元ソーシャル・ディストーションのマイク・ネス、早くもセカンド・ソロが登場だ。ファーストのほうでもディランやハンク・ウィリアムスのカヴァーを交えていたけれど、こちらはアルバム・タイトルからも想像できる通り、真っ向からのカヴァー・アルバム。ハンク・ウィリアムス、マーティ・ロビンス、カール・パーキンス、ハーラン・ハワード、カーター・ファミリー、チャーリー・マッコイといった先達のレパートリーを、独特のハード・トワング・サウンドでロックさせている。
ソーシャル・ディストーションの、えーと、メジャーからの2枚目だっけ? 6〜7年前に出たアルバムを聞いたとき、へー、この人そうとうカントリー好きだな…と初めて思って。それは従来のカウ・パンクとかパンカビリーみたいなものとも違う、実はまったく屈折のない、ストレートなカントリーへの愛情表現を孕んでいるものだったような気がする。サウンドはクラッシュみたいなんだけど、怒濤の音圧に包まれた直球ホンキー・トンク・ソング…というか。そういう感じ。
で、今回のセカンド・ソロもまったくそのセン。楽曲がモノホンのカントリー〜ロックンロールだけに特にその感触が濃厚だ。でもって、このアプローチはやっぱり本当にかっこいいんだってことを証明してみせてくれる。多くは説明しない、とにかく聞きやがれ…的な勢いが痛快。パンク・ファンが今のマイク・ネスをどうとらえているのかはわからないけれど、ルーツ寄りのアメリカン・ロック・ファンにとっては今のこの人、実に頼もしい存在です。
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