![]() |
|
にぎやかな所が好きなマスターなら、どこかのお祭りにくるに違いない! そう思ったErinaは、各地で開催されるお祭りを見つけ次第、参加し探すことにした。 それは有る島国での出来事。 郷にいれば郷に従う……Erinaはその国の女性がお祭りに好んで着る服に身を包み、人混みの中、マスターの姿を探した。 祭りの中心となる広場で、踊る人々。その輪に加わり一緒に踊る。そんなマスターの姿を思い描き、広場を注視する。 しかし、夜が深まるに連れて、祭りは終わりを迎え、広場から人々が少しずつ姿を消して行く。 先程まで人が踊っていたとは思えないくらい、静まりかえったその場所を、最後まで希望を託して見つめるErina。 そして、ついに広間から人が消え、Erinaは一人だけになってしまった。 「マスター……」 空を仰ぐErina。 涙がこぼれそうになったのではない。時間に遅れたマリヤが降ってくるかもしれないから、満天の輝く星を仰いだ……そう言い聞かせる。 スッと頬を伝う涙。 いけない。涙は再会の時にとっておくんだ。 慌てて拭い、またこぼれないようにそっと目を開けた。 すると、ぼやけた視界にキラリと何かが映る。 ハッと目を開くとそこには、地上に写った秋の夜天。 儚くも力強い、辺り一面の蛍の光。世界が見せる一瞬の幻想。 「マスター……」 ポツリと呟く、最愛の呼び名。けれど、悲しみはもう無く。 「マスター、またマスターと一緒に見たい景色が増えちゃいましたですぅ」 少しだけ満たされ、微笑む少女がそこにいた。 |
|
(勇者屋キャラ辞典:Multi Nag Erina) | |
文:若菜綺目羅 | |
Cg167←BACK・NEXT→Cg169 |
Copyright(c)2005, オリジナルイラストサイト 「勇者屋本舗」 All rights reserved.