海賊対策を名目としたソマリア沖への
海上自衛隊派兵反対! 自衛隊の武力行使反対!

(『あーてぃくる9』第38号(2009年2月28日発行)から転載)

支持率1桁、ボロボロ麻生政権は、128日安全保障会議でソマリア沖へ海上自衛隊を派遣することを粛々と決定した。しかも政府は、自衛隊の任務としての戦闘を戦後初めて容認したのである。ソマリア沖への自衛隊派遣は、日本が「戦争する国」へ飛躍する決定的な第一歩となろうとしている。第9条の改悪に反対するすべての市民・労働者は全力を挙げて議論をまきおこし派兵に反対しよう。「麻生内閣を認めないぞ!」の声を大きくあげよう。

巷では
「海賊は犯罪なのだからとりしまるべきだ」「自衛隊ではなく海上保安庁が警察行動をとるべきだ」「海賊対策は平和憲法とは切り離して考えるべきだ」という声があふれている。市民運動の場面でもこういう声に押し負けてはいないだろうか。


議論の輪を広げよう
第9条の会・オーバー東京では議論が白熱した。まあ、ざっと、こんな具合だ。
昔を知る人「忘れてはいけない。満州事変前、日本人の生命財産を脅かす匪賊は断固
として取り締まるべきだと政府もメディアも喧伝した。それに日本国民がまきこまれアジア侵略への道が開かれてしまった」。「ソマリアに派兵して日本の貨物船を守る事を、『蟹工船』の帝国軍隊に護衛されて国益を背負って操業する蟹工船みたいだと書いている人もいる」。(「東京新聞」)
派遣労働者「ソマリアの海賊と派遣村の食えなくなった人たちとが重なって見える」
「だから海賊を生み出すようなソマリアの国内状況を改善するためにこそ日本政府は支援すべきなのだ」
「日本政府にやらせようとしてもそんな努力をするだろうか」
「ところで海賊って誰なのだろう」と若者。「もとは漁民だったといわれているよね。先進国の大量のゴミ投棄で漁場がダメになったって。でも、沿岸漁業しかやっていなかった漁民が高度の武装をして人質をとるような海賊になれるのかな」
「地方の有力者が英の民間安全保障コンサルタント会社に育成されて海賊企業を始めたという話もある(『世界』3月号)。長期
のは先進国の大量のゴミ投棄だって」「沖合漁業は日本をはじめとした先進国の大型の遠洋漁業船が根こそぎ採っていってしまう。」
「中国の軍艦が派遣されたと大きく報道されたけど」
「中国は初の海軍派兵だ。中国の軍事力強化に対する警戒心を日米は強めているね。EU連合も、ロシアも主要各国の海軍が派遣され、まるで力を誇示しているようだね」 「資源争奪戦になったら怖いよね」
「アメリカの「対テロ戦争」支援の補給活動とは連携するの?」
「そういう意見も出はじめているね」
「海賊対策プロジェクトチームは現地周辺を調査してソマリア沖での自衛隊活動補給基地として紅海に深く入ったジブチの港湾と空港を使用する準備をしている。自衛隊活動の海外基地だよね」
「麻生総理はオバマ大統領と世界で一番にホワイトハウスに招かれ、日米同盟の重要性を示したと自慢しているけど経済不況で苦しいアメリカとしてはアフガン派兵への協力とアメリカ国債の買い支え、米軍基地の再編強化への協力を期待しているのが本音だろうね」
「ソマリア沖の海賊対策でも米軍と自衛隊は連携する訓練をしている。国内では広島県呉沖で海自と海上保安庁が合同訓練をしたと報じられている」
「田母神元空幕長の著書が爆発的に売れているそうだ。全国各地で日本が侵略国家だったというのは濡れ衣だと大々的に講演会を開いている」
「自衛隊幹部は戦闘地に自衛官を派兵するには、是が非でも国粋的な精神的支柱をつくらなければならないと必死になっているのが見えるよね」
「海賊は敵だ。敵は軍事的にやっつけろという風潮に国民全体が流されるとこわいよね」
「もう一度、アジア侵略の常套手段を思い出そう。<在留日本人の生命と財産を守れ!>だった。いま政府が言っている<日本の船舶と積荷を守れ>とおなじだよ」
「世界の富を集中して南北問題の原因をつくり、食えない貧困層を大量に作り出したのは先進国だろう。先進国の中でも巨万の富を集中した層と膨大な貧困層が生まれている」
「世界中の食えなくなっている人たちがなぜ生まれたかをマスメディアの情報からだけではなく考えたいね」
「食えなくなった人と連帯したいね」。
「皆の議論を集約し、連帯して「武力行使を認めるソマリア沖への海自派兵は第9条を葬るものだ」
「日本を戦争する国にさせないぞ」
「ソマリアへの海上自衛隊派兵反対!の声を大きくあげよう。麻生内閣NO!をつきつけよう」

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