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Marek Raczyński はポーランド出身の、現代ポーランドを代表する 合唱作曲家 の一人。特に 無伴奏合唱(a cappella) を中心に国際的評価を得ている。活動の中心は合唱音楽、とくに 混声・女声・男声合唱のための a cappella 作品。若い世代の作曲家の中でも特に注目されており、作品は 世界中の合唱団(日本・イスラエル・英国・米国・アルゼンチンなど)で演奏されている。 主な特徴は、 ①テキストへの深い感受性と、言葉のリズムを生かした書法②ミニマリズムと現代的語法の融合 ③ボディパーカッションや動きなど、合唱に新しい表現を取り入れる姿勢 ③自身が長年合唱団で歌ってきた経験から、歌いやすく、かつ挑戦的な声部書法を持つ 経歴 ①少年期より Poznańskie Słowiki(ポズナンのナイチンゲール)で歌い、指揮者 Stefan Stuligrosz のもとで音楽性を育む。 ②アダム・ミツキェヴィチ大学で心理学を修めるという異色の経歴。 ③ポズナン音楽大学 作曲科を優秀な成績で卒業。 ④ワルシャワのショパン音楽大学でポストグラデュエートの作曲研究。⑤現在は作曲家として活動しつつ、教育者としても活躍。 主な受賞歴 (抜粋)Raczyński は数多くの国際作曲コンクールで受賞しており、特に合唱界で高い評価を得ている。 ①2015 Musica Sacra(ケルン) — Media Vita(三つの合唱のための作品)で 第1位 ②2017 Musica Caelestis(ワルシャワ) — Sancte Michael Archangele(女声合唱)で 第1位 ③2018 Legnica Cantat(レグニツァ) — Na klawiszach fal(Deszcz na morzu) で 第2位 ④2013 Nowowiejski 国際作曲コンクール — Ave Regina caelorum で 第1位 代表作 彼の作品は100曲近くに及ぶが、特に広く演奏されているものは: ①Sicut lilium inter spinas(2006)— 混声5声 ②Media Vita — 3つの合唱のための大作 ③Sancte Michael Archangele — 女声合唱 ④Gaudeamus omnes ⑤Ave verum Corpus ⑥Deszcz na morzu(海の雨) 彼の作品は 20枚以上のCD・DVD に収録され、Art’n’Voices のアルバム Midnight Stories(2019)は ポーランドの音楽賞「Fryderyk」 を受賞。 (by Copilot 2026.05.06 WED up) |
| CD 2017 |
![]() RecArt(2017) (I Collection) |
MEDIA VITA marek raczyński choral works 1 Spiritus Domini 2 Sicut lilium inter spinas 3 Laudate Dominum 4 Dominus illuminatio mea 5 Ave Regina Caelorum 6 Media vita 7 Gaudeamus omnes Cantus psalmorum: 8 I. Exsultate Deo 9 II. Bonum est confiteri Domino 10 III. Cantate Domino 11 IV. Venite exultemus Domino 12 V. Jubilate Deo 1 主の霊 2 いばらの中の百合のように 3 主を讃えよ 4 主よ、わが光よ 5 天の女王よ、万歳 6 メディア・ヴィタ 7 皆で喜びましょう 詩篇の歌 8 I. 神に喜びなさい 9 II. 主に告白することは良いことだ 10 III. 主に歌いなさい 11 IV.さあ、主にあって喜びましょう 1 2 V. 神にあって喜びなさい Media Vita Project Choir dyrygent / conductor: Sławomira Raczyńska 6 Poznański Chór Kameralny / The Poznan Chamber Choir dyrygent / conductor: Bartosz Michałowski 1,2,7 Zespół Wokalny Minimus / The Vocal Ensemble Minimus dyrygent / conductor: Sławomira Raczyńska 3 - 5 Sołacki Chór Kameralny / The Sołacz Chamber Choir dyrygent / conductor: Marianna Majchrzak 8-12 Nagrania dokonano w dniu 30 maja 2016 roku w kościele pw. Świętego Krzyża w Poznaniu 8-12 oraz w grudniu 2016 i lutym 2017 w kościele św. Jana Vianneya w Poznaniu 1-7 The album was recorded on 30th May 2016 in the Holy Cross Church in Poznań 8-12 and in December 2016 and Fabruary 2017 in the Saint John Vianney Church in Poznań 1-7 Realizacja nagrania, montaż i mastering / recording, editing and mastering: Łukasz Kurzawski Produkcja nagrań / Recording producer: Marek Raczyński, Łukasz Kurzawski Projekt graficzny / Graphic Design: Piotr Szlingiert Fotografie / photography: Bartosz Seifert (2-7, 19, 24), Magdalena Kasperczak (8-9), Ksenia Shaushyshvili (10-11), Krzysztof Ratajczak (12-13), Małgorzata Pawłowska (14-15) “Media vita” はラテン語で、直訳すると 「生のただ中で」、 文脈的には 「死のただ中にあって、われらは命の中にいる」 という意味を持つ表現です。 ️ 語源・言語は、ラテン語(中世ラテン) 典拠:中世の聖歌 Media vita in morte sumus (「われらは死の中にありて、生のただ中にいる」) この句は 11〜12世紀頃からヨーロッパで広く歌われ、 死の恐怖・人間の弱さ・神への嘆願を象徴するテキストとして知られています。 意味の核心Media vita は、 =「生のただ中で」 =「生きている最中に」 =「生の中心にありながら」 しかし、この語は単独では不完全で、本来は次の句とセットで意味が完成します。 Media vita in morte sumus 「生のただ中にあって、われらは死の中にいる」 つまり、“生と死が同時に存在する人間の状態” を示す、非常に象徴的で深い表現です。 ①人間は生きているが、死は常に隣にある ②生の中心に死が潜む ③死の恐れの中で、救いを求める ④“有限性の自覚”が祈りを生む この二重性が、ラチンスキの作品の劇的な構造と完全に一致します。 < ラチンスキ作品における意味> Raczyński の《Media vita》は、この中世テキストの精神を現代語法で再構築した作品で、三つの合唱群が「生と死」「恐れと祈り」「孤独と連帯」を空間的に表現します。 このアルバム Media vita: Choral Works of Marek Raczyński は、ラチンスキ作品の核心を一枚に凝縮した“作曲家ポートレート”であり、4つの合唱団が作品ごとに最適な音色を提供する構造が最大の特徴です。ラチンスキの代表的な無伴奏合唱作品を網羅し、霊性・ポリフォニー・現代的リズム感・テキストの明晰さが一貫して示されます。 録音は以下の2つの教会で行われ、作品の性格に応じて響きが選ばれています。 ①聖十字架教会(Holy Cross Church) — Cantus psalmorum(8–12) ②聖ヨハネ・ヴィアンネイ教会(St. John Vianney Church) — 1–7 (録音日:2016年5月30日、2016年12月、2017年2月) 作品の核は、Media vita(第6曲)の2015年 Musica Sacra Nova 国際作曲コンクール第1位受賞作。3つの合唱群を用いる大規模 a cappella 作品で、“死の只中にあって、われらは命の中にいる”という中世の聖歌テキストを扱います。特徴は、 ①三群対抗の空間的ポリフォニー ②緊張と静寂の交錯 ③息の長いクライマックス ④祈りと絶望の境界線を描く音響構造 ラチンスキの作曲語法の中でも最も劇的で、アルバムのタイトルにもなっている“中心柱”です。 8–12:Cantus psalmorum(詩篇カンタータ) Sołacz Chamber Choir と Poznań Academy of Music Ensemble による5曲構成の連作。各曲は詩篇の異なる章句を扱い、より明確なリズムとモダンな和声が特徴。 ポーランド合唱界の4つの音色が一枚に共存し、作品ごとに最適な声質が選ばれている。古典的テキスト × 現代的語法というラチンスキの美学が最も明瞭に現れる。 Media vitaとCantus psalmorumが、作曲家の“二つの顔”(霊性とリズム)を象徴。録音空間の違いが、作品の性格を自然に際立たせる。 1. Spiritus Domini 聖霊降臨の力強さを描く入祭唱風モテット。 明確なリズムと上昇モチーフが多く、冒頭から“息吹”が立ち上がる。ラチンスキの中でも比較的明るく、祝祭的な響き。 2. Sicut lilium inter spinas 「茨の中の百合」の比喩を静謐に描く愛のモテット。 柔らかい和声、細い糸のような旋律線。“純潔が荒野に咲く”という象徴が音色で表現される。 3. Laudate Dominum 短い詩篇句をリズミックに処理した、明るい賛歌。 Minimus の透明な音色に合わせ、軽快で動きのある書法。“喜びの呼びかけ”が音の跳躍に表れる。 4. Dominus illuminatio mea 「主はわが光」—闇から光へ向かう精神的上昇。 低声部の静かな始まり → 高声部の輝きへ。内面的な祈りが徐々に確信へ変わる構造。 5. Ave Regina Caelorum マリア讃歌の中でも最も柔らかい祈り。 旋律は流麗で、和声は温かく、終止は穏やか。“天の女王”を描くが、威厳よりも母性的な優しさが前面に出る。 6. Media vita(アルバムの中心) 「死のただ中にあって、われらは命の中にいる」—中世の嘆願。 三つの合唱群が空間的に応答し、・恐れ・嘆願・希望が層を成して進む。ラチンスキの代表作で、最も劇的かつ深い祈り。 7. Gaudeamus omnes 祝祭的で明るい“喜びのモテット”。 冒頭から軽快なリズム、明るい和声。アルバム前半の霊性を一度解き放つような開放感。 Cantus psalmorum(8–12) 5つの詩篇を連作として構成。前半の霊性よりも、リズム・明瞭なテクスト処理・現代的語法が前面に出る。 8. Exsultate Deo 「神に歓呼せよ」—跳ねるようなリズム。 明るく、短いフレーズが積み重なる。 9. Bonum est confiteri Domino “主に感謝することは良い” 穏やかで流れるような書法。連作の中で最も瞑想的。 10. Cantate Domino 「主に向かって歌え」—軽快で舞曲的。 短いモチーフが繰り返され、推進力が強い。 11. Venite exultemus Domino 最もドラマティックな曲。 強いアクセント、対話的な声部、緊張と緩和の大きな波。 12. Jubilate Deo 連作の締めくくりとしての明るい賛歌。 軽やかで、終わりに向かって光が広がるような構造。(by Copilot 2026.05.06 WED up) 構造・葛藤・対比等々、解説を読むと複雑ですが、ボーっとして聴いている分には平坦な印象で穏やかでした。宗教や哲学的に考えるってそうなのかもしれないなあ、と、演奏者も、球体の内側で演奏しているようで、心地良かったです。演奏者や録音場所ごとの違い等、聴き分けしませんでした。(Hetsuji 2026.05.06 WED up) |