File No. 019
「はるちゃんの歌 Ⅲ」
※今回登場のビックリッコ・グッズ情報は
最終ページの一番最後にあります。
↓↓
タッタッタッタッタッタ…
タッタッタッタッタッタ…
はぁはぁはぁ…
![]() |
あははは… センセイハ、カンカク ワカイデスカラネェ… …だろ?だろ? |
(笑い声…)
そーっ
!!
その若さ、羨ましいですな… …あっはっはっはっ
わしはこう見えても中身は30代だからね…
…まだまだ現役!
あーはっはっはっ…
あーはっはっはっ…
(…ったく)
(今の、そんな大笑いするほど~?)
……。
(カウンター席でコーヒー…)
(リラックスしたムード…)
(そして…)
あははは…
(店内に響きわたるほどのデカい声…)
(あの三人…)
(ここの常連?)
楽しそう
↓↓
ぐふ、ぐふふふ…
ちっ
あはははは…
だってさぁ、わし、
あれだって読んでんだよ…「ワンピース」。
アア、イマ ハヤリノ…サスガデスネェ、センセイ。
何?…ハヤリ?
よーし、メモれ~コピれ~だっ!
ワンピース、ワンピース!!
昔は、手塚治虫にサイン貰いに行ったりしたもんさ。
ほぉ~。
(…ったく何なのよ、このイラつく会話は。)
例の「頭文字(イニシャル)D」なんて、いっぺんに42巻まで買っちゃった。
!
(イニシャルD…)
イッペン ニ 42巻デスカ…。
…センセイ、オカネ アリマスネェ。ナラ、
今度僕ニ少シ貸シテクダサイヨ。実ハ明日マデニ30万必要…
↑↑
完全無視
あれははまるよ~。
チッ
なっ!はるちゃん!!
あ…。
何、まだ読んでないの?はるちゃん。
コクリ…
何?何?アマゾンで買えるって言ったでしょ?
今の時代、パソコンでチョチョイのチョイよ?ん?
(持ってるなら貸してあげればいいじゃない、ケチ。)
(…てか、はるちゃん、「頭文字D」をまだ読んでない?)
そうか~まだなのか~。
えっ?じゃぁ、まだ読んでもいないのに
車に「藤原とうふ店」って入れちゃったの。あらま~。
センセイ、ソリャ 無イデスヨ。他人事ミタイニ。
ダッテ センセイ、コノ前ココニ来タ時、
ハルチャン ニ カナリ強引ニ 勧メテタジャ ナイデスカァ…
ん?
ホラ、「イニシャル…」ノ オモシロサ ニ ツイテ、
カナリ 力説 シタ 後。
はるちゃん、 |
アタカモ 店ガ 繁盛スルカノヨウデシタヨ…
はて?
そんなこと言ったっけ?わし。
(!!)
…アレヲ覚エテイナインデスカ?
アンナニ シツコク 言ッテタノニ?
ん?うむ~ はて…
・
・
・
(と、いかにも白々しい間を取ったあと)
あっ、あれね、あの時の。
思い出した思い出した。
ゴホンッ……で?
デ?ッテ…
…ナンテ無責任ナ。
そうです!
私が無責任なおじさんです!!
なんちゃって~っ!
うそっ
ゾッ
(何?今の、聞き間違いじゃないよね…)
あはははははっ!!
クスクスクス…
(あらら)
(結構ウケてるわ。)
……。
だってさだってさ、車に「藤原とうふ店」って入れるの
漫画読んでからの、わしの夢だったんだもの。
でもわし、車の免許持ってないし。
だから車も買わないし。
アーソレデ ハルチャンニ…ナルホド!
あはははははっ!!
(この人たち、ひょっとして…)
(…確信犯?)
(はるちゃんをからかうのが目的?)
直接話には加わらないが、常に楽しそう
↓↓
うひょひょっ、そいつはいいやぁ…
トンッ!
(膝を叩く音)
むかーっ
…だから今回はるちゃんは、
わしの代わりに夢を叶えてくれたってわけさ。
ただ、読んでないのに名前入れちゃったのは
さすがのわしも予想外?想定外?
でもそこがはるちゃんのいいところ!
そんな良い人柄のはるちゃんのところには
必ずたくさん人が集まる…つまり店が繁盛する!
……。
なっ?はるちゃん、そういうことっ!!
(はぁ~?何言ってんの?この人)
(そんなメチャクチャな論理、通用すると思ってんの!?)
はるさ~ん そういうこと~。
(!!)
カーッ!
(…じじい!)
(だいたい、はるちゃんもはるちゃんよ!)
(こんなにバカにされてもなぜ黙ってるの?)
(あたし、もう我慢できないっ…)
(よし、ここはひと言言って…)
ち、ちょっ まっ…
アハハハ…
シカシ、センセイモ、
マック デ タマタマ隣ニ座ッタ若者タチ ノ 話ヲ盗ミ聞キシテ
スグニ42巻マデ買ッチャウトコロガ、ヤッパリ サスガデスネ。
シカモ 夢マデ持ッテシマウナンテ…
(えっ…?)
…えっ?えっ?
ホラ、確カ 二週間クライ前…駅前ノ マック デ デスヨ!
彼ラガ「イニシャルD」ヲ話題ニシテタジャナイデスカ。
ソウイエバ 車ニ「藤原トウフ店」ト入レル話モ アッ、「ワンピース」ノ話モシテタ…
センセイ、アレ 即座ニ メモッテマシタヨネ。
キョロッ キョロッ
モゴモゴ…はて……。
それは何かの間違いじゃ…モゴモゴ
(なーんだ…殆ど、若者の受け売りだったんじゃない。)
若者ノ話題ニ即座ニ飛ビツク 心意気!
サスガ若イデスヨネ~。
……。
…アレ?言ッチャイケナカッタ デスカ?
くるっ
ササーッ
あ、逃げた。
アッ!センセイ!! ドコ 行クンデスカ!!
センセイ~!コーヒー代!!
ササーッ
![]() (速っ!) |
![]() …ハヤッ! |
…あっという間に見えなくなっちゃったよ
(ちぇっ、文句のひとつも言ってやろうと思ってたのに…)
(しかし、言い訳すらしないで逃げるとは……)
(相当な根性無しと見た)
ッタク…ショウガナイ人ダナァ…
くるっ
フゥ~
ア…
オヨッ…?
エート…
ア、ジャァ、私モ コノ辺デ…
いやいや…どうもどうも…
↑↑
(2人きりで話すほど親しくない)
…ハルチャン オアイソ!
ありがとうございます…。
あの…次回はいつにします?…
ジャ、ドウモ…
ササーッ
あ、行っちゃった…
しんみり…
……。
(残ったのはサンタのおじいさんだけか…)