広がる砂浜、照りつける太陽が眩しい夏の昼下がり。
一卵性の双子のようにそっくりな二人の美女が走っている。しかし、その身につけた水着の色のように二人の印象は対照的だ。

「ちょ、ちょっと麻莉亜さん、早いですっ」

手を引かれ、少しよろめきながらも走る黒い水着の「闇姫」マリア。
美しい容貌に加え、後ろに縛った美しい黒髪、白い肌を覆う黒い水着が艶美さを演出している。

「何言ってるの、この位で走らないと足が火傷しちゃうわよ♪」

対照的に、満面の笑みで走る、白い水着の「風の」麻莉亜。
殆ど同じ容貌にもかかわらず、その明るさとほんのりと焼けた肌が「闇姫」とは全く別の印象を与える。

「いくら闇の女神様だって、たまには光の下で思いっきり羽を伸ばさないとねっ♪」

折角友達になったにもかかわらず、神務で忙しく、なかなか遊ぶ時間を取れない「闇姫」と海に繰り出す。麻莉亜は、それを今年の夏の目標の一つにしていた。
そして、重なった休日、「あいつ」が用意してくれた海岸。この期を逃す手はない!

そう思い、思い切って誘った甲斐は有っただろうか?
急な仕事で遅れてきた「闇姫」を、半ば強引に引っ張って海に誘い込んだのは、その不安を払拭するためだったりする。

しかし、そんな不安は取り越し苦労だったようで、

「うう〜、冷たくて気持ちいいですね♪」

海に入ってグッとしゃがみ込んだ闇姫は、先程の麻莉亜のように笑いかけた。

一つ、目標達成! こみ上げたうれしさと共に、麻莉亜は闇姫に笑みで返す。

さぁ、次は「あいつ」が手を出さないように、しっかり見張っておかないとねっ!


(勇者屋キャラ辞典:「闇姫」マリア「風の」麻莉亜
文:若菜綺目羅
Cg163←BACKNEXT→Cg165

Copyright(c)2005, オリジナルイラストサイト 「勇者屋本舗」 All rights reserved.