99/1/15

山梨

ラグビーに行く予定もなくなったし、会社が休めたので韮崎に行くことにした。前日クワ道さんから連絡があり、現地に7時集合とのこと。あ〜は1年ぶりの麻雀をすることになり、7時集合はキツいかなと思ったのだが(クワ道さんにも報告済み)、1時半に帰宅してから風呂に入ってすぐ出ることにした。家から1時間20分で到着、山梨は近い。


現地で仮眠を取る。6時50分頃クワ道さんから電話が入った。「今まで寝てた」と言った時のクワ道さんの淋しそうな「そっかー」という声。「現地で」と言ったら大笑いされた。コンちゃんともども30分も前に現地にいたらしい。

温泉に車を置き、クワ道さんの車に乗り込む。大体の目星をつけて最初のポイントに向かう。到着して見回すと、少々植生が違っておりここは断念。さらに山奥へ入ることにした。

が、道がなくなってしまった。仕方なく引き返し、とあるポイントにたどり着いた。3人で車を降りてルッキングだ。寒い。とっても寒い。川には氷が張っていて、石を投げても氷の上を滑っていく。さらに大きい石を投げるとボコっと氷にハマってしまった。そんな極寒の中、オノを手に山に入る。ほどよくカワラのついた立枯れを削るが、何も入っていない。食痕すら出ない。仕方なく引き返し、谷の部分へ。コンちゃんはずんずん歩いていったが、あ〜は寒くて動けない。周囲の木を見ているだけであった。

クワ道さんも山側から下りてきて、コンちゃんのいる方へ歩いていった。あ〜は車のところでじっと待つことにした。しかし、いくら待っても帰ってこないのでこのままでは凍死すると思い、先程の山へもう一度登ることにした。奥へ行ってみると、雑木林になっており、ほどほどに立枯れもある。削ってみると、クワガタの大アゴが現れた。大きめでびっくりしたのだが、コクワ♂の死骸であった。


次に行ったのはクワ道さんが知っているポイントだ。クワ道さんはほんとにこの周辺に詳しい。どれだけ狂ったように行ってるかよくわかる。信じられないような道を上がってポイントに到着。部分枯れを削った跡があり、食痕も見受けられる。一回りしてみたが、削れる木はない。近くにあったエノキが立ち枯れていたのだが、ここからは何も出なかった。ここではボーズだ。雪がちらほらと降り始めた。
再び車で移動。「こんなとこがあったのか」と言いたくなるような道を上ってポイントへ。ほんとにクワ道さんはよく知っている。途中で車を置き、3人で山へ入る。他に人もいるはずもない。と、思いきや、ハンターの方が猟犬とともに下りてくる。「上でもやってるよ」とのこと。こんなところに雪の中来る人もいるらしい。バカは我々だけではないようだ。

適当なところから谷に向かって下りることにする。適当なところと言ってもタダの崖である。途中で滑落しながら下りてゆく。削っても削っても何も出ない。雪はだんだん大降りになってくる。とうとういちばん麓まで下りて適当な木を見てみたが、コクワの幼虫が1頭出ただけであった。完璧とも言えるクヌギのカワラの立枯れにはカミキリすらいなかった。

今度はガケを登る番だ。めちゃくちゃしんどい。ほんとにバカだ。おかげで寒さは感じないが何と言っても雪が激しい。ようやく車の近くまで帰ってくるとコンちゃんが歩いてきた。コンちゃんは逆に山を登ったようだ。お互いよくやるものだ。車の脇でしばしコンちゃんと休憩だ。クワ道さんは帰ってこない。

座ってしゃべっていると体がガンガン冷えてくる。雪は見る見る積もっていく。クワ道さんはいつまで経っても帰ってくる気配がない。崖を滑り落ちたんじゃないか?ハンターに撃たれたんじゃないか?などという不安が込み上げてきた。車に積もる雪がニクウスバに見えるなんて冗談を言ってる場合じゃなくなってきた。二人でクワ道さんの捜索に行くことにした。

ちょっと歩くと頭に雪を被ったクワ道さんが帰ってくるところであった。片手に何か持っている。ホイっと差し出されたのを見ると、光沢のある大アゴが目に入った。一瞬すっごいびっくりしたのだが、立派なアカアシであった。アカアシ好きなあ〜としては、それでもうれしい。2♂3♀をゲットしていた。クワ道さんは気前よく全部あ〜にくれた。ありがとー。

どうやらクワ道さんはアカアシの木に当たったらしい。他の採集者をあ〜だと思って、安心して延々とタコ採れをしていたようだ。


完全に積もり始めたので山を下りて少し早い昼食をとることにした。気分は既に温泉に向かい始めている。たまさんが事故った現場も雪が積もっていて危険だ。と、そこにさしかかったときタイヤがグワ〜っと滑って制御が効かなくなった。車は谷に向かって曲り始めた。谷に落ちることはないと思ったが、ガードレールに激突することは必至であった。あ〜の頭の中は「クワ道さんの新車がぁぁぁぁ」であった。クワ道さんの頭の中はさらに進んでいて、「でも保険入ってるから大丈夫ぅぅぅぅぅぅ」であったらしい。車は180度回転して、ガードレールにぶつからずに反対車線に奇跡的に停車した。ふぅ〜〜〜〜。あとで見てみると、車が停ったところだけ雪が積もっていなかった。木の下だったのだろうか。四駆、ABS、後続車なし、対向車なし、そこだけ雪がなかった、などの偶然が重なって事故は回避された。オオクワは採れなかったがツキはあったようだ。
インター近くの店で角切りステーキを食べる。これがけっこう美味い。少々高めであるが病みつきになりそうな予感がある。たらふく食べたあとは当然温泉だ。雪も止まないし、すっかり終了モードである。今回も全然ダメであった。

温泉はやっぱり気持ちいい。梅ソーダもたまらなく美味い。

14時に温泉を出発、ちょうどラグビーが始まった。中央道は50km/h制限であったが、首都高、京葉道路を含めて交通量が非常に少なく、何とラグビーが終わるまでに帰宅してしまった。いつもこれくらい空いててくれればうれしい。ラグビーも随分遠くでやっている印象があったが、途中で国立の真横を通過した。「本来ならあそこにいるのに」と悔しさを新たにした。


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