前回はマイクでvocal、声を録音する方法を大まかに書いたが、今回はより具体的なところまで行ってみたい。
 まず「マイク」の選び方だが、普通のカラオケマイクでもんだいない(安いし)。ただ、より高品質を目指すならsure,sm58を選ぶと良い。

/写真1(写真はsm58bateA)/

価格はおよそ1万円前後だが、これさえあれば大体のモノは録音できる。実際ライブハウスでは定番で、レコーディングでも多用される、基本中の基本マイク。(U2,ビョークもお気に入りだそうです。)ケーブルは接続部分さえ合ってれば安くても問題なし。長すぎると音的にも使い勝手も悪いので、適度な長さで選択する。
 では、いったい何に音を録音するのか。昔からあり、今でも有効なのは「カセットテープ」だろう。MD,CR-R,HD(ハードディスク)等のレコーダーも今では安価だが、デジタル物は細かい所が面倒だったりするので、アバウト(適当)なカセットってのが扱いやすい。今やMD,CD-Rの方がメディア自体は安いのだが、独特の飽和感やヒスノイズ、甘いひずみサウンド等魅力的な媒体と言える。90分という絶妙な記録時間があるのも良い。レコーダーも今や人気がないのか安価になりつつあるそうだ。ただ、店頭に新品が置いてある事は田舎だと滅多に無いので、中古を安く買うかもらうか、取り寄せるかしなければいけないかもしれない。ラジカセでもいいのだが、1chしかなかったり、レベルメーターもなかったりするのがきつい。バンドものなら一番バランスのとれた音が聞こえるポイントをみつけ、ヘッドホン等を利用してなんども突き詰めればなんとかなるかも。カセットMTRは現行機種は4trのみ(のはず)。

/写真2(tascamのカセットMTR 写真はrec4ch,mix8chの物)/
 通常A面のL、R ひっくり返してB面のL、R(計4ch)と聞いていく物を、すべて片面走行にして、計4ch録音できるようにしている。これを利用して逆回転サウンドもできたりする。
 同時にマルチマイク録音(多マイク録音)したいが、マイクは一本しかもってない(俺はね)、、、。ので1trずつ録っていく。dr,ba,gt,voが基本かもしれないが、そこらへんは臨機応変に。drをステレオ(2ch)で使ってそれにgt,baなんかを無理矢理L.Rに紛れさせて、残りの2chにvo,cho,という手もある。そこらへんは情熱で切り抜ける他無いだろう。安いミキサーを買って、それのステレオアウトをラジカセに一発取り、という手もある。ようは、その録音/録音物で何を伝えるのか、何が目的なのかを明確にし、いかに情熱を持って提供するか、なんじゃないっすかねー。自分のバンドの練習の確認だったり、デモだったり、テープアルバム(作品)だったりするのでしょうけど、わざわざ音を出してそれを録音してるわけですから、そこには情熱のかけらが存在してるんでしょう、たぶん。
と、まあここらへんで。次は「これを録音するには?」編を御送りする予定。

もはや前回何書いたか覚えてないわけですが、過去原稿読み返してなんとか続きを。

 とりあえず、マイク1本(ダイナミックマイク)とカセットMTR(もしくはMDのMTR/HDのMTR、生活に支障のない金額で、何でも!)を用意。マイクスタンドか、無ければちょうどいい高さと距離の「いい音がする」と感じるポイントに設置。例えばアコギとボーカルを1本のマイクで録る場合、「指向性」という物を考慮する。

「指向性」=マイクが音を録音する時の方向と、考えて頂いて概ねいいかと思われる。(まあ、とりあえずね)

で、大体の「ダイナミックマイク」や「カラオケマイク」、sureのsm58,57なんかは「単一指向性」で、マイクの「頭」の方に一方向に向けて録音しやすいようになっている。編み目の部分を外すと、振動をとらえる「ダイアフラム」が出て来ると思うが、その向きが重要になる。マイクは人間の耳と違い、このダイアフラムが感知する音を録音するように設計されている。ライヴや録音では、この特性を上手く使い、「録りたい音」と「録りたくない音」のバランスをとるわけだ。

「アコギとボーカル」の場合だと、それぞれの音量がバランスよく録音できるポイントを探さなければならない。アコギばかり大きくボーカルが聴こえないなんてのは、聞き手は辛いもんだ。(狙いなら別だが)ボーカルが大きくてアコギが小さいとこれはこれで物足りない、と感じたりするが、「いい音」のためにここは根気が必要。なので、マイクを音源から演奏の邪魔にならないような距離に適度に離し、ボーカルの口元とアコギのホールの部分の間を中心にいい音の出所をくまなく探してみるも良し。あとは歌い手演奏者のチカラ加減に任せる。

で、バンド物。ドラム、ベース、ギター、ボーカルの定番スタイルのバンド。ドラムの音量を中心に、ベース、ギターの音量を調節。そしてちゃんと歌詞の聴こえるレベルのボーカル。

ドラマーは、キック、スネア、ハイハットの三点がリズムの肝になってくるわけだが、その他タムやシンバル類など、少々音量にばらつきが出て来る。できれば音量をそろえるため、ミュートしたり演奏時に心がけるべきだが、意外と力一杯叩くとちょうど良かったりする。(曲調にもよりますが)
ベースやギターの音量は、演奏時に小さめにするとバンドとしても「何か違うなあー」と感じることがあるので、ドラムは音の粒をそろえるため、どの部分も大きめの音量で鳴るようにしてみるといいだろう。

ベースは低域が出過ぎると訳が分からなくなるので、アンプで調整。適度の音圧感と聞き取りやすい中高域のバランスをとる。

ギターはテープに録ると若干ハイが削られるので注意。歪み系のエフェクトかけすぎるとぐちゃぐちゃになってわからなくなる。鳴っている周波数レンジが広い(低域から広域まで幅広い)ため、ベースやドラムの音にかぶって、ギターばかりの印象になりがち。ドラム、ベースから多少離して鳴らすと空気感も出て、いい結果が得られそうだ。スペースが無い場合は、ドラムとベースを近づけて、ギターを少し離す、など工夫してはいかがだろう。

そしてバンドの音が決まって来た所で、ボーカル。
マイク1本だが、MTRなら後から録る事も可能。実際バンドの音が決まり、いい音の鳴るポイントを探してセッティングできたら、一度録音してみて、MTRの別トラックでボーカルを録ると、音質的にもいいものが望めそうだ。同時一発取りじゃなきゃ嫌!って方は、マイクセッティングした場所で、納得のいく音を模索してみてはいかがだろう。

モノラルで録音する場合、各楽器の周波数特性が鍵となる。

低域〜中低域〜中域〜中高域〜高域、/キック〜ベース〜タム〜(ボーカルこのへんから上かな?)ギター〜スネア〜ハット

この辺りを気をつけて録音前に調節すれば、マイク1本とカセットMTR(など)でも心地いい音は得られるようになる。自分たちの「耳」と「感性」と「情熱」で、根気よく「いい音」を追求される事をおすすめする。録音の楽しさや奥深さを知るきっかけができれば、自然と「いい音」を追求したくなるもの。「いい音」の定義はそれぞれ、一人一人の感性に委ねられることも忘れてはならない。

では、次回は「EQ(イコライジング)」や「マイクプリアンプ」等、「モノラル」でもう少し追求していこうと思う。「ステレオ(L-R 2チャンネル)」の回までに、マイクを買い足す事にしよう。〜カセットMTRだとヒスノイズ(サァァァァーって鳴ってるやつね)が多くて、肝心の演奏が聴き辛かったりする。そこで、「EQ」と「マイクプリアンプ」を使って音質向上を目指す、、、、。〜以下次回!