月組大劇場公演 『長い春の果てに』 2002.8.25. 15:00



■紫吹淳(ステファン)

金髪ストレートヘア&めがね。ちょっと・・・
私好みのスタイルなんですけど〜(笑)
プレイボーイといいつつ、彼はそんなに遊んでないみたいなのですが・・・
院長の息子ということで、豪遊はしてます(笑)
ステファンは医療ミス(間接的とはいえ)から挫折し、生きた人間を手術することができなくなった
解剖医(本当は脳外科医)です。
白衣の下は白いスーツだったり、ピアスしてたり、ホントにすかした野郎なんですが、
白を着てるのになんでこんなに細いのだろう・・・
見た目は置いといて。
ステファンは、今の自分を持て余していてすごく苦しんでいる。だけど突破口が見えない。
更にもがいている。っていう、悪循環を繰り返しています。
それを打破してくれる何かを待っているんですね。そこでエヴァに出会う。
振り回されながらも、それを楽しんでいるステファンの気持ちがストレートに伝わってきました。
ナタリー、フローレンスと彼に関わる女性は出てきますが、誰も彼の心の中には入ってこられなかった。
ある日突然に現れた一人の少女が、彼の心を開かせ光をもたらす。
とても小説的でこういうナイーブな役はりかさんの持ち味に合った役柄だと思いました。
最初は子ども扱いしていたエヴァに対して、少しずつ心を許していく過程が見えたので、
妹のように感じていたエヴァを愛おしく思っていたんだな〜と。自然に感じ取れました。
ラストシーンは、二人に恋愛感情が生まれていたということなのかどうなのか、
私にはまだ消化不良なので、この辺を次回の観劇のポイントにしたいと思います。



■映美くらら(エヴァ)

くららちゃん、今回は14歳の少女ということでしたが、エヴァ自身がおませな女の子なので
とってもイキイキとしていました。
とにかく
直球勝負。ステファンに隙を与えずぶつかっていく姿
(病気に負けまいとする気持ちもあると思う)が、いじらしいですね。
エヴァはの気の強さや明るさは病気からくるものだという部分がとてもよく現われていました。
(余談ですが、私の従姉妹もものすごく難しい病気ですごく気分屋で負けん気が強いのですが、
“生きたい”と願うパワーが小さい体いっぱいにめぐって、自分でもどうしようもないほどに
気持ちが先走ってしまうんですね。どんなにかツライだろうと、まだ幼い従姉妹を見ながら
思ったことがあります)
この舞台の中心にいる人物で、フローレンスのセリフではないですが
“その存在だけで”周囲の人間を変えていくものすごくパワーのいる役だと思います。
くららちゃんの成長振りは本当にすごいなぁと感心するばかりなのですが、
良い意味で恐い者知らずな度胸の良さが、くららちゃんの成長の根本なのでしょうね。
こういう前向きな姿勢は見ていてとても気持ちがいいです。
苦手なものもきっとあるでしょうに、苦手意識を見せないところなんて「負けず嫌いなのかなぁ」と
ちょっと思ったりするのですが、そういうところ大事にしてほしいですね。
歌も声の伸びがよくなってきたし、今身につけるべきことをしっかりと自分のものとしていっているなと
今回改めて思いました。
これから先、映美くららという娘役に求められることがどんどん増えていくと思うのですが、
くららちゃんの良さは失わずに素敵な娘役さんへの階段を昇っていってほしいと思います。



■汐風幸(ナタリー)


大人〜!!
いい女です。ナタリーって名前からしても、デキル!っていうイメージでしたが、
すごく女性らしい人です。
精神科医なのですが、人の相談を聞くことが仕事(だと言ってました)
優しくてこまやかな気配りが出来て、お料理もできる(完璧じゃ〜んっ。おヨメさまに欲しい・・)
でも弱いところもあって、それを見せられるのがステファンだったと。。
二人はかつて婚約していたものの、ステファンの挫折から自然消滅しちゃったという。
でもお互いが今でも信頼しあっている職場の良き仲間(ナタリーのはまだステファンのことがふっきれていない)
という関係。
ステファン、もったいないことしましたよ。アナタ。彼女はもうけものだったのに〜。。
仕事も出来て優しくて、同性の私から見ても、嫌味がなくていいなぁって思います。 
幸さんのお芝居ってあったかいので、ナタリーという女性の個性とよく合っていたなぁと思います。
久しぶりに幸さんのお芝居を見たので、すごく懐かしいなぁと思いました。やっぱり幸さん好きです。



■湖月わたる(クロード)

最初悪い人なのかと思っていましたが、結局悪い人ではなかったのでした。
お金で買えないものはないとかいっちゃって、そのくせ新しい機材を使ってほしいと
賄賂を渡されたときの「多すぎるんじゃないか?」っていうところなんて
根は悪いひとじゃないんだねぇ。って思いました。ええカッコしいのお医者さんです。
「素直じゃないんだから〜。。人間、素直さが大事だよ」
最後に、エヴァと同じ病気で(しかも手遅れ)死んでいく、ちょっとさみしい役です。
ステファンとの関係は、二人とも腕利きのお医者様でライバル同士。
テレビドラマ
「振り返れば奴がいる」(石黒賢=紫吹、織田裕二=湖月)って感じですかね。
この人のミスをお金で解決してきたって話も、結局は記憶障害のせいで起きたミスってことなのかしら??
盲腸の手術5分て・・・切って縫うだけでもそれ以上掛かりそうなものだが・・
(このへんのところ理解する間もなく終わってしまったので、次回の課題ということで)
彼自身の書いたカルテと解剖の賜物でエヴァは助かるわけだけど、
ちょっとその辺の展開が早すぎてわたるさんの印象が残らないなぁと。
(もうちょい彼を物語に関わらせて欲しかったですな。石田先生。
うさぎの場面はいらんよ。なくてもシリアスで十分いける話だと思います・・)



■大和悠河(ブリス)

普通の人なんですよ。親友と親友の彼女(未満)を応援しつつ、
自分自身はちょっとその彼女のことが気になっていて・・・みたいな。
終始明るいキャラクターで、親友のことを見守りつつ。。
最後はちゃっかり幸せつかんじゃってます。(抜け目ないねぇ。さすが営業マン?!)
彼は旅行社につとめていて、ステファンとは仕事外の友人ということになります。
(二人がどうやって知り合って親友になったのかは不明)
(予測:ステファンがアフリカの子どもたちを診療しているという背景から、
そのチケットの手配などで知り合った?)
タニちゃんの人懐っこい持ち味が生きていると思うのですが、
何せ出番が少なくて他の出演者(ステファン、フローレンス以外)との
絡みがないのでちょっとさみしいなぁ。。。
ステファンの過去の苦しみに向かい合う姿を見て、自分も新たな夢へ踏み出す
という見せ場(だと思う)も、ちょっと唐突なような・・・
何せ、ステファンの悩み相談にのっているのってナタリーだし〜
大学の後輩とかなら自然だったかも(医大の後輩なのに旅行社に勤めてるのもヘンか)



■大空祐飛(フローレンス)

か・・可愛い・・・
タイプです(告白) すごい可愛い女性でした。
見る前は顔はいいけど性格よくない人なのかと思ってたんですけど、
(美人弁護士ってイメージがね・笑)
子どもといいつつ14歳の女の子相手にでも、嫉妬してヤキモキする表情とか・・・
チャーミングでした(*^_^*)
祐飛さんの明るい部分が良く生かされてたと思います。
美人弁護士って響きからは冷たい感じの勝手な想像をしていましたが、アメリカ人独特の
サバサバした感じと、切り替えの早さ。いいですね。さっぱりしてて好き。
ちょっと
大きい。。のは仕方がないけど。いいの。タイプだから(ベタ惚れ)
タニちゃんを誘惑しちゃうところも、何か強引で可愛いし(アタシも
誘惑されてぇ〜)
リードしてる姿も自然で(ここは男役ならではか?)タニちゃんもリードされるの上手で(笑)
でもって、りかさんとのキスシーンもあったのですが、未遂を含め2回ほど。
2度目は自分からいっちゃうこの行動力!あの瞬間は男役ならではのリード振り。
あと、ステファンの夢の場面でうさぎの耳をつけて(こ・・こんな姿。祐飛さん、頑張った)
この場面はお遊び的な石田先生流のジョーク(なのだろうか?!)なのでしょう。
祐飛さんはパンツスーツで、ちょっとしたダンサーでしたが、
あの・・・ホントに祐飛さんのこのようなお姿を拝見することがあるとは思いませんでした。ワタクシ。
(ちょっとドキドキ。嬉しいような・・・)
このモーレツアタックを繰り返すフローレンスって女性、何となくミーマイのジャッキーに
繋がりますね。(タニちゃんとの関係もジャッキーとジェラルドのようだ・・・)
一生懸命アピールしてるのにイマイチ相手とかみ合ってないところなんて、
見てるほうがヤキモキします。
(今だ!タニちゃん
、押せーっっ。押しまくるんだーっっ!!と心の中では応援中)
一つ、気になったのはお衣装の着こなし。
何かまだぎこちないといいますか(私の目が慣れていないせいも・・)
腰のあたりにもう少し丸みが欲しいですね。
乗馬服のところなど、いい具合に甘めで雰囲気も出ているのですが、
どうも体型のメリハリが・・・
ラストのイブニングドレスは祐飛さん色で(赤紫色)お似合いでしたので
乗馬服の件、よろしくお願いします。(誰に言ってんの??)



■霧矢大夢(アルノー)

きりやんは麻酔の先生です。
若い頃にやってしまった危険な治療のせいで追放され、今は美容外科医として成功し
大金持ちになっています。
そして、彼はナタリーが好きなのですが、仕事のことでショックを受けていたときに
ナタリーとステファンの婚約が発覚。更にショックを受けてしまうのです(可哀相に・・・涙)(ヨシヨシ)
彼は物語の後半から活躍します。
画期的な(のかよくわからないが)手術方法でエヴァの病気を治すのですが。。ちと出番が少ないです。
ナタリーがステファンとの婚約を解消したことを知って、自分もお金持ちになって、
あらためてナタリーにプロポーズするのですが、ちょいと根性ナシだなぁ・・・なんて思ってしまいましたわ。
あとでナタリーにもズバリ言われてます。
「医者として優秀だけど、何か足りないのよ・・・」「勇気が」
あ・・・言われちゃった。。ナタリーったら。。そんなはっきりと(^^;)
何しろ、この物語に出てくる女性キャラはみなさんそれぞれお強いもので(笑)(しっかりしなさいよ!男性陣!!)
でも彼はこの言葉で奮起します。
やりました。男アルノー、ナタリーの期待にしっかり応えましたよ〜。愛の力はスゴイです。
(その前にステファンがお願いに来たときは断ったくせにぃ〜)



■汐美真帆(ジャン)

ステファンのミスをゴシップ記事として書き立てて(後で誤解だとわかったものの時すでに遅し)
お金を得たのですが、その後、自分の浅はかな行動の結末に反省し、世のため人のため
悪事を暴く正義のジャーナリストってところでしょうか。
今回の男性陣の中ではなかなか男気のある人だと思います。
この方も出番が少ないのですよ〜。。病院関係の不正を記事に書いているようなのですが、
クロードと医療機器メーカーとの悪事を暴こうとして、逆にクロードの病気を知ります。
クロードが難病に侵されていた事は事実なんだけど、不正していたことも事実なんだよねぇ〜
本編には関係ないといえばそうなのですが、この辺りがうやむやになっているのはちょっと。。
都合よすぎやしないかい??
汐美さんにしては、ちょっと大人しいような・・・(書き込みも出番も少ないんだから仕方がないか)



■月船さらら(ピエール)

クロードについている助手。
なかなか正義感のあるお医者様のようで、途中からクロードのやり方に反感を覚えます。
が・・・ジャンと同じく、クロードが難病に侵されているのを知って
クロードに付き添っていたのだと思います。(たぶん)
この役も出番も少なくてセリフも少ないので、唐突なんですよ。心情の変化が。
でも、助手という立場上クロードに対する尊敬の気持ちなどを見せる場面があったので
クロードの遺体を前に涙するところは自然な流れだったかなと思います。
さららんの演技は地味になりやすい印象だったのですが、宙組から帰ってきて骨太になったなぁと感じました。
小さい役も膨らませて演じられるようになったな〜と。
ガンバレ〜〜〜