Jason Falkner Presents Author Unknown
Jason Falkner (Elektra)
今回最大の拾いものが本盤かな。これはすっげえいいです。
どっかで見た名前だなぁと思ったら、ジェリーフィッシュの初期メンバー。かつてぼくが書いたジェリーフィッシュのファースト・アルバムのライナーノーツによればですね(自分で参照するなって)、“なんでもジェイソンは、ジェリーフィッシュに加入する以前、なんと、現在、全世界のティーンエイジャーを巻き込んで大当たりをとっているニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの6人目のメンバーとして目をつけられていたのだとか。
が、ジェイソンが楽器をきちんと演奏できることが判明して、それを理由にニュー・キッズからは締め出されてしまったとのこと。真偽のほどは定かでない”だってさ。
スピーディでラウドでキャッチーなロックンロールから、フォーク・ロック調の曲、ジェリーフィッシュを思わせるひねくれポップ、渋いフォーク曲、ランディ・ニューマンあたりを思わせるノスタルジックなものまで。曲作りのセンスはかなりです。パフォーマーとしても魅力あるし。
売れちゃえ!
No Code
Pearl Jam (Epic)
なんか、出てひと月くらい経ってしまって。今さらのレビューなので、くどくど書くのもナンですが。パール・ジャムもやってくれましたなぁ。すげえ、いいアルバムだと、ぼくは思う。4枚目にして最高傑作って感じ。
評価は分かれると思う。ただ、ポイントは、いわゆるグランジ・ロックってやつがもう終わろうとしている昨今、やはりそんな一連のムーヴメントの中から台頭してきたパール・ジャムが、こんなふうに“グランジは死んだ”と宣言するかのような力作を発表し、それがすんげえ切実な傑作としてぼくの耳に届いたってこと。
一時は、ある特定の世代の怒りとか、いらだちとか、そういったものを象徴する文化として隆盛をきわめたグランジ・ロックも、その世代が年齢を重ねるのと歩みを同じくしながら徐々に行き場を失っていって。持ち前の攻撃性をメタルのフォーマットにシフトチェンジしていったサウンドガーデンとか、ぐっとポップな方向に向かったフー・ファイターズとか。やり口はいろいろあるけれど、それぞれがそれぞれのやり方で脱・グランジしていっているわけで。パール・ジャムもまさに今、その瞬間を見事にやってのけてみせてくれたって感じ。
まあ、いいや。もう、あちこちにレビューも載ってるし、けっこう売れてるみたいだし。とにかく、シャープな曲作りとタフな演奏にまいりました。歌詞も、んー、相変わらずむずかしいけど、深い……みたいです。