中部地方
【後半戦】
とりあえず、第一エリアは大満足の結果に終わった。ついでに第二エリア、第三エリアと回ってみることにしよう。
第二エリアは先週とは全然違う風景となっていた。新芽はほとんど開いていて、すでに葉っぱとなっていた。それでもまだ開き切っていない芽にコルリの姿を見ることができる。
と、いきなりすごい光景を目にしてしまった。
↓これだ。
一気に5頭
先っぽの新芽にペアが入っているのだが、その下で♂同士がケンカをしている。それにビビって帰る♂が1頭。(^^;)
こんなのは初めて見た。ケンカの♂はがっしりと大アゴを噛み合わせて力比べをしている。
そして最後には右側の♂が左の♂を投げ飛ばしてしまった。ケンカのやり方が他のクワガタと全く同じだった。
こいつらもクワガタなんだな〜と変なところで感心してしまった。(^^;)
山菜採りの人たちが思いっきり枝をつかんで薮に入っていくので、その時にコルリがいっぱい落ちてしまうと思うのだが、それでも数ペアが採集できた。
続いて第三エリアだ。
こっちは今週新芽になる候補の幼木ががたくさんある場所だ。ここで当たればすごいことになる。
しかし、雨がざんざん降り始めてしまった。先週と同じ状態だ。(+_+)
先週採れた木は、当然完全に葉っぱが開いていて、すでにどの木だったかもわからない状態だ。
しかし、他の木は期待通りにいい感じで新芽を出している。よっしゃよっしゃ。
いるいる
数ペアずつを採集しつつ、爆弾エリアへ向かう。
いよいよコルリ爆弾エリアへ突入した。一気に2〜3ペアを見つけることができる。見つけたやつを片っ端から網に落としていく。
手は網を揺らしながら、目は次のコルリを探している。
至るところに・・・
10頭くらいが網に入っているのだが、実はそれから先は網に落ちる数が増えない。なぜかというと、コルリを探しているうちに網に入っていたヤツが逃げ出しているからだ。(^^;;; まあいいか。(^^;;;
採った分だけ逃げていく。(^^;)
採っても採ってもトコロテン式に前のやつが逃げていく。しかし、いちいちケースに入れるのも面倒なので逃げられるがままにしておいた。(^^;
そこから前回見つけたポイントへの入口にたどり着いた。ここを入って行けば、さらに延々と新芽が続いている。
しかし、入口だけでけっこう採れてしまい、すでにこの大コルリ地帯に入って行く気力もなくなってしまった。それくらいいっぱい見つけた。
この1枚で自分が煽られる。(^^;;;
来る途中でヤナギのアカアシさえ見なければ、もっとここでコルリを採っていたと思うのだが、あれが頭にこびりついて離れなくなってしまっていたので、ちょっと山を変えてヤナギを見に行くことにした。すでに16時だ。
先週ヒメオオを拾った山に行ってもよかったのだが、あまりにも時間がない。ひとつ候補にあったのが、去年見つけておいた山だ。
標高にして800mくらいしかないので、ヒメオオはちょっと厳しいかも知れないが、ヤナギはたくさんあることは知っている。
ここはアカアシとミヤマ狙いで行ってみることにした。
一度しか行ったことないので、はっきり道を覚えていない。(^^; 何度か迷いながら、ようやくたどり着くことができた。
ヒメオオが好きそうなヤナギがたくさん生えているのだが、やはり何もついていない。
大ヤナギ地帯
何ヶ所か場所を変えてアカアシやミヤマの好きそうなヤナギを探してみる。
やっぱりここに来たのは失敗だったかな〜と思い始めた頃、突然クワガタの姿が目に入った。すぐにミヤマだとわかった。今世紀初のヤナギでのクワガタ採集だ。(^o^)
ミヤマ見っけ!
いてくれてよかった〜。
そのあとアカアシを探してぐるぐる徘徊したのだが、思いっきり濃いガスに包まれ始めたので山を下りることにした。
いつもガスっている
温泉に入って夜の部に備える。
コルリ採集をされた方ならわかると思うが、採集のあとはよく妄想のような事態に陥る。目を閉じると、新芽の先を出入りするコルリや、新芽の中のペアの姿が滝のように思い浮かんでくる。あ〜などは、帰り道のトンネルの灯が新芽に見えてしまうくらいだ。
今日のように3桁を経験すると、もう救いようのない状態に陥ることは間違いない。帰りの車の運転がとても心配だ。
まるでアリだ。(^^;)
実は先週も同じような心配をしていたのだが、ポンカンがオオクワを採ってくれたおかげで、そんなコルリの幻覚などは吹っ飛んでしまった。(^^;) 今日も帰り道の安全のために絶対にオオクワを採るしかない。(^^;)
コンビニで食料を調達しつつ、車を走らせる。ポイントへ向かう時間は先週と全く同じだ。途中でカンに電話してこれまでの結果を報告した。
「今日は絶対飛ぶでぇ〜!」
このカンの言葉がいちばん背中を押してくれる。単なる当てずっぽで言ってるわけではないことを知っているからだ。大移動も何のその、ノリノリでポイントへ向かった。今日は絶対に採れるはずだ。気温も全く下がる気配はない!
いよいよポイントに到着・・・
というところで、なんと二日連続の理由Aが発生した。競合よりタチが悪い。うそでしょ〜?(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)
完全に採れるつもりでポイントに入ったのに、これではどうしようもない。念のため灯下を見てみたが、やはり昨日と同じようにクワガタの姿がひとつもなかった。ここにクワガタがいないというのは信じられない話だ。
ガックシと肩を落として移動する。かなりショックがでかい。理由Aのおかげでこの周辺での採集は全く期待できない。隣の町まで行くしかない。
隣の町の期待の外灯で、ようやくコクワを採集できた。オオクワは見つけられない。
先週見つけた外灯ではノコとコクワと外道たくさんだ。
さらに期待の街中の外灯で、コクワやノコ、ミヤマを拾う。こっちも理由Aの心配があったのだが、ここは大丈夫であった。それにしてもコクワの多いこと多いこと。ルアケースにぎゅうぎゅう詰めだ。(^^;) しかし、本命の姿は全くなしだ。
2時間ほど、そうやって外灯回りをしていた。そろそろ理由Aがなくなっているかも知れないと思い、最初のポイントに引き返すことにした。この道のりが強烈に怖い。
しかし、怖い怖いと思っていた一人の山道に、あ〜は完全に馴れてしまったらしい。まったく何も気にせず走ることができるようになっている。いいのか悪いのか。(^^;)
ようやくポイントに到着。理由Aは回避されていた!(^o^) やっとこれでクワガタが採れるはずだ。
大きな期待を抱きつつ灯下に接近する。コクワ、コクワ、ノコ・・・数頭が採れた。理由Aが終了してから飛来したものだろう。他の採集者の姿もさっきはあったので、彼らが帰ってからのものでもある。それでもそこそこ数は拾える。
目につくところはひと通り見て、今度はクワガタの隠れそうなところを探す。
葉っぱをどけた瞬間、真っ黒に光る点刻が目に飛び込んできた!
しかし・・・それは翅だけであった。(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)
こういうヤツこそコカブトであって欲しいと思いながら確認するのだが、オオクワの翅を見間違えるわけもない。(T^T)
誰がどう見てもオオクワの翅。ここで1頭もオオクワを採集していないのに、死骸は3体めだ。なんでやねん!(T^T)
昨日あ〜が離れてから飛んできたものらしい。カラスにでも食われてしまったのだろう。
とりあえず写真だけでも撮っておこう。
(T^T)
こんな写真は撮りたくなかった。
つっか〜ん・・・と思いながら顔を上げると、草についているでっかい♀の姿が目に入った。
裏側から見えているのだが、ものすごい重量感だ!
こんな厚みのある♀はオオクワしかいないだろう! 頭で撮影のことを考える前に、思わず手が伸びていた。
背中を確かめる・・・・
くっきりと点刻がある!!
やった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!\(^O^)/
一人で大興奮だ。汗が吹き出してくる。
やった!やった!やった!やった!
心の中で何度叫んだことだろう。(^^;)
しばらく経って、やっと撮影のことに気づいた。あんな草につくオオクワの姿を写すチャンスなんて滅多にないのに・・・(^^;)
ヤラセの写真なんて撮りたくないし、後悔しても後の祭りなのだが、まあ自身では10ヶ月ぶりのオオクワ採集だから仕方がないだろう。
さっきの翅と一緒に・・
悦びをポンカンに電話で伝え、さらに外灯を回ったが残念ながら追加採集はなかった。
それにしても、理由Aさえなければ今晩はもっと採れていたのではないだろうか? かなり悔しい。
もう一度だけさっきのポイントを見て、追加の飛来がないことを確認し、ようやく採集を終えることにした。
帰りがけに有望外灯を見ると、一気に3頭のLサイズの甲虫が目に飛び込んできた!!
全部ガムシなんてことはないだろうと思い、慌てて車を降りた。今度はちゃんとデジカメも持った。
確かに全部ガムシではなかった。
甲虫3連発
真ん中はダニをいっぱい載せたシデムシ
左はオオクワサイズのゲンゴロウ
右は言わずと知れたガム野郎だ。
あぁ・・・
すでに日付が変わっているので、急いで帰らなければいけない。体力が続かないので、眠くならないうちに帰りたい。
途中で休憩なんか取ってしまうと、帰りの首都高で朝日の直撃を受けてしまう。これだけは避けたい。
そそくさと帰り道についたのだが、先週見つけた有望外灯のことが頭を占領してしまった。さっきもちゃんと見たのだが、今日はまだクワガタが飛んでいるに違いない。
そんなことを思い始めたら帰れなくなってしまった。細い道なのにUターンをかまし、わざわざ外灯1本を見るために再び数十キロも車を走らせるのであった。(^^;)
これまで一度も甲虫が飛んでいるのを見たことなかった外灯で、でっかいクワガタが轢かれているのを発見。
車を停めて確認すると、ミヤマの♂であった。ミヤマでよかった〜〜〜、なんて言ったらバチが当たりそうだが、これはホンネだ。
その横にも大きめの♀が轢かれていた。ひっくり返ってまだ足が動いている。轢かれたてのホヤホヤだ。
近づいてみると、やけに丸い。
まさか・・・
ミヤマであってくれ!!という願いを込めてひっくり返す。
・・・・
見るんじゃなかった・・・
目に飛び込んできたのは、くっきりした点刻だ。
なんちゅうことや〜。(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)
死んでいてくれれば、まだ諦めもつくのに、こいつは生きている・・・
やめてくれ〜〜〜〜。(;>_<;)
この感じだと、自分の前を走っていた車が轢いていったものだろう。それくらいのタイミングだと思う。
かなりショックを受けてその場をあとにした。
それにしても、こんなところにまでオオクワが飛んできているとなると、またまた念入りに探さないといけない場所が一気に増えてしまう。大変だ〜。
目的の外灯では、コクワを2頭拾っただけであった。あ〜あ。
ここで雨が降り始め、一気に土砂降りとなった。
それでもさっきもオオクワが飛んでいたことがわかっているので、近くの外灯を回ってみた。
外灯の横に看板がある場所がある。この看板にクワガタが10頭ついているのが見えた。ずぶぬれになりながら、左手で懐中電灯、右手で網を持ちクワガタを採る。ほとんどがノコとコクワで、途中で落ちて見失ってしまう。半分も採れなかった。
この看板のてっぺんにでっかい♂がついているのが見えた。逆光でわかりにくいが、開いているアゴの間隔がやけに広い。あれは何だ???
ミヤマに見えないこともないが、はっきり言って本命に見える。昨日と同じだ。イチかバチかで網をかけてみる。外灯のあかりがめちゃくちゃ眩しくて全然見えない。難しい位置にいるので網もかかりにくい。土砂降りなので雨粒が遠慮なく顔を叩く。
もう少しで網に落ちるというところで、突然1匹の蛾があ〜の目に直接とまった。反射的に身をひるがえしてしまった。
慌ててクワガタの姿を確認するが、全くどこにも見えない。最悪だ。(T^T)
つら〜い。
またまたゲッソリして、オオクワが採れた場所に引き返す。完全に本降りになり、クワガタどころではなかった。道も全く見えなくなったので、真っすぐに高速へ向かうことにした。
惜しいシーンは何度かあったが、あのオオクワ1頭のおかげでテンションは全然落ちない。
お口直しにもう1枚
40.5mm
あれだけ採ったコルリの幻覚は皆無で、興奮状態のまま、無事に帰京することができた。
コルリ(原名):110頭
コクワ:58頭
アカアシ:1♂
オオクワ:1♀(+瀕死の♀1、死骸1)
ノコギリ:17♂♂、1♀
ミヤマ:6♂♂、2♀♀
2001.6.25