あれ?





ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ…




(…何か話してるあのふたり…)




(いや、サンタのおじいさんが一方的に話してる感じね)




ねぇ、ねぇ、はるさん…





その被り物、いいじゃな~い。似合ってるわよ~。



(おじいさん、急に声が大きくなった)
(いつも蚊の鳴くような声で独り言みたいに話すのに)

(しかも、ちょっとオネェ言葉になってるし)




あ、ありがとうございます。



評判もいいでしょ?ねぇ~。





えっ?えー、いや…


ジーッ

ん?ん?



あの、まぁ…おかげ様で。



ああ、そう。うんうん。やっぱりね。



おじさんね~、はるさん。

あなたの本名の「はるお」さんと、
おじさんの大好きな映画「2001年宇宙の旅」に出てくる
人工知能「HAL」をちょっと掛けてみたのね。

ホラおじさん、かなりの映画通だから。
年に100本は観てるかな。すごいでしょ。




はい…


(何?はるちゃんと二人きりになった途端、急に偉そうに)


(大体さっきから自分のことおじさん、おじさんって。)



(おじいさんでしょ!!)



そしたら思いついちゃったの~、その被り物~。
はるさんがHALになる…素敵じゃない?

で、おじさん、ダンボールとか使って作るの上手だから、
その辺に落ちてたのでパパーッと作ってみたわけ。
ほらおじさん、美大出てるから、うふふふふ。




…ああ、はい。


(あのロボットの被り物、おじいさんが作ったの!?)

(よくみると素人以下の雑な作りだったのはそのせい…!?)




(てか、おじいさんが美大出てるなんて絶対嘘!)

近くで見るとこんな感じ
↓↓



(美大卒であんな雑なものを作るわけないじゃない!!)


(今まで一度だっておじいさんが美大出てるなんて聞いたことないし)

(もしそれが本当だとして、あのおじいさんがそのことを)

(ひけらかさないでいられるわけがない!!)




ねぇ、ちょっと聞いてる?はるさん。



はい、ただ、その話は前にも何度か伺って……


あら?そうだった?ごめんなさい。
キッ!
でも、それにしてははるさん、
おじさんに対する感謝の念がちょっと足らないから
まだ話してなかったかと思って。


!!

(な、なんてヤツ!)





す、すみません。




ね♪やっぱりおじさんの言う通りにしてよかったでしょ?
おじさん、その辺の才能あるから。うふふ。

まぁ、とにかく少しでもお店の役に立てたからよかったわ~。



(役に立ってないけどね~)




……。



でね、はるさん。
今回はこんなの書いてみたのね。


うふふ、ちょっと読んでみるね♪

ガサゴソガサゴソ
(紙を取り出す音)



あ…はい。


ゾクッ

(なんか、嫌な予感…)



…あった。 えーと

ごほんっ



お前と俺 あなたと私 

二人の心にいつも同時に思い浮かぶのは

面白さと美味しさが一体となった あのお店

その店の名は

面白れすとらん はるちゃん


寄っていこうか お前

寄っていきましょうか あなた

…粋だねぇ


!!



うふ、うふうふ

自・己・満・足



(…予感的中!!)


(何これ?何のつもり!?)


(特に最後の“粋だねぇ”って、わけわかんない!!)


(さすがのはるちゃんも)


えっ?えっ?


(あんなに戸惑ってるじゃない!)




いいでしょ~、これ。




…えっ?は、はい。



(いやいやいやいや…それははるちゃん
簡単に肯定しちゃだめ…)


ほらおじさん、WEB作家もやってるから。

↑↑
胡散臭いサイト「ビックリッコ・ムー」管理人



(だから、何!)


あのね、コノ前お店に来たときに
入り口のところがちょっと殺風景かなと思ったのよ。


でちょっと考えてみたの。
このおじさんの詩を、のれんにするのよ~。

この詩が染め付けられたこーんな大きなのれんを店の入り口に飾るの。
ね!いいでしょ!!グッドアイデアでしょ!!




……。



(ひぇ~、マジすか…でも)

(いくら大人しいはるちゃんでも、これは当然断るでしょ…)



ん?ん?



いや…あの…

…わかりました。飾りましょう。



!!



うひょひょ~い♪やたやた♪
パチパチパチ


詩の最後のところに必ずおじさんのペンネーム「梅里」って入れてね。
…わかりました

で、今回のプロデュース料としてこれだけもらうわね…
…わかりました。


のれんはろうけつ染めで…  …わかりました

これからは“サンタ先生”って呼んでね。…わかりました、



(これぞまさに…)

(……無法地帯。)




つづきはこちら。





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