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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

ヴェルサイユ・聖フランソワ少年合唱団Les Petits Chanteurs de Saint-Francois de Versailles





CD    Offices de la Semaine Sainte (SYR 141322) rec. 1996 / dir. Jean-Paul Dillies

1. CHARPENTIER: Prelude et Psaume CXV.....9:38
2. CHARPENTIER: Magnificat.....6:29
3. DU MONT: Symphonie pour viole.....1:44 (楽器演奏)
4-9. CHARPENTIER: Messe pour le Samedy de Pasques
- Kyrie, Christe, Kyrie.....3:27
- Gloria.....2:24
- Sanctus.....1:20
- Elevation "O bone Jesu".....6:20
- Benedictus.....1:01
- Agnus Dei.....2:44
10. CHARPENTIER: Ecce panis angelorum.....2:09
11. CHARPENTIER: O Crux ave.....2:00
12. DU MONT: Pavane.....4:13 (楽器演奏)
13-15. FEVIN: Lamentations de Jeremie
- Lectio I: Aleph, Beth.....5:31
- Lectio II: Ghimel,He.....5:37
- Lectio III: Zain, Lamed.....5:50
16-18. INGEGNERI: Trois Repons du Jeudi Saint
- In monte oliveti.....2:39
- Tristis est anima mea.....2:27
- Ecce vidimus eum.....2:57
19. INGEGNERI: Jerusalem, surge.....2:10
20. Victoria: O vos omnes.....4:10

<SOLISTES>※少年のみ記載
Dessus(Soprano): Arnaud Bataille(1), Edouard Bataille(16,17,18,19), Cedric Despujols(10,16,17,18), Quentin de Molliens(19)

 男声ソロだけの曲が結構な割合を占め、器楽曲なんかもあったりするためかあまり「聴いた〜」という感じがせず、印象に残らないアルバムでした。今回紹介しようと聴きなおしてみて結構良かったのねと再認識した次第です。でもやっぱりパンチが弱い。曲や演奏で何かこうキラリと光って強く印象付けられるモノが足りないように思います。
 そしてJADEのシリーズとは指揮者が変わり、雰囲気が変わりました。ホワ〜ンとしてエレガントな感じが若干薄れ、メリハリがついてクリアになり力強くなったように思います。ボーイアルトがしっかり目立つようになったのが力強さの要因かもしれません。でも同時にそれがエレガントさの喪失を呼んでしまったような・・・。私的には男声によるファルセットの高音が好きというわけではなくボーイアルトは大歓迎なのですが、ここの合唱団のカウンターテナーは嫌味が無かったし、ボーイソプラノとの絶妙なバランスで生まれるエレガントなポエポエ感が好きだったので残念に思います。              (by Wing) 2006/06/16(Friday)up 
CD    CHARPENTIER / MOULINIE / DU MONT (JADE JACD 020 / 12 20.36) rec. 1991 / dir. Yves ATTHENONT

Henry DU MONT (1610-1684)
1. Magnificat du Veme Ton.....6:28
2. Hymne a Saint Bbenoit.....4:23
Etienne MOULINIE (1600-1669)
3. O dulce nomen Jesu.....2:23
4. Deuxieme Fantaisie a 4 violes.....3:07(楽器演奏)
5. Congratulamini mihi omnes.....2:57
6. Troisieme Fantaisie a 4 violes.....2:46(楽器演奏)
Marc-Antoine CHARPENTIER (1643-1704)
7. Psaume XXVIII, "De profundis"-H.211 .....11:31
8. Prelude a 3 "Dixit Dominus"-Psaume CIX,"Dixit Dominus"-H.153 .....7:12
9. Prelude a 4 de l'"Exaudiat"-Psaume XIX,"Exaudiat Te" pour le Roy-H.180 .....10:27
10. VIeme Te Deum-H.148 .....10:05

<SOLISTES>※少年のみ記載
Dessus(Soprano): Renan Cabannes(7), Luc Monin(7,8,9,10), Baudouin de Roffignac(2,3,5,7,8,9,10)

 これはリアルタイムに購入して聴いていたアルバムですが、当時フランス系のアルバムといえばパリ木くらいしか持っていなくて、稀にヌイイのフォーレの邦盤なんかもありましたがフランス系は私的に貴重品でした。しかもフォーレ以外のフランス系宗教曲はほとんど聴いたことが無かったため、このJADEレーベルのヴェルサイユ聖フランソワ少年合唱団との出逢いは新しい世界を感じさせてくれるものでした。初めて聴いた時の感想は、同じフランス系でもパリ木とは全然違った発声で(パリ木が独特なんだと今は納得)、好きだったドイツ系の響きとも違い、なんかフニャフニャでフワフワした感じ〜というものだったと思います。でもここの合唱団は若干フニャっとした感じはあるものの芯はあるので聴きやすいですし、フランス系の何ともいえない柔らかな響きが耳に優しいのです。
 JADEレーベルからはこのアルバムよりも若い番号で2枚発売されていますがどれも味わい深い選曲です。このアルバムはどうやらフランスバロック集のよう。17世紀半ば〜18世紀始めと言えば太陽王ルイ14世のご時勢、何となくフランス宮廷の優美さや気品みたいなものが曲調に感じられます。それをフランスの合唱団の演奏で聴くとなんともお上品。アルトパートを男声のファルセットが歌っているからというのもあるのかな。少年たちにもBas-dessusというパートはあるようですが、ここでアルトとして目立つのは男声の方ですね。でも似たようなパート構成のイギリス系の響きと比べると全体的に音がまろやかに感じられるのは、鼻にフワ〜っと抜けてくような発声だからかもしれません。とくにシャルパンティエの曲なんかはこういった発声で歌われると絶品だなぁと思います。曲の柔らかさが際立ってとてもステキなのです。デュ・モンのマニフィカトも良いですねぇ。ここに集められた曲たちはモーツァルトのような派手な明るさではなくほっこりとした温かい明るさで、ボンボンショコラのように甘くまろやかという感じ。演奏のポエポエ感も加わって大甘な綿菓子世界。こういうのが苦手な人は受け入れ難いかもしれません。チョコ大好き人間の私は、音楽でもこういう甘いの大好きです。テルツのようなキレの良い演奏も好きですが、時々ふっと力を抜きたいときにこのアルバムはぴったり。
 演奏がふんわりしてるので一見(一聴?)あまり上手じゃない?と思ってしまうような感じなのですが、どうしてどうしてかなり質の高い演奏だと思います。各パートのソリストはしっかり歌っていますし、合唱のバランスも統制もとれています。           (by Wing) 2006/06/02(Friday)up 
CD    LES PETITS CHANTEURS DE SAINT-FRANCOIS DE VERSAILES/NUIT DE NOEL LC 8126 1991年

1. CHANSON JOYEUSE,
2. LE MESSAGE DE ANGES,
3. DOUCE NUIT,
4. GUILLO PRENDS TON TAMBOURIN,
5. MADRE EN LA PUERA,
6. QU'EN UN INSTANT,
7. DANS UNE ETABLE,
8. NUIT DE NOEL,
9. LE SOMMEIL DE L'ENFANT JESUS,
10. TECE VODA TECE,
11. NUIT SOMBRE,
12. IL EST LE DIVIN ENFANT

フランスのキャロル集のようだが,一曲だけ10.「TECE VODA, TECE」が入っている。この曲は日本語題「激しい流れのように」として,パリ木のアルトソリストが来日時によく歌う。チェコの民謡をボルコニーという作曲家が合唱曲に仕上げたもので,おそらくクリスマスとはあまり関連がないのではと思うが,他の全曲がクリスマスに関するものばかりなので,もしかするとその時期に歌われるものなのかもしれない。パリ木のアルトが歌う時はもう何トーンか下で歌い,深く,牧歌的な美しさがあるが,この録音ではもっと若いアルトが歌っているので,牧歌的ではあるが可愛いい印象だ。他の曲もほとんどがパリ木のレパートリーに重なるが,パリ木ほどのくせがなく,柔らかい発声なので,誰もが聴き易いものだと思う。男声パートとの調和もきれいだ。どの曲も少年声がリードしており,男声は少年声を活かすために控えめに存在している感じである。パリ木にも男声と共演している録音が幾つかあるが,いつも一緒に歌っていないせいか,両者のビブラートがまったく合っていなくて苦笑していまう場合もあるのだが,こちらはさすがに息もバランスもぴったりだ。どこまでも優しく,ふんわりとした温かみがある。ぜひ生演奏を出来たら教会で聴いてみたい。 (by Rise)1999up 
CD    NUIT DE NOEL (JADE 301 662-7) (P)1989 / dir. Yves Atthenont

1. CHANSON JOYEUSE.....5:46 *
2. LE MESSAGE DE ANGES.....3:13 *
3. DOUCE NUIT.....2:47 *
4. GUILLO PRENDS TON TAMBOURIN.....1:37 *
5. MADRE EN LA PUERA.....3:01 *
6. QU'EN UN INSTANT.....1:59
7. DANS UNE ETABLE.....4:11
8. NUIT DE NOEL.....1:28
9. LE SOMMEIL DE L'ENFANT JESUS.....2:19 *
10. TECE VODA, TECE.....3:54 *
11. NUIT SOMBRE.....2:20 *
12. IL EST LE DIVIN ENFANT.....4:05 *

 これはRiseさんがご紹介されているクリスマスCDの再販盤です。当時カセットで入手できましたが、とても好きなアルバムなので再販されたのを知りCDで欲しくて買いなおしてしまいました。Riseさんが書かれているように当時のカセットには(C)1991とあるのですが、今回のCDに(P)1989とあったのでおそらくこれは1989頃の録音だと思います。
 演奏はどの曲もとってもゆったりとしてエレガント、教会で録音したと思われる適度な残響がとても心地良く響きます。フランスバロック集なんかで感じられた合唱のぽわ〜んとした感じはここでは薄く、どちらかというと温かみを保ちつつもクリアな感じ。けれどやっぱり柔らかく優しい。そしてソロを歌う少年たちの声に透明感と伸びがあるのも好感度大です。とくにソプラノに綺麗な声の子がいるので記名が無いのが残念な限り。* をつけた曲でソロを聴くことができます。5.「MADRE EN LA PUERA」と10.「TECE VODA, TECE」はRiseさんも書かれてますようにパリ木でよく歌われるアルトソロの曲ですが、ここでのアルトソロは音が高いのでとてもソフトな感じに聴こえます。大好きな「TECE VODA, TECE」をここの演奏で聴けて嬉しい〜。「MADRE EN LA PUERA」はパリ木で聴くとなんだかクラ〜イ曲に思えるのですが、ここでは意外なほどアッサリとしています。音が違うだけで全然違うのですね。
 クリスマスの優しい時間を過ごすBGMとしてはもってこいのアルバムではないでしょうか。        (by Wing) 2006/06/09(Friday)up 
CD     Les Petits Chanteurs de Saint-Francois de Versailles(JACD 004)1990年

1. IN NATIVITATE DOMINI AD MATIN(Henry Du Mont),
2. RECINA CAELI(Jean-Baptiste Lully),
3. CONFITEBOR TIEBI DOMINE(Marc-Antonie Charpetier),
4. LITANIESDELA VIERGE(Marc-Antonie Charpetier),
5. MAGNIFICAT(Marc-Antonie Charpetier),
6. CANTIQUE QUATRIEME(Michel Richard Delalande),
7〜10. PERMIERE MESSE BREVE(Alexandre Pierre Francois Boely)

2.「RECINA CAELI」は,3人のソリストが,時々重なりながらもそれぞれ別のメロディーを歌う。2人は少年,もう1人はカウンターテナー(おそらく)という構成で面白い。6. 「CANTIQUE QUATRIEME」も,カウンターテナーのソロと,少年合唱の交唱で歌われていて神秘的だ。英国のカウンターテナーと比較すると,フランスのそれは何とも人間味あふれる音色で,どちらかというと叙情歌向きかもしれない。この盤は、少年の声が意外にラテン系らしからぬ硬質に聞こえ,華やいだ音色を予想して聴くと多少拍子抜けするかもしれない。CDタイトル,NUIT DE NOEL(LC 8126)は,100%フランス系の音色なのに…何故だろう。ソプラノは頭声的な細身の声で,ドイツ的によく響く。その中にあって,3. 「CONFITEBOR TIEBI DOMINE」のアルトだけが唯一ラテン系のアルトそのもののパイプオルガン的な温かい音色を聴かせていて,これがドイツ的音色を発つ高音に意外に合っている。 (by Rise)1999up
CD     Les Petits Chanteurs de Saint-Francois de Versailles LC 8126 1990年

1. MISERERE(Allegri),
2. AVE VERUM CORPUS CHRISTI(Desprez),
3. ALMA REDEMPTORIS MATER(Palestrina),
4. O MAGNUM MYSTERIUM(Victoria),
5. MESSE "O MAGNUM MYSTERIUM"(Victoria)

1.「Miserere」は,ラテン系の音色で歌われると独特な映え方をするように感じる。この合唱団ではボーイアルトを使っているという違いもあるが,英国系聖歌隊が同曲を歌うときとは全く別の音楽のようだ。ラテン系の音色は,キャロルのような明るいメロディーラインを歌う時は,元々の音以上にぱーっと華やぐが,一変曲調が短調になったとたんに深いもの悲しさと神秘に満ち満ちる。英国系聖歌隊においては,「Miserere」のような嘆願の表現は超越感にとって代わられ,もっと芸術的に感じるが,私にとってこの合唱団の「Miserere」は良い意味で人間臭さがあり惹かれるものがある。宗教曲なのに情感が篭っている感じだ。悲劇的とも取れるほどの深い切なさの中に,女性的な美しさが充満し,切々と慈悲を請うように歌われるフレーズは儚げだが,反面,堅い信仰が育む芯の強さのようなものも感じる。もちろん好みは分かれるだろうが,ラテン系の音色が生み出す物悲しげな音色は,そんな弱くも強い女性の祈りの姿を想像させられる。 (by Rise)1999up
CD    Les Petits Chanteurs de Saint-Francois de Versailles(DISQUES francesco)

LA LEGENDE DE SAINT NICOLAS (Paul BERTHIER)
BERCEUSE BASQUE

LA NUIT
DEEP RIVER

 ドラえもんのポケット状態の自室の如く、私のあたまの中も混沌としている。毎回、何を聴いたら良いのか迷っている中で、ホッとするカバーを見つけた。それがコレ。木の柵と、刈り込まれた緑の草と、後ろの山の色合いが実に良い。
 フランス語の歌と言えば=「LA NUIT」(←コーラス以後の私の偏見)が収録されているのも良い。
 さて、そのLA NUITだが、映画の子どもたちのようにシャープに洗練された硬質な音ではなくて、その前の人間的な温もりを内包した音だけれど、それはそれで「アリ」でした。その音が、男声部が加わることで、「DEEP RIVER」に哀愁が出てくるんですよね。・・・イイのだ・・・。
 地声を活かしたような合唱で、声の明るさとそれでいて陰りのある音が、なんとも聴く者の心を急き立ててくるようだ。
 男声部の合唱に乗って歌われる少年のソロも、自然な声の感じがどこか物悲しい。 (by Hetsuji) 2010/5/30 up 

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(お返事は出来ないと思います)