待ちに待ったCDボックス・セット。
68年にリリースされたファースト・アルバム以降、30年の間にリリースされたスタジオ・レコーディングから選び抜かれた50曲をディスク1と2に、大多数が未発表のライヴ、デモ、アウトテイクなど31曲をディスク3に、そして映画音楽関係の音源24曲をディスク4に収録。ニューマン本人による全曲解説も魅力だ。他にもレニー・ワロンカー、ラス・タイトルマンなど重要人物の文章も読み応えある。
有罪、懲役30年…みたいなタイトルもふるってる。さらに言えば、ジャケ写を見てもらえばわかる通り、 "Famous Composers And Their Works" なる立派なタイトルにばってん付けていて。いかにもランディ・ニューマン。いいねぇ。ワーナー・アーカイヴ・シリーズからのリリースだが実際にコンパイルしたのはライノだ。さすがだ。
彼は間違いなくアメリカの優れたシンガー・ソングライターのひとりなのだけれど、シンガー・ソングライターという言葉から連想しやすいカントリーとか、ブルースとか、そういうものに直結する味じゃなく、たとえばヴァン・ダイク・パークスとかブライアン・ウィルソン、ハリー・ニルソンあたりと共通する、フォスターとかジョプリンとか、あるいはゴットシャルクとか、その種の19世紀のアメリカの作曲家たちが見せてくれる光景にも似た、抗いようのないアメリカン・ノスタルジアに貫かれていて。
やっぱし深いです。日本盤も99年1月下旬に出るそうだ。歌詞の対訳ついてるのかな。ついてるなら、そっち買ったほうが深く深く楽しめるかも。ライノはいよいよワーナー音源の再発に本格的に着手。今んとこ、このボックス以外にはデイヴ・リー・ロスとゲイリー・ライトのベストなんてのしか出てないけど、今後の展開を大いに期待してます。なんでもジェームス・テイラーのボックスってのも計画されているんだとか。いいねぇ。頼むよ。
以前、ランディ・ニューマンについては、ここにもちょこっと書いたので、興味のある方はどうぞ。
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