからなかっただけだ。(^o^) あったあった。(^o^)

39.5mm♀

よかった〜〜〜〜。(^o^) これで昨日、今日の苦労が酬われたというものだ。ほんとによかった。

ちょっとでも葉っぱが動かなかったら絶対に見逃していたに違いない。よくぞこんな状態でオオクワを採集できたものだ。

考えてみると、灯下採集でオオクワを「探し出した」のはこれが初めてだ。いつもいつも草むらや壁の隙間などからコクワやノコを見つけ出すのだが、オオクワに限ってはこれまでフツーに道に落ちてるものや、目立つ場所にいるものしか採集したことがなかった。やっぱりこういう採り方にはひとつの快感がある。

成果の一部

一気に有頂天になり延々探し回ったが、こんな条件で採れるわけもなく、明け方になって採集を終了し、適当なネグラを見つけて車中泊となった。


翌日へ続く