7月1日 土曜日

6時に目が覚めた。釣船が一斉に出航していくのが窓から見える。
ホテルの部屋の窓下には コーストガードの船が昨晩から係留中である。
湾内の奥は石油関連施設とタンカー。



乗船するフェリー AUROLA

フェリーへの乗船は二人一組の係官が パスポートチェック
そしてトランクを開けて荷物の検査、
さらにミラーを使って車下部の点検まで厳重な検査が行われた。
僕の場合は トランクにあった調理用プロパンガスの存在を標示する
ピンクのラベルをウインドーに貼られた。



 フェリーの乗客は皆さん愉しそうです。
氷河や流氷が見えたり、鯨と遭遇したり 日なたぼっこしたり
おしゃべりしたり 食べたりしながら
5時間なんてあっという間。アンカレッジ南のPortageに
すぐにでも到着してしまいそうです。
 

氷河が海岸線まで張り出しています






氷河が海に流れ込む姿を望遠していた。さすがに風は冷たい。










船尾に近いデッキは 風も遮蔽され 暖かな陽の光をたっぷりと
浴びることが出来る。

 
まだ10時だが 下船してからの自分自身の行動がよく分からないので、船内食堂でとりあえず腹ごしらえ。
写真の通り よく分からない食べ物でした。


オーロラ号のクルー。気さくな感じで話しかけてくれます。

年輩のご夫婦から、昨晩あなたを街で見かけましたよ。
今日は何処に泊まるんですか?と聞かれたので、そちらは?と尋ねたら、
キャンピングカーなので、もう少し南下してみようと思っています。
との答えが返ってきました。ボクは北上します。

 


ポルテイジの港には、豪華客船ダイヤモンドプリンセスが停泊していました。

ここからは鉄道と車が併用するアンダーソン・メモリアルトンネルを通り
北上します。
北上は無料で南下は有料です。

トンネルに向かう北上する車が待機中


ワンチャンと旅行中


トンネル内部は 鉄道線路を車の左右両輪で跨いで走ります。


5分ほどでトンネルを出ました。
南行きの車列が待機中です。


残雪の山々が登場です


アンカレッジに向かって北上。


途中 野生動物園があったので 入ってみました。
  





アンカレッジ市内に入り ガソリンを給油しました。
入ったスタンドのガラス面にHolidayと書いてあったので
休みかと思ったら お店の名前でした。



夕方、前々から気になっていた 車のエンジンオイルを交換してもらおうと
アンカレッジ空港のダラーへ立ち寄ってみましたが、メカニックが不在で
交換出来ないと言われてしまいました。

日本では車の販売店は土日は必ず開店していますが
 ここアラスカではDodgeの店も土日はお休みのようです。



 アンカレッジから3号線を北上中 突然大きな動物が
フリーウエイ右側の山林から道路上に飛び出してきました。
僕の前を行く車の前でしたから 僕には一瞬大きな動物の姿が見えたので
ブレーキを軽く踏み様子を伺いました。
エルクは一切躊躇することなく パカパカッと闊歩するごとく高速道路に入り
そのまま横断して 対向車線に入り 進行してきた車のボディーにベコッとした音とともに
当りましたが、何事も無かった様に林の中に消えていきました。
なにか映画のスローモーションを観ているようです。
僕はカメラを構え 左側に向かって走る去る物体に向けて
シャッターを押したのですが 残念ながら下の写真に
 その姿は映っていませんでした。



エルクに注意の標識がありました。


そして今夜の宿は Mt.Mckinleyの麓 Talkeetnaにある
北緯62度というモーテルです。



実は 冒険家 植村直己氏が マッキンリー山登頂のために
常宿にしていた場所なんですが、
予約もなにもしないで訪問しました。
そして、経営者の女将さんに 1983年6月植村直己さんが日本を離れる
3ヶ月前に講演した、恐らく日本で最後の講演テープを手渡しました。

この講演会には僕も参加して とつとつとした彼の語り口と、山に対する
真摯な姿勢がとても印象に残っています。
その時彼は、今回のマッキンリー登山に関して、アメリカ政府は
学術的でないとして積極的な支援をしてくれない。
と静かな口調で話されていました。
そして彼が消息を絶ってから、僕は、いつの日にか必ずこのテープを持って
マッキンリー山に行くぞ と心に決めていたのです。
そして念願がかないました。

突然の訪問でしたが 名も無い一日本人の来訪をとても喜んでくれました。
これも植村直己さんが此処で皆さんに愛されていた証しであろうと思います。
そして彼の笑顔の大きな写真が飾ってある場所に案内してくれたのです。






そして 街の小さな博物館にも植村直己コーナーがありました。
 


今夜は ここに泊めてもらうことにしました。
本日の走行距離 217マイル

おまけ (今夜の食事は 厚さ2センチのアラスカンサーモン。
ドレッシングはブルーベリー。
ビールは勿論ちょっと濃い目のアラスカンです)