けっこう、大おまけしてのピック・オヴ・ザ・ウィークなんですが(笑)。
でも、97年に『Floored』を買ったときにはまだ気づかなかった、こいつらの本性というか、なんだよけっこうオールディーズ好きなんじゃん的な持ち味が本盤ではかなり強く発揮されていて。つい情がわきました。
前作ではスーパーキャットをラッパーに迎えて、かつアダム・アントの曲をカヴァーしていたけれど、今回はKRSワンを迎え、かつスティーヴ・ミラー・バンドのカヴァーを収録。構成は一緒ってことだね。でも、オレンジ・カウンティ出身ならではの豪快オルタナ・バンドって感触はぐっと減って。スウィート・ソウル風味も漂わせたアコースティカルな曲があったり、カヴァーもしているスティーヴ・ミラーあたりにも通じるサイケな色合いをまぶしたファンキーな曲があったり、初期ビートルズふうというかロックパイル調というか、まあ、要するに60年代のゴフィン&キングふうのメロディが何曲か登場したり、NRBQのおセンチ系の曲っぽいのがあったり。
もちろん今ふうのグリーン・デイとかグー・グー・ドールズとか、あるいはサブライムとか、そういうのに通じる曲もある。
こんなだから、アメリカではあまり評論家筋でまともにとりあってもらえてないみたいだけど。この痛快雑食系のおバカさんパワーはかなりすごい。憎み切れません。ロック愛好者として、こいつらかなり上級なんじゃないかな。そうした音楽性の幅広さのようなものがいい方向に炸裂した1枚だと思う。けっこう今、わが家のヘヴィ・ローテーションです。
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