Maitrise des Hauts-de-Seine(Choer d'enfants de l'Opera National de Paris)
パリオペラ座・パリ管弦楽団付属少年合唱団(オートゥドゥセーヌ)
この合唱団については資料が少ないので、以下、1988年来日時のプログラムと、CDの解説書に書かれている紹介文を取りまとめてみた;1970年、一学校を中心とした合唱団としてスタート。1978年に内容と実力が認められ、オペラ座付属少年合唱団になった。1999年より混声になったらしい。現在、合唱団は総勢300名から成っており、少年合唱団、少女合唱団、少年少女合唱団、成人合唱団等に分かれて活動している。特に少年ソリストの実力が高く、フランスをはじめ各国のオペラ公演やコンサートへの出演依頼が来ているとのこと。1988年の来日時は少年50名・成人男性15名余という大編成で、東京、大阪、福岡など日本各地で公演を行った。(by Emu) 2002/01/27 up
CD |
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CD 2008 |
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ANGELS WINGS (EUROMUSIC/LY039) Garsons solistes de la Maitrise des Hauts-de-Seine(Choer d'Enfants de l'Opera National de Paris), direction Gael Darchen Enregistrement realise du 19 au 21 avril 2008 solistes:Emmanuel Da Silva(4,7,12), Louis de Lavigniere(2,4,9,10), Wenceslas Ostasenko(1,5,11,13,14), Joseph Sallembien(3,6,8) 1.Ave Maria (Charles Gounod) 2.Pie Jesu(extrait du Requiem) (Gabriel Faure) 3.Salve Regina (Gabriel Faure) 4.Ave Verum Corpus op.65 no1 (Gabriel Faure) 5.Ave Maria op.52 no6 (Franz Schubert) 6.Panis Angelicus (extrait de la Messe Solennelle) (CesarFranck) 7.That Yonge Child (extrait de A Ceremony of Carols) (Benjamin Britten) 8.Salutation Aangelique (Andre Caplet) 9.Priez pour Paix (Francis Poulenc) 10.Ave Maria (Camille Saint-Saens) 11.Ich folge dir (extrait de la Passion selon Saint-Jean) (Jean-Sebastien Bach) 12.Es ist vollbracht (extrait de la Passion selon Saint-Jean) (Jean-Sebastien Bach) 13.Ave Maria (Giulio Caccini) 14.Vidit Suum Dulcem Natum (extrait du Stabat Mater) (Giovanni Pergolese) この合唱団を知ったのは、友人がカセットテープ(昭和の化石的存在になってしまった)にコピーして送ってくれたアルバムだった。なんとはなしに流し始めると、「なんだ、このソロばっかりのアルバムは。そしてこの上手さ!!いったい、どこの合唱団?」と意識を鷲掴みされた。手書き(ワープロなんて身近にナシ)のアルバム情報&曲目リストにはパリ・オペラ座少年合唱団と書かれており、そういえば、新聞の広告欄かなんかのコンサート情報にそんな名前があったっけ。あの合唱団だったとは!来日当時、「自分は少年合唱が好きなのだ」と気付いてまだ日が浅く、気にはなったがコンサートに行くまでの心意気がなかったことが悔やまれる。この衝撃アルバムも紹介できるとよいが、前述のカセットテープ以外に音源を持っていないので難しい。 ここで紹介するアルバムは、その衝撃アルバムと似た雰囲気を持つ。まず、全曲がソロ或いはデュエットで歌われている。そして、声や歌い方に既視感(既聴感)があり、20年近い時間の流れを感じさせず、やはり上手い。ただ、当時も今も技巧派の巧さではなく、癖の無い正確で素直な歌い方の優等生的な上手さといえる。だからかもしれないが、嫌味が無く、飽きがこない。又、時折入るパイプオルガンソロがアルバム構成に変化を持たせており、かといって1曲全てではなく前奏や間奏のように入ってくるだけなので、自分のように声だけ聴きたい派にも受入れ易い。 ソリストは4人、自分好みの声はLouis君とWenceslas君だが、この二人で半分以上歌っているのも納得のクセのない伸びやかな声をしている。雰囲気としては、Louis君がややパリ木が入った感じのウィーン少ソリスト風で、Wenceslas君はまさにウィーン少ソリスト風。更にWenceslas君は、ビクター少年合唱団の河村卓也君と雰囲気がかぶるのは自分だけだろうか。Louis君が歌う10曲目のサンサーンスのAve MariaとWenceslas君が歌う13曲目のカッチーニのAve Mariaは、それぞれに声と曲の雰囲気が合っていて良い。 曲の中で特に印象に残ったのは、9曲目と11曲目。9曲目のPriez pour Paixは、聴く度になぜか「ねんねんころりよ」の子守唄が脳裏に浮かぶ。11曲目のIch folge dirは、「この曲、よく聴くんだけど・・・えーと、ああ!」と思い出すも、何か妙な印象。いつも聴く感じじゃない。なぜだろうと考え、ハタと、「何語で歌ってるんだ?違和感はそれだ!」と。でも、よくよく聴くとちゃんとドイツ語で歌っている。しかし、特に出だしのIch folge dir〜のフレーズに違和感が強く、納得した後も、聴く度にへんな感じと思い続けている。 (by Wing) 2013/02/01 fri up |
CD 2001 |
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CHANTS DE NOEL(VIP) 1.NOEL DES ENFANTS QUI N'ONT PLUS DE MAISON DE CLAUDE DEBUSSY 2.SALVE REGINA DE GABRIEL FAURE 3.PANIS ANGELICUS DE CESAR FRANCK soliste MATTHIEU FERRAGATTI 4.MESSE BREVE A DEUX VOIX D'ENFANTS DE LEO DELIBES KYRIE/GLORIA/GRACIAS/SANCTUS/O SALUTARIS/AGNUS DEI soprano CLAIRE COUZELIN / alto ANNE DE SEPTENVILLE 5.SEID UM ZUM ZWEITE MAL WILLKOMMEN soprano 1.VINCENT DIALINAS soprano 2.PIERRE LEBON alto AMBROISE LE GUAY 6.BALD PRANGT solistes soprano 1.VINCENT DIALINAS soprano 2.PIERRE LEBON alto AMBROISE LE GUAY PAMINA SANDRINE LEBEC 7.LA MARCHE DES ROIS クリスマスキャロル (VIP) 1. 家を失った子供たちのクリスマス 2. サルヴェ・レジーナ 3.パニス・アンジェリカス 4.レオ・デリーベによる二人の子供の声による短いミサ 5.二度目のようこそ 6.近日公開 7.王たちの行進 1.NOEL DES ENFANTS QUI N'ONT PLUS DE MAISONは、不安を掻き立てられるような曲です。クリスマスには明るくて幸せなイメージがありますが、翳りの部分に視点を当てているのが西洋人ぽいと思いました。私はこの曲をクロード・パスカルのソロで知ったのですが、暗さと激しさみたいなものに、拒絶されているような気がしたものです。 合唱は全体的に柔らかくフワフワと軽いです。ただ、音の色彩というかテイストが、4.MESSE BREVE A DEUX VOIX D'ENFANTS DE LEO DELIBESでは、他と違って心持ちシャープに聴こえたので、合唱団員の編制がこの曲だけ違っているのかもしれません。ソリストも少女ですし、少女だけかもしくは少女も混じっているのかもしれません。ですが、CD全体を通して聴いても、ソロも合唱も違和感がありません。似たような音に揃えられています。 6番のパミーナは女声です。このCDは、適度にボーイ・ソロも取り入れた編成になっていますが、合唱と同じテイストのソロがある中で、三童子の演奏がときに、基本的なテイストとは違う輝きを放っていました。(曲そのものの輝きなのかはわかりません) 7.LA MARCHE DES ROISは、小学校か中学校で習った曲だと思って聴きました。マイクと録音レベルが違うかのようにリアルな声で、生き生きと堂々と歌われていました。(by Hetsuji 2025.01.01 wed up) |
CD 1998 |
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MOZART:Messe de Consecration de l'Orphelinat de
Vienne(Weisenhausmesse) (Forlane 16777)1998年録音 Maitrise des Hauts-de-Seine(Choer d'enfants de l'Opera National
de Paris) 1. Motet KV47‘Veni Sancte Spiritus’ 2. Messe KV139‘Messe de Consecration de l'Orphelinat de Vienne(Weisenhausmesse)’ 3. Motet KV117‘Benedictus sit deus’ Nicolas Brooymans(soprano)/Benjamin Hilly(alto)/Francois-Nicolas Geslot(tenor)/Pierrick Boisseau(basse)/Orchestre Bernard Thomas/Direction:Francis Bardot 表紙の写真はどう見ても「魔笛」だが、CDの内容は「魔笛」とは関係ない。ソリストくんの写真かな。収録されているのはモーツァルトの「孤児院ミサ」とモテットがニつ。ソプラノ、アルトのソロは少年。ソリストの口元に集音マイクが置かれているのか、ソロ・パートが最前面でクリアに聞こえ、その後方にオケ、最後方に合唱団という配置であると思われる。合唱は、きれいだし上手いと思うのだが、録音位置が離れているためか、やや遠くに聞こえ、管の音の陰になりがち。しかし人数編成が大きいのか、弱さはなく、それなりに迫力があり、残響のあるコンサート会場の真中〜後方の席で聞いている臨場感があるといえばある。全体としてはソロ&ザ・バックコーラスという構図かと。少年ソリストはか細い系ではないしっかりした発声で、ウルトラスーパーに表現力が豊かなわけではないが、問題なくこなしている。ウィーン少の平均的なソリストと同じレベル。曲全体としては、リズムの刻み方が少しゆっくりかつ規則正し過ぎるきらいがあり、また、曲と曲の間でひと呼吸入れ過ぎで、音の流れが立ち切られる(間延びともちょっと違う)ものを感じなくもない。 …と、具体的に表現しようと思ったら何だか辛口コメント気味になってしまったが、全体的には「ウィーン少の、団員をソロに起用したミサ曲レコーディング、ただしコーラスが少し遠い」のイメージで。悪くない、というより、いいんじゃない?これはこれでなかなか良いと思う。(by Emu) 2002/01/27 up |
CAS 1988 |
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Les Solistes de la Maitrise des Hauts-de-Seine/Direction Francois-Xavier
Bardot Side B 1.Ave Maria(Bouzignac)/soprano solo:Pierrick Boisseau Extaraits de Gloria de Vivaldi 2.Laudamus te/solo Pierrick Boisseau et Oliver Picard 3.Domine Deus Rex Coelestis/soprani:Pierrick Boisseau, Oliver Picard, Jerome Blois, B. Cherrier, JM. Ricatte 4.Domine Deus Agnus Dei/alto solo:Antoine de Servigny Cantate BWV de J. S. Bach/soliste:Jerome Blois 5.Aria de Soprano/soliste:Jerome Blois 6.Komm susser Tod/soprano solo:Pierrick Boisseau Trois et Quatour de la Flute Enchantee(Mozart) 7.Trio n 8 de la Flute enchantee 8.Trio n 16 de la Flute enchantee 9.Quatuor n 21 de la Flute enchantee(Mozart) Le 3 garcons:Pierrick Boisseau, Jerome Blois, Antoine de Servigny Side B 10.Laudate Dominum(Mozart)/soprano solo:Pierrick Boisseau 11.Non so piu - air de Cherubin(Mozart, Noces de Figaro)/soprano solo:Pierrick Boisseau 12.Pueri Concinite(Herbeck)//soprano solo:Pierrick Boisseau 13.Wiegenlied(Brahms)/soprano solo:Pierrick Boisseau 14.Panis Angelicus(Franck)/soprani:Pierrick Boisseau et Cedric Plot 15.Pie Jesu(Faure)/soprano solo:Pierrick Boisseau 16.Cantate de La Paix(Landowski)/soprano solo:Pierrick Boisseau 1988年来日時にコンサート会場で購入したカセットテープです。レーベルや番号など数字の記載はありません。一度ネット上でこれと同じ内容のCDのカバーを見かけたことがありますが、それ以外は手元のもの以外実物を見たことがありません。内容的にもレア度から言っても自分にとってのお宝盤です。タイトル「〜合唱団のソリストたち」とあるように、Pierrick Boisseauを筆頭とする少年たちによる、古典的名曲を集めたソロアルバム集。これを買った当時は少年合唱を聞き始めたばかりのころで、ボーイソプラノのレパートリーってこういうのがあるんだ、と知ったものでした。 そして、とってもお上手!ステキ!と思うのは初期に聞いたアルバムなため印象が強かったせいかと思いきや、今聞いてもボーイソプラノが堪能できます。円やかな美しい声が、時に生き生きとした弾けるような健やかな声が、ピアノあるいはオルガンの伴奏に乗ってどこまでも伸びていき、フランス語の柔らかい発音と合間って耳に大変心地よいです。表現力や音の強弱の付け方がわざとらしくなく、ことさら人に聞かせるのを意識するのでない、自然な歌い方は、さすがオペラで舞台に立って役になりきり演奏をする経験の豊富さから? お気に入りはケルビーノのアリアと、何といってもヴィヴァルディ「グロリア」と「魔笛」からの抜粋。ピアノ伴奏がまるでコンサート会場にいるような臨場感の中で、複数のソリストたちが掛け合うによう歌い、美しい声が軽やかに絡まっていくのが堪りません。(by Emu) 2014/09/01 MON UP |
CD | ![]() |
LES SOLISTES DE LA MAITRISE DES HOUTS-DE-SEINE (FABRICATION NCD 1 30 62
24 72) Direction:Francis BARDOT 1.AVE MARIA(BOUZIGNAC) Soliste soprano Pierrick BOISSEAU 2.Laudamus te (GLORIA DE VIVALDI) Soprani:Pierrick BOISSEAU et Oliver PICARD 3.Domine Deus Rex Coelestis Soprani:Pierrick BOISSEAU,Oliver PICARD,Jerome BLOIS,B. CHERRIER,JM. RICATTE 4.Domine Deus Agnus Dei Alto solo: Antoine de SERVIGNY,Choeur de la Maitrise 5.Aria de Soprano (CANTATE BWV 68) Soliste:Jerome BLOIS 6.KOMM SUSSER TOD Soprano Solo:Pierrick BOISSEAU *7.Trio n 8 (LA FLUTE ENCHANTEE) *8.Trio n 16 (LA FLUTE ENCHANTEE) *9.Quatuor n 21 (LA FLUTE ENCHANTEE-W.A.MOZART) Les 3 garsons: Pierrick BOISSEAU:Soprano,Jerome BLOIS:Mezzo,Antoine de SERVIGNY:Alto, Avec l'aimable participation de Carole BAJAC:Soprano,dans le role de Panima.Tamino,F.BARDOT:TEnor 10.LAUDATE DOMINUM Soprano Solo:Pierrick BOISSEAU 11.NON SO PIU Soprano Solo:Pierrick BOISSEAU 12.PUERI CONCINITE Soprano Solo:Pierrick BOISSEAU 13.WIEGENDLIED Soprano Solo:Pierrick BOISSEAU 14.PANIS ANGELICUS Soprani:Pierrick BOISSEAU et Cedric PLOT 15.PIE JESU Soprano Solo:Pierrick BOISSEAU 16.CANTATE DE LA PAIX Soprano Solo:Pierrick BOISSEAU びっくり。第1音から衝撃を受けた。2014年にEmuさんの紹介原稿を読んで以来、LES SOLISTES DE LA MAITRISE DES HOUTS-DE-SEINEのカセットを聴いてみたい、欲しいと思い続けていたのだが、私のコレクションの中にCDがあったのを今見つけてしまった。誰かが探してくれていたのだと思う。手に入れて安心した私は聴かずに何年も放置してしまっていたという訳。倉庫に在庫していることを忘れてしまっていた。 タイトルはソリストたちになっているが、実質、Pierrick BOISSEAU のソロアルバムに近い。他のソリストくんたちも男の子っぽくて、一所懸命で、上手でとても魅力的。だが、Pierrick BOISSEAUが別格過ぎる。個人的には声の揺れ具合が女声のようで気になるのだが、声そのものは磨かれぬかれた極上のボーイ・ソプラノ。彼の声のコンディションも最高の時期に録音されたものだと感じる。また、ソリストくんたちを支える合唱の編制(男声入り)もわき役に徹して、ソロ群を引き立てている。正直、HOUTS-DE-SEINEが、これほど、メリハリの効いた演奏を残していることを知らなかった。 これはボーイ・ソプラノのソロの名曲を収録した盤で、かつ全ての少年ソリストくんたちが名演奏。そして合唱との絡みがも麗しい。 12.PUERI CONCINITEでは少年の声の凄みすら感じさせる。とはいえ、少年の声の軽やかさが心地よいので、私は、11.NON SO PIUが好み。 誰が探してくれたCDなのか思い出せなくて申し訳ないけれど、偶然、聴くことが出来て感謝。 と言いつつも、Hetsuji欲。 私はこの盤をCDで聴いているけれど、Pierrick BOISSEAUは、ほんの少し金管系に寄った声なので、この演奏なら、カセットかレコードの方がより「らしく」本当を楽しめると思う。カバー写真も、カセットに軍配。カセットか、在るならレコードでこの盤を聴いてみたい。(by Hetsuji 2025.01.01 wed up) |
CD 1987 |
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LOUIS VIERNE:Messe Solennelle(VALOIS V
4627)1987.11/Maitrise des Hauts-de-Seine(Choer d'enfants de l'Opera
National de Paris)/Maitrise de la Cathedrale de Chartres/Ensemble de Cuivres Guy
Touvron/Direction Francis Bardot/ Messe Solennelle 1.Kyrie eleison 2.Gloria in Excelsis Deo 3.Sanctus 4.Benedictus 5.Agnus Dei 6.Cathedrales(pour orgue) 7.Ave Maria(pour choeur et orgue) 8.Ave Verum(pour tenor et orgue) 9.Tantumu Ergo(pour choeur et orgue) 10.Marche Triomphale du Centenaire de Napoleon(pour orgue et cuivres) Patrick Delabre,titulaire du Grand Orgue de la Cathedrale de Chartres(1,5,9)/Jacques Amade,orgue de choeur(1,6,7,8)/Francis Bardot,tenor(7) 作曲家であり、パリ・ノートルダム寺院の主席オルガニストでもあったヴィエルネ(1870〜1937)の作品を集めたアルバム。ヴィエルネの作風は同時期のフランスの作曲家で例えるなら繊細フォーレと劇的フランクの中間といわれるように、荘厳でありながら華麗。また、オルガニストだっただけあって、主要楽器として登場するオルガンの旋律が美しく、曲の中での巧いし愛情も篭っている感じがします。 「荘厳ミサ」は、大オルガンとオケと合唱を合わせた一大スペクタクルな曲で、個々の声を鑑賞するよりは、曲の総合的な美しさと迫力に浸るタイプといえます。ヴィエルネは作曲に当たって、初演会場であったノートルダム寺院の巨大さや、聖歌隊席と離れた高所にある大オルガンの位置など建物の構造も考慮したのだそうで、アルバムでのレコーディング場所であるシャルトル大聖堂の構造がノートルダムと似ているのかは調べていませんが、その辺は演奏する側も考慮しているでしょう(と思うことにする)、なるほど、オルガンはがんがん鳴っているけれど、合唱(恐らく大人数)とカチ合わず、うまく結合して曲の大きさと迫力を増幅しています。曲の触り部分を少し説明すると、まず導入部の打楽器とオルガンに度肝を抜かれ、続く重々しい「キリエ」の連続に圧倒され、徐々にその場を包み込むような穏やかな「キリエ」に移行し、最後は再び「キリエ」の大合唱で締めくくられる…。もうすごいです。圧倒されます。続く「グロリア」なども然り。尤も、ヴィエルネの曲は基本的に演奏会用ではなく純粋な教会演奏用として作曲されているので、美しいとか迫力と言ってもわざとらしい仰々しいものではなく、あくまで敬虔で真摯な印象を受けます(録音位置が少し遠いというのもありますが)。続く小作品群の多くは主に16〜20代の作品(早熟ですね!)。旋律が繊細でとてもきれいです。Ave Maria辺りでようやくパート別の声の性格がはっきりと識別できます。B-Sは透明でありながら、女性的な柔らかな声。高音を出す時に時々きりきりと声を張り上げていますが、残響が効いているので緩和され、そう聞き苦しくはありません。また、男声低音部は全体を通じ強く主張せず、ぼわーっとしたマイルドなクッション系で、オルガンと一緒に縁の下でソプラノを支えています。(by Emu) 2002/02/03 up |