SEG/EDUCA化学のクラス選択                       2004.11./2008.08.一部修正

※ これは会社の方針ではなく、吉久の個人的見解です。

 

地上で最も面白い化学の世界にようこそ。

SEG及びEDUCAの高校化学には、高1スタートのコース、高2スタートのコース、高3スタートのコースの3種があります。

☆ 高1スタートの講座は、高1になる直前の春期講習から開講され、高2の夏までに全範囲が終わります。高2・高3時には「Sクラス」と呼ばれ、全範囲終了後は問題演習がはじまり、高3秋からはテストゼミ形式で答案の作り方を学びます。

☆ 高2スタートの講座は、高2になる直前の春期講習から開講され、高3の春までに全範囲が終わります。このクラスにはクラス分けがあり、たとえば高3では「H/G/Fクラス」に分けられています。全範囲終了後は問題演習がはじまり、高3秋からは高1スタートのコースと統合されテストゼミ形式の授業が行われます。

☆ 高3スタートの講座は「速修クラス」と呼ばれます。高2の1月から開講され、高3の11月に全範囲が終わります。それまでは講義中心で、テストゼミ形式の演習を望む場合は高3の冬になります。このコースにはクラス分けはありません。

例年、どのクラスで学ぶべきかと相談を受けます。直接相談してもらえばその人に最適のクラスをお勧めできるのですが、残念ながら最適でないクラスを選ぶ生徒も毎年少なくないようです。そこで、クラス選択についてアドバイスをしたいと思います。

 

現在中2以下で、中学のうちから化学の勉強をはじめたいと思っている

理科は数学を礎にしています。数学が苦手でも化学を理解することが不可能ではありませんが、効率を考えればまず数学を(高校の数学T・A程度は)充分理解してからの方がよいでしょう。いくら学校の進度が速くても、中学のうちから本格的な高校化学を学ぶのはいささか急ぎすぎです。化学は高1からで充分だと思うので、それまではしっかり数学の「なぜ」を考えてください。

 

現在中3で、高1から化学の勉強をはじめたいと思っている

高校受験をした人は、高校の数学T・Aの範囲が終わっていないと思いますので、そちらを優先し、化学は高2の春からとった方がよいでしょう。理科は数学を礎にしています。高校の化学は物理ほどは数学を前提としませんが、それでも基礎的な科目をまずしっかりさせてから勉強した方が効果があがると思います。数学をしっかりやって、1年後から化学をはじめましょう!

中高一貫校やSEG/EDUCAの中学数学クラスを修了し、数学が得意な人は、高1クラスをとるのが良いでしょう。高1から化学をはじめれば時間的余裕があるため、無理なく楽しく理解できると思います。横浜の場合は高1クラスが開講されていないので、1年早く高2開講クラスにチャレンジするのも良いと思います。この場合、高2の春までに全範囲が終わるので、そこから1年自習をして演習は高3で受けるのがよいでしょう。勿論普通に高2から受講してもよいのですが、高1では化学を中心に、高2ではもう1個の理科を中心にと、重点的に学習できるのが長所だと思います。

 

現在高1で、高2から化学の勉強をはじめたいと思っている

高2開講クラスをとるのがよいでしょう。もっとも無理なく勉強を進められると思います。ただし、化学で最も重要な理論的な領域(高校では「理論化学」、大学では「物理化学」と呼びます)を高2時点でやるために、ここで遊んでしまう人が結構いて(高3より気分的に油断がある人が多いですからね)、結果高3スタートの人より理解が浅いという場合もあるのでこの点は要注意です。逆にここをしっかり理解しておけば、化学はかなり強力な得点源となるでしょう。もし学校行事や部活などにまだうちこみたいという人は、高2冬(1月)からの速修クラスを選択するのが良いと思います。

 

現在高2で、高3クラスで化学の勉強をはじめたいと思っている

SEG/EDUCAについては、「テストゼミを上位のクラスで受けないと東大や医学部には行けない」という噂がまことしやかに流れています。勿論、テストゼミの上位クラスには実力者が多いのですが、それはそこまでにきちんと内容を理解しているからです。難問のテストゼミだけ受けても力はつきません。

「東大(や国公立大学医学部)に行きたいから演習の上位クラス」という選択方法は間違っています。どの学校に行きたいかではなく、現時点の理解度で選ぶべきです。速修できちんと理解を進めて冬期講習までに演習の最上位層並みの結果を出せるようになる人は結構いますし、演習の下位クラスでしっかり力をつけた人は、演習の上位クラスにしがみついているだけの人よりははるかによい結果を出せます。無責任な噂に流されることなく、自分の実力を高めることを考えましょう。

理論の分野(特に化学平衡論)に不安がある人は、速修クラスをお勧めします。通常、8割ぐらいの生徒には速修を薦めることになります。どうしても秋のテストゼミが受けたければ、夏に無機・有機を両方履修して秋からテストゼミに編入する方法も可能です。焦って早く進もうとすると足元が怪しくなるので注意してください!

理論の理解にそれなりに自信がある人は、演習クラスをとるのが良いでしょう。この場合、SEGではクラス分け試験で実力に合ったクラスに配分される筈です。一方、EDUCAではクラス選択が各自の意思に任されています。これはパンフレットの診断問題と自分の自信度で決めればよいのですが、上位クラスをとったものの講座内容がわからないような場合は、できるだけ下位クラスに移った方がよいでしょう。こちらもご参照ください。

 

 

学生は、進度が速いクラスを望み、難度の高いクラスを望みます。しかし、その自己満足では大学には行けません。しっかり理解していけば、進度が遅く、難度が低くても(とはいえ、下位クラスの難度も東大に合格するのに充分な筈ですが)実力をつけられるのです。決して慌てず、自分に合ったクラスを選びましょう。迷ったときは直接or電子メールでご相談ください。

 

化学は地上で最も楽しい学問です。あなたにもそう思ってもらえるように全力を尽くします。