それはかつて起きたことだから、また起こるかもしれない。
イスラエルによる、あの信じられないようなガザ攻撃から1年以上がたちます。
150万もの人間を封鎖された空間に閉じ込めて、逃げ場のない彼らにミサイルや砲弾を見舞って一方的に殺戮する。それが、世界人権宣言60周年が言祝がれた2008年12月、ガザで起きたことでした。
22日間にわたる攻撃で1400以上の命が奪われました。500人以上が負傷し(その中には、二度ともとのからだに戻れない者、ふつうの生活に戻れない者たちが大勢います)、4000もの家屋が完全に破壊され、50万人が難民となりました。攻撃から1年がたっても、封鎖が続くガザでは建築資材も入ってこないため、家を建て直すこともできません。家を失った人々の多くは依然、テント暮らしを余儀なくされています。62年前、ユダヤ人国家の建設によって民族浄化され、故郷を追われ難民となってガザにやって来たときと同じように・・・・・。ユニセフの報告によれば、3000人以上の子どもたちが重度の栄養失調状態にあるそうです。そして、150万の住民のうち100万人近くが食糧危機の状況にあります。瓦礫の山から金属を拾い集めることが糊口を凌ぐ手段になっています。封鎖で燃料も入ってこないので、ロバに引かせた荷車が住民たちの主要な交通手段です。そして、今でも断続的に続くイスラエルの攻撃によって、依然、命が奪われています。
(講演録のために新たに書き下ろされたまえがきの冒頭部分から)
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