ケッチ 「TLIPLE LIGHTNING VOLT」
 
ついに出たー!と思わず叫びたくなる逸品。待ちに待ったケッチ単独音源が自身のレーベルまるごWARLD WIDE RECORSから発売されました。3曲でトータル30分を越える大作だが、ヘビーなサウンドにのっかる叙情あるポップ感で、引き込まれて持っていかれてる内に終わってしまう名曲ばかり。昨年から岡山ペパーランドで隔月的に行われている「オルタナティブ ミュージック講座」など様々な音楽の影響を自分たちのフィールドで鳴らせてしまう上手さはケッチの特徴だと思います。音も、風景も、言葉も、意志も、岡山で受け取る様々な影響を石原君率いるケッチは、これからもどんどん音に投げ込んで、僕たちに届けてくれること間違いなしでしょう。(FM上田)

yo-suke record compilation album 2005 ¥300 yosk-0001
1:ツブテ/藤井誠 2:SUCIDEBOSSA/雨漏り 3:S(ufo)N /トンガリマ〜ブルビーフわさび4:spr/JUNKPOP 5:saturation/matilda6:DEVILSIGN/CAPTAIN IRON PERMANENT7:propaganda/warhead 8:ポチットナ/冷凍人間 9:homemade/中村雅史10:basskalimba/井手陽介(イデオン)

 
福岡在住の井手陽介と、東京在住の中野よーすけの、二人の「YO-SUKE」によって立ち上げられたINDレーベルのレーベルコンピレーション。二人が岡山県に居た事もあり、岡山在住アーティストとも交流がい。岡山の「冷凍人間」というgt/vo,ba/voの2人組ユニットも参加。打ち込みとgt,baのアンサンブル、そこに乗る情景的な歌詞が、淡く、風景を思わせる。メンバーの藤井誠による、環境音+エレクトロニカといった趣の、ソロ音源も収録している。レーベルオーナーでもある中野よーすけ=JUNKPOPによる独自のニューウェーブ解釈を感じさせる音源や、井手陽介(イデオン)による牧歌的で心地よく染み込む、水滴がささやかにはじけるようなベースソロも秀逸。なお、ボーナストラックには「Uniq"est」(井手陽介、中村雅史、RYOSAI、からなる「もっともユニークな音風景」を目指すバンド。 )による、光と風を感じさせるエレクトロニクス・サウンドといった趣の音源を収録。各アーティストがそれぞれの「鳴り」と「世界観」を持っている。他の曲も聴きたくなる、レーベルコンピの好例、かと。
『レーベルなのかただの集まりなのかわからないが、基本的には気の会う奴を集めて活動したい。ジャンルは基本的に決めず、音楽的な方向性も決めてません。 』(井手陽介談)
『いい意味で居酒屋のような雰囲気を目指していきたい 』(中野よーすけ談) (DJ剣波/Shintoka)

THE PLAYMATES!『SHORT WAVE』K.O.G.A Records K.O.G.A-011
 
姫路が生んだ最高にキュートなギターポップバンドPLAYMATESです。この1stでは爽やかな疾走感ある演奏とボーカルの少年声が実にうまく調和してみごとな胸キュンサウンドを聴かせてくれて泣きのメロディを奏でるバラードもありちょっぴり切なくてでもクールな曲々は良質そのものです。思わずジャケ買いしてしまう可愛いいイラストが雰囲気を象徴していて追っかけ気分でライブ見に行っちゃいましたよ!(高見)

aBRaham CROSS「PEACE CAN'T COMBINE」
 92年、東京で結成された4人組のクラストコアバンド。DOOMで極悪なサウンド、曲は短いが展開にメリハリがあってかっこいい。テンションが上がってお家の中でもヘッドバンギング!です。最近出た、スマーフ男組・山本精一氏らとのライブ実況音源「夜Live(カンマナイト・ライブ)」でも彼らのセンスが光ってます。(ユキ)

LONDON ELEKTRICITY 「Power Ballads」
 魅力はその名もジャングルドラマーによる人力ドラムンベース。完璧に刻まれる力強いビートが機械には出せない絶妙のグルーヴを生み、バンドのテンションを盛り上げる。そこに乗っかるソウルフルなコーラスが曲にさらにエネルギーを与える強力なサウンド。 (TAKE-1)

美結『Blue Strawberry』
 確か2000年の夏頃。当時ぼくはエロビデ屋で働いていた。名ばかりの店長で。その年の春は女の子と上手く行かなくなったりで、鬱鬱とした日々を過ごしていたが、夏頃には「どのビデオ仕入れよっかな〜」なんて仕事でストレスを発散していたと思う。店内には、有線を引いてあったので、いろんな曲、それも名前もわからないような人の曲が、よく流れていた。そういう、知らない人の、きいたことのない曲の中に、不思議と耳に残るものがあったりする(そういうのをきくのが、楽しみでもある)。でも、ヒットでもしなければ、タイトルも名前も知らないまま、消えていく曲も多い。それから、数年。仕事もすっかり変わり、(今度は仕事の)ストレス発散のために、ブックオフの250円棚を漁る日々。で、ジャケ買いした中に、『宝箱の中の老人』という、ヘンテコなタイトルのシングルがあった。愛用のCDラジカセ(ゴミ捨て場で拾ったやつ)で、きいてみる。イントロ…「あれ、なんかきいたことあるような」…歌い出し…「あ、これって」…「きいたことあるわ」まさに、エロビデ屋の有線で流れていた、妙に耳に残る、あの曲だったとは…びっくりしました。CDできいてみると、なかなかアレンジとか、録音の感覚、なんといっても美結というひとのつくりだす、詩・曲・歌声のどれもが、かなりイイ。なんというか、具体的な意味があるんだか、よくわからないが、「世界」は確実にできてるぞ、という、感じ。おもろい。けど、今まで名前すらきいたこともない(知り合いにきいても、誰ひとり知らない)。ネットで調べてみると、シングル2枚とアルバム1枚を残しているらしい。で、アルバム欲しいなー、なんて思ってて、中古屋さんとかで、常に探していた。ある日、用事で総社の方へ行く機会があった。そのついでに、CD屋さんに立ち寄った。何気なく棚を物色していると…、あった。美結のアルバム『Blue Strawberry』が!!!これまた、めちゃくちゃ嬉しかったなぁ。ちなみに、そのCD屋さんは、本誌編集長のTAKE-1さんの勤めているお店なのでした、チャンチャン。(その後、残りのシングル『ぼくらの魚』は、アマゾンで買いました笑)未だに、美結という人物が何者なのか、謎のままです。ハスキーなんだけど、高くて、ロリっぽくさえ感じる、声(かなりツボ)。アルバムのジャケや歌詞カードに、わかりにくく写っている写真。全身、青い服で、髪も青(Blue Strawberryってタイトルなだけに、ということなんでしょう)。ほんと、「自分ひとりだけの名盤」という感じです。情報をご存じの方、彼岸のくにみつまで、ご一報を。(彼岸)