中部地方
【使命】
先週の採集で、完全に点火してしまった。今週はどうするか、とても迷っていたのだが、
・新芽の状態がよくなり、コルリがピークを迎えそう
・月齢が良い
という大きな二つの理由で、心は中部地方に傾いていた。そんな週頭にカンからメールが来て、なんと現地に忘れ物をしたという。彼女達が今週行けないことはわかっていたので、忘れ物回収の使命を果たすべくまたまた遠征することとなった。
・・・などと、もっともらしいことを書いたが、実は単純に行きたかっただけです。ごめんなさい。(^^;)
行くと決まれば、あとはテンションを上げていくだけだ。仕事を終えて、風呂にも入らずに車に乗り込んだ。
目的地が近づくと、急に雨が降り始めた。これをどう解釈すればいいのかわからないが、まあコンディションよしということで勝手に片付けてオオクワ狙いで灯下回りを開始。現地では雨は止んでいた。
当然、先週オオクワが採れたポイントに直行する。
・・・・が、ある理由で非常に期待の薄い状況となってしまっていた。理由Aと名づけよう。この理由Aにより、去年からかなり悩まされ続けている。どうしてこんな時に限って理由Aが発生するのか・・・(;_;)
案の定、ポイントにはクワガタの飛来はなく、そこを離れる時にやっとコクワ1♀が飛んできただけであった。仕方なく、別のポイントを回ることにする。今日は絶対にオオクワが飛んでいるはずだ。
先週の影響で、久しぶりに「オオクワ目」が復活した。落ちている虫が全部オオクワに見えてくる。(^^;;; ところが今日は徹底的に外道が多い。特に多いのがゲンゴロウとガムシだ。サイズと光沢で何度も騙されて車を降りた。
紛らわしいサイズのゲンゴロウ
そしてコカブト。落ちている時には全然びっくりしないのだが、草を分けてケツが見えた時には完全にオオクワの♀に見えてしまう。たまらない。(;_;)
さらに、シデムシ。こいつも黒く光るのでタチが悪い。こんなダニまみれのヤツを間違えて手で掴むことを想像するととっても気持ち悪い。
ダニまみれの外道
クワガタの飛来も今日は多い。コクワ、ノコ、ミヤマと順調に拾える。特に多いのはコクワだ。会社で配るために拾っていくと、あっという間にルアケース4個がいっぱいになってしまった。(^^;)
ほんとにこいつは多い
これだけクワガタが飛んでいれば、絶対にオオクワも飛んでいるはずだ。2時間ほど別のポイントを回っていたが、再び最初のポイントでチャレンジだ。
ようやく理由Aも解除されていた。助かった〜。ポンが探したように、一生懸命見てみるが、見つかるのはコクワ、ノコ、ミヤマだけだ。
大きめのミヤマ
やはり理由Aの影響は大きい。絶対に採れると思っていたので、ちょっとガッカリだ。ポンカンがいれば絶対に採れていたと思う。
今日は気温が全く下がらない。条件がいいので大移動をかけてみることにした。別ポイントの様子も見ておきたかった。
予想通り、こちらはクワガタの数は少なかったのだが、有望外灯の横の壁ででっかいクワガタを見つけた。高さは10mくらいの場所だ。(;_;) ♂で、ほぼ間違いなく70mmはあると思う。あまりの大きさにびっくりしたのだが、あれは何だろう?手も足も出ない。ミヤマの多い場所なので、ミヤマだということにしておきたいのだが、ミヤマにしてはやけに黒くて横に広いような気がする。あのサイズでミヤマでないとすれば・・・・見つけるんじゃなかった・・・ あんなところでは手も足も出ない。
後ろ髪を引かれながら、その場をあとにする。帰りにミヤマ数頭を追加採集。今日はミヤマの轢死体がとっても多い。よく、これだけ轢かれるものだ。
中部地方
【ピークは?】
さあ、いよいよコルリだ。先週は新芽の成長は止まったままだったので、今週一気に芽吹き始めているはずだ。昆虫と植物の関係からすれば、コルリも今週ピークを迎えるはずだ。しかし、近くのポイントのピークが2週間も前に終わっているのに、そんなことがあり得るのだろうか??? とりあえず、今日はそのことを確認できればいい。
ネグラを出発したのは、すでに昼前であった。今日は重役出勤だ。
ポイント到着までに山を一つ越えて行くのだが、その峠を越える瞬間にヤナギにつくクワガタの姿を見つけてしまった!
ついてればいいなとは思っていたのだが、このあたりでは絶対7月にならないとヤナギにはつかないと決めつけていたし、この山でヤナギにつくクワガタなんて見たこともなく、全く期待していなかったのでとてもびっくりした。
慌てて車を停めてデジカメを持ち出す。カメラを構える前に、そのクワガタが一直線に落下していくのが見えた。(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T) なんと、スズメバチに攻撃されて落ちてしまったらしい。
くそ〜〜〜〜。(T^T)
写真に写っている真ん中の点は、アカアシと思われるクワガタを蹴散らしたスズメバチだ。
21世紀初のヤナギ採集はおあずけとなってしまった。
アカアシは採集しているが材割だし、ヒメオオは採集しているが道だし、山地のブナで採集したのはコクワだし、なかなかヤナギ採集は実現しない。ヤナギにクワガタがついていることがわかってしまったので、突然ヤナギ病が復活してしまった。(+_+) ヤナギでヒメオオ・アカアシを採りに行くか、可能性のわからないコルリを採りに行くか・・・時期が時期だけにこんなことで悩んでいる採集者はあまりいないだろう。(^^;)
とにかくコルリだけは見ておかないといけないので、コルリのポイントにまずは行こう。いないのを確認できれば速攻でヒメオオ・アカアシ・ミヤマ狙いのヤナギ採集に切り換えだ。
頂上付近は雲の上
遠くから目的地を見ると、ポイントあたりがガスっている。先週と同じ状況だ。しかし、季節は確実に進んでいるはずだ。今日は気温も高いに違いない。あまり天気については心配していなかった。
いよいよポイントに到着。やはり寒くない。車を降りて新芽の状態を確認。
オッケーだ。
こうなるのを待っていた。そしてコルリがいるかいないか心配する間もなく、いきなりその芽にコルリが飛来するのが見えた。一気に3頭飛んできた。おしゃ!
先々週から先週までの1週間は、ここは完全に時間が止まっていたのだが、先週から今週にかけては普通に時間が流れたらしい。時間が止まっていたのは予測できなかったが、今日はようやく下見の成果が出そうだ。
やっと開いてくれた
さっそく、先週見ておいたエリアに入ろうとしたのだが、早くもその入り口でコルリがブンブン飛来するのを見てしまった。まずは何をおいても写真だ。(^^;)
どんどん飛んでくる
これだけ被写体が小さいと、オートフォーカスでもピントは合いにくい。ただでさえそんな状態なのに、なんせこの被写体はよく動く。(^^;) ピントが合う位置まで接近すると、こいつは落ちてしまうし、とにかく写真が採りにくい。
そんな状態で、さらにその個体を採集するのはなかなか困難な状態だ。
今日の状況なら、どこのエリアでも採集可能と判断し、前半戦は写真撮影に専念することにした。
枝を登る♂
いよいよ新芽エリアに突入。予想通り、両サイドは延々新芽が並んでいる。ビョーキになりそうな光景だ。
ぱっと見ただけで両側に何ペアものコルリがいる。両方見ているとどうしようもなくなるので、とにかく右側だけを見ていくことにした。
撮ったものは採れない
いるいる、たくさんいる。ちょっと怪しい新芽には、ちゃんと入っている。
パラダイスだ
20頭以上のコルリを見たが、ようやくここで1頭目を採集した。(^^;) 網を使って新芽中のペアを採るのだが、1ペア採るごとに、他の芽に入っているコルリが2〜3ペアずつ落ちてしまう。これを本気で採ったらどうなるんだろう?(^^;)
こういうのは採れる
キリがないので、途中でUターンして今度は反対側の新芽を見る。飛んでいるコルリは網でキャッチ。おもしろい。先週こんな状態だったらもっとおもしろかったに違いない。
好天とは言えないが、ここでコルリの季節に雨が降っていないのは初めてだ。♀も枝を歩いているのだが、歩いている時に♂と出会ったらその場で交尾が始まるらしい。
枝上でもペアが!
ほんとにこれはポンカンに見せたかったなあ。
そしてその枝の先にもペアがいたりするのだ。
こんな状態
林道をまだ50mくらいしか歩いていないのに、けっこう時間がかかってしまった。この先どうなってしまうんだろう???(^^;) 考えるとキリがないので、途中の場所は目をつぶってポイントポイントだけを見て回ることにしよう。さっきの落ちたアカアシも頭から離れないし、こんなことをしていては帰れなくなる。(^^;) もっと早起きすればよかった。
途中にも何本も新芽の木があり、間違いなくたくさん採れると思うのだが、ほんとにキリがないので目標を決め、まっすぐ進むようにする。(^^;)
目標の場所には、期待通りにたくさんのコルリが集まっている。
枝上の♀
ほんとにすごい。こんな写真を撮っているので、一人だと見つけたコルリの半分くらいしか採れないが、二人いれば3〜4倍のコルリが採集できるのだろう。
あ〜ちゃんお気に入りの1枚
この先、爆弾ともいえるポイントも控えているのに、こんなところで思いっきり時間を食ってしまう。しかし、それは仕方ないだろう。なぜならこんな1本の木で、
ショボい幼木
↓こんな風景や、
また枝での交尾を見つけた
↓こんな風景がたくさん見られるからだ。
なぜか逆光が多い
こんな木で6ペアも採れたりする。大変だ。
第一エリアはこんなところだ。第二、第三もこんな感じだろうか?
しかし、とうとう今日も雨が降り出した。ああ、やっぱりか・・・
絶対に雨
とりあえず、また右側だけ見ながら戻ることにした。
そんな右側を見ていると、なんか黒い点が目に入った。
ん?
もしかして?
前々回に、わけのわからないコクワの採り方をした場所のすぐ横なのだが、草みたいな木に確かにクワガタがついているように見える。さっきのアカアシが頭にあるだけに、ここは大慌てでデジカメを持って車を降りた。
近づいてみると、やっぱりアカアシだった!(^o^)
シーズンイン!
枝に腰掛けている怠惰なヤツだ。(^^;) とうとうアカアシが採れる季節がやってきた。ヤナギではないのだが、こういう採り方は今世紀初めてだ。それにしても、コルリと一緒にアカアシが採れるなんて・・・