7月2日 日曜日

なかなか その全容を見せないマッキンリー山を確実に観る方法は、
飛行機で飛んでみることだ。
そしてベースキャンプに降り立ってみたいと思った。
そのために、フライトシーイングを昨晩からお願いしていたのである。


左下の一番高い場所がマッキンリー山。

空港に行ってみると セスナを主とした軽飛行機が頻繁に飛び立っていく。




僕はどうしてもベースキャンプに立ち寄ってみたいので
 そのチャンスを伺っていた。
たまたま二人のクライマーがベースキャンプに行くというので
同行させてもらうことにした。


セスナに給油中の朗らかなおじさん


脚は 雪上用と併用です


12時40分 タルケットナー空港を離陸







左 キャプテン 右 僕用?です 


永久凍土



  ベースキャンプは 真夏でも銀世界だ。
13時10分 パイロットのJは 車輪からソリに切り替え雪原に着陸した。


標高2,200m ベースキャンプ

 
↑キャプテンが撮影してくれた →             写真です 


左パイロット   二人のクライマー


、クライマーは出発していった。
彼らも厳冬期の植村直己のことは知っていた。彼らの安全を祈る。


13時25分 ベースキャンプを離陸


 パイロットも クライマーを無事ベースキャンプに送り届けたせいか
 二人だけになって気が楽そうだ。




厳しい雪肌をみせるマッキンリー。急斜面には当然雪がない。

頭上は雲海で頂上をみることはできない。



後部はこんな感じでネットに包まれた荷物だけだ




雲の上にでたようだ。周囲に青空が展開して視界がひらけてきた


パイロットはぐんぐん高度を上げてくれる。







パイロットに声をかけられ 指差す方向を見ると
キラキラと輝くマッキンリー山が突然姿を現した。






夢にまでみた 北米最高峰 6,194m マッキンリー山の頂だ。
厳冬期の2月  植村さんはこの頂上にたったのだ。

感動で 僕の心は はちきれそうであった。



帰りは有頂天。
アラスカの大地を脳裡に焼き付ける。
川とハイウエイが森林を切り裂いている





前方に見えるのがタルケットナーの滑走路




無事着陸です


離陸12時40分。着陸14時。
1時間20分のフライトだったが 6千メートルのマッキンリー山頂を
僕に見せるために 相当頑張ってくれたようだ。↑残燃料もこれだけです。

僕にとって一生の思い出だ。心から感謝したい。



ところで、デナリ国立公園のキャンプ地とツアーは全面予約制で
 早い時期から埋まっている。
ところが、現地では 予約以外に今日から三日分の予約を
少数ながら受けつけている。
そこで、飛行機から降りてから、片道200キロの道のりを走り、
申し込みに向かった。

踏み切りは いつもの通りそのまま通過します。
一旦停止などしたら 追突されます。





ツアーは明日の朝6時の分が一名空いていたが、明朝タルキート
から行くのには無理があるので、明後日の早朝一番
 5時15分発を予約した。
そして、公園内のテントサイトは、満杯であるので
 国立公園隣りの民間サイトを二日間押さえた。
これでひとまず安心である。鼻歌まじりで帰路につく。


ふと 右後方を見ると なんとマッキンリー山が雲の間から見えるではないか。
すぐに高台に上がり さきほど飛行機から見たマッキンリーを再度瞼に
焼き付けるとともに、カメラを引っ張り出してシャッターをきる。
ラッキー! こんなことってあるんだ。植村さんて相変わらず優しいな。











夜のレストランは、近くの住民とマッキンリー登山の宿泊客が集まり
 毎晩こんな感じのようです。



 
今夜はタラバガニにしたが 昨夜のサーモンとは大違いの大味で ガッカリ


今夜は、植村直己さんが使用していた5号室を使わせてくれた。
質素なその部屋のベッドに入っても しばらくは寝付かれなかった。




本日の走行距離 309マイル