≪ メ モ ≫
これほどまでに信仰の厚い湧水はお目にかかったことがない。
社殿の中には「御水の御ゴフの中にはサイセンを入れないこと。せっかく神様がお授け下さった御ゴフがお金
のサビで戴くことができない」と書かれた注意書きがあり、写真のように御ゴフを汲む長短の柄杓が整然と並べ
られている。 「御ゴフ」の「ゴフ」とは、恐らく「護符」のことであろうが湧水をまるでお守りのように大切にしてい
る様子が伺える。
津軽地方には「赤倉神社」が数か所あるが、いづれも「赤倉信仰」に由来する。
ここの神社も、一の鳥居には「赤倉山神」、二の鳥居には「赤倉龍神」の社額がある。
岩木山は「岩木山」「鳥海山」「厳鬼山」の三つの峰から成るが、厳鬼山は古くから別名「赤倉山」と呼ばれ、
なぜ「赤倉」かというと厳鬼山の北東斜面に「太陽に照り映える赤肌の断崖」があるからであり、この山の神を
「赤倉大神」として崇めてきたことに由来するそうだ。
湧水は、私が訪れた時は渇水期にあたり、水位も相当低かったが、社殿の床にはコケが生していることから
時期によっては水位がかなり上昇して溢れ出ているのであろう。
付近には特に高い山がないのにそれでも湧水は冷たく、恐らく岩木山の伏流水なのかも知れない。
場所は、県道37号を板柳から鶴田方面に進み、新和中学校の交差点を左に曲って、新和駐在所の向いの
農道を30mほど進んだ神社境内の右手にある。
名前が無い湧水なので、信者の注意書きを採用して「御護符の水」と名付けた。
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