『ベイビー・プリンセス』公式サイト内『WHOLE SWEET LIFE』、2011年2月14日バレンタインデーへの感想です。
【午前】
７：００ 小雨
８：００ 虹子
９：００ さくら
１０：００ 青空
１１：００ 真璃
１２：００ 観月
【午後】
１３：００ 綿雪
ラジオ
１４：００ 吹雪
１５：００ 夕凪
１６：００ 麗
１７：００ 氷柱
１８：００ 星花
【晩】
１９：００ 立夏
２０：００ 蛍
２０：４０ 春風
２１：００ あさひ
２１：３０ ヒカル
２２：００ 春風
【夜】
２２：３０ 霙
２３：００ 春風
２３：３０ 海晴
２４：１０ 春風
２６：００ 春風
おはようございます！
お兄ちゃん♪
ついに――
いよいよ――
この日がやってきましたね！
いよいよこの日がやってきてしまいましたよ！！！
ええ、この日記上では恐らく最後の、そして一部の人間にとっては姉妹の声が脳内再生可能な、初のトゥルーバレンタインです！ ……などと色々思うべきことはありますが、なにはともあれこの甘い一日を覚悟とともに味わっていこうかと。
さて今年の2月14日の先陣を切ったのは、なんと小雨。性格的に控えめでこういうときには率先したりしないという印象のあるこの子でありましたが……
――うふふふ♥
やだ、
どうしましょう――
小雨ったら――
どうしても顔が勝手に――
なんだかこんなに
ニコニコしてきてしまって――
こんな、ささやかな
どんくさい小雨のくせに――
きゃっ、恥ずかしっ♥♥♥
……うん、相変わらず自分のことはどんくさいとか言いつつも、このきゅんきゅんっぷりはもう春風さんの領域ですね。この早朝からの先陣を切れる行動力と、この溢れんばかりのきゅんきゅん力は、小雨の内面にもしっかりと自信と前向きさが備わった証ではないでしょうか。……と、きれいにまとめておく方向で。
さらに、一人できゅんきゅんするばかりでなく、「今朝こそは―― 絶対絶対、小雨が １番にお兄ちゃんに――」などと、本格的乙女モードもバッチリを起動中であり、トゥルー兄としてはときめきを覚えずにはいられますまいて。
朝１番の――
まだ手つかずの、
まっさらな――
お兄ちゃんの１日に。
１番最初に現れる――
たった１人だけの女の子に
この小雨がなりたくて――
今朝はがんばって早起きしたんです！
お、おお……トゥルー兄の、まるで降りたての新雪のような初めてが奪われてしまいました。……などと思わず茶化したい気分もありますが――
そう――
誰よりも早く――
１番に小雨の気持ちを伝えたくて。
……
えへへ♥
……乙女度が高くなりすぎて、からかったりスルーできる領域ではありませんでした。ううむ、さすがもうすぐ中学生に上れるぐらいの子。
さて、トップバッターに相応しく、バレンタインという大切な日について熱を込めて語る小雨。さすがに4度目ともなると、トゥルー俺としても心構えは十分かなとも思ってはいましたが――
どんなに臆病な女の子でも――
大好きな人に気持ちを伝えられる
１年に１度だけの勇気の日。
だから、世界で１番大切なお兄ちゃんに――
世界で１番最初に伝える小雨の気持ちは――
ハッピーファミリー・バレンタイン♥
小雨はなんの特技もなくて、こうして
早起きすることくらいしかできないけれど、
でも――この世界中で１番！
小雨はお兄ちゃんのことを大好きです。
だからどうかどうか、この小雨の気持ちを受け取って下さい♥
……こんなに熱く、真正面から全力で、姉妹達から愛情をぶつけられ続ける日なわけですからして。慣れてきてもなお恐るべき一日だと表現せざるを得ません。ああああもう先陣からしてガチすぎて本当にもう！ どうするこれからの一日をこんなニヤけ顔で！
……
ふわぁ〜
なんだか――
お兄ちゃんの顔を見たら急に安心して――
眠くなって来ちゃったみたい。
ゆうべは本当は――
緊張して全然眠れなかったんです――
……
……と、やたら早いなと思っていたら、なにやら超可愛らしいオチが。徹夜か……バレンタインはやっぱ祝日扱いにすべきですよね。ことトゥルーにおいては。
お兄ちゃん――やだやだ！
いっちゃやだ！
いったら――めっ！
うわあああああああああああああ本当にリアルで出なければならない時間帯になんという更新を！！！！！！！ これだ、これがトゥルーバレンタインの恐ろしさ……。
……というわけで、ようやく時間がとれて虹子とごいっしょできますよ、っと。いや全く、現実を侵食するのがトゥルー日記の恐ろしさだったということを、この最後の年になって改めて思い知らされました。
にじこが――
めっ、する。
だって――
わるいわるいこ、
だもん。
おにいちゃん――
にじこのこと
おいてったら――
わるいわるいこ！
……こんなこと言われた日には、何もかもを放り捨てて虹子のそばできゃわきゃわしたくなってしまうわけですが！ ああもう、仕方ないので虹子さんこんなトゥルー俺にもっと「めっ、めっ」って言ってください！ ぱしぱし叩いてくれても可。全力で！（途中で目的が摩り替わっています）
とにかくこの虹子の「いっしょにいたい」ラブラブ発言攻撃に、早くもトゥルー俺の理性と社会的立場が崩壊しかねない窮地なわけですが、
おにいちゃん、
にじこのことおいて――
おそとにいっちゃ、
いやだあぁ――
うわああああああああん!!!!!!
にじこ、
おにいちゃん、
はなさない。
ぎゅううううううって――
このまましてる。
そうしたら、
おにいちゃん――
おそと、いかない？
いかないよね♥
だから――
本当に――
三次元から脱出してしまいたく――
……本当、この二歳である虹子にしかできない、幼児ならではのひたすらな寂しがりかたと、女の子らしい男心のくすぐりかたを無意識下でハイブリッドしたこの攻撃は強力すぎるんですってば！ 「いかないよね♥」――はい。（←色々捨てたようです）
とにもかくにも、こんな虹子に「ぎゅううううってこーんなに！ つかまえちゃったんだもん♥」されてしまった日には、もうどこにも行きようがありますまいて。
にじちゃん、
ひとりでおトイレいけるの
すごーいの♥
おにいちゃんにいけるとこ
みせてあげる♪
見せてくれるううううううう！！！！！？ ……い、いや、二歳児ですからして。本当に。大丈夫大丈夫うわあああああああああ！（さっきの女の子オーラを思い出して煩悶）
いってまいります♪
さくらはこれから――
ようちえんです。
さくらも幼稚園タイム！ ううむ、今日ばかりはむしろどこにも行かずに一日中姉妹と甘ったるいバレンタインでチョコびたりというのもいいかなと思うのですが、まだちっちゃなさくらでさえきちんと幼稚園に行っているわけでして、ここはリアル俺も根性見せなければいけないなと。
しかしながら――ここでさくらからちょっとショックな言葉が。
ようちえんは――
さくら、ほんとうは
あんまりすきじゃないの。
だって――
それはちょっぴり
こわいから。
さくら……いや、幼稚園で怖い思いをけっこうしてるんだろうなと思ってましたが、これほどまでに強い覚悟をもって通っているとは……。
怖い男の子とか、語っていることそのものは、一般的に見ればどうということのものでもないのでしょうが……それがさくらにとって、どれだけ大きい障害であるかというのは、さくら本人にしかわからないわけで。そしてそのさくらの思い、きちんと共感してあげられるのが保護者の義務であり使命ですよね。
だからこそ――
ようちえんに行ったら
きっとおにいちゃんが
ほめてくれるから――
さくら、きょうも
がんばってようちえんにいくの。
おにいちゃんが
にこにこおかおで
さくら、がんばれ！
って――いってくれるから、
さくら、がんばる！
この決意。この力強い言葉に、どれだけの力が込められているかも、よく分かるわけですよ。今日は姉妹からたくさんの愛情をもらえる日ですが、このさくらの決意を見せてもらえたことは、他のどんなものよりも尊くて嬉しいものだと思います。
そんなさくらですが、どうやら立夏から、バレンタインにもちなんだ何かを教えてもらったようで。
みてみて♥
ほら――おへそのまわりに
チョコでハートのえ♥
これでもうおなかいたいいたいと
サヨウナラなんだって！
すごーい！
さくら、チョコつき
ビスケットになっちゃったみたい♥
えへへへ♥
立夏あああああああああああああ！！！！ なんてことを教えるんですかどうもありがとう！！ ……って、それは食べ物だからだめだよって教えてあげないといけないのに、意識がどうしても、「タベテモイインデスカ！！」的な方向に向かって止めようがありませんどうしよう！ ああ、油断をするとすぐに性的な方向に誘導されるトゥルー日記。これもまたいままで何度味わってきたことか。チョコつきさくらビスケット、どうしましょうね。……ペロる？
にじ、
ないてる。
わんわんわーんって。
ないてるよ。
おにいちゃん、
ないないよーって。
ないてる。
うわああああああああああ虹子がやっぱりまだ泣いてしまっているうううう！！！！！！！ トゥルー俺も傍にいられないのはしかたないとして、虹子がきちんと一人でおトイレできるとこを最後まで見てあげられなかったんでしょうか！ なんてこと！！！
……とまあそちらの衝撃のあまり、タイトルの不穏な4文字に触れるのが遅れてしまいましたが、書き手の青空にしてみれば、「飲んでいるか」はさておき、まだまだ身近だったものなわけですよね。ええ、それゆえに動揺する必要などはなく。
それよりも心配なのは、お姉ちゃんでもあるところの虹子がこれほど泣いてしまって、青空までつられて泣き出しちゃわないかってことなんですが――
ししししし！
たーいへん！
これ――
どうする？
……
あたまなでなで――
うわんわんわーん！
……
ほっぺ、ちゅう〜♥
うわ〜〜
はなみじゅ、
ついたよ♥
こまったねえ？
――1歳児が、年上のお姉ちゃんをあやしておられます。
な、なんという光景か……超1歳児とかいうレベルなのかはもう置いておくとしても、それにしたってこの胆力、度量……そして気持ちの優しさ。幼児組の中でも、マリーにすら匹敵する大器を感じずにはいられません。
いや本当、1歳にしてちゃんと泣いてる子を気遣ったり、わりと適切な気持ちの落ち着かせかたを知っておられる青空さんマジスゴイ。いや、自分自身が望めばいくらでもしてもらえる年齢でありますからして、自分にしてもらったことをそのまんましてあげればいいってことなのかもしれませんが、それにしたってこれは本当にすごい。ほっぺちゅう〜ではなみじゅまみれになっちゃうのも意に介さぬこの胆力。……いや、青空自信もわりと普段からはなみじゅまみれなのかもしれませんが。
ともあれ、ここまでだけでも十分すぎるほどにすごすぎるのに、さらなる発想を練ったその結果が――
おっぱい――
のんだらげんきになる？
そらの――
おっぱい。
……
でない！
こまったねえ。
……なんということでしょう。1歳児……1歳児が、よりにもよって年上のお姉さんに授乳する光景……微笑ましい、微笑ましい光景なんですこれは。そういうこととして心に刻み込まなければ。……いや実際に本当にハートフル極まる光景なのですけれどそれを受けるトゥルー俺たちの心の汚れが！！！！
とりあえず、この素晴らしすぎる光景は、とても神聖なものなので、宗教画のノリでどなかたCG化していただきたいものです。ええ全く完全にこれっぽっちも不埒な意図などはそれはもう。
おだいどこの
ちょこつりー、
たべたら――
げんきになるかな？
うわ〜〜いい♥
そらもいっしょに
たべるたべるたべるー！
……とまあ、おっぱいは諦め、実質的に慰め効果のありそうなことを見つけて大喜びなご様子。いや、それを食べてしまうとわりと大問題な気もしますが、虹子を泣き止ますためにはやむなし。
はぁ〜、タイクツ。
幼稚園なんて、
やってられないわ！
ああ、この大事な日にマリーがおかんむりのあまり暴言を！ もっとも、気分次第でこういうことをいいつつも、実際には姉妹の中でも一番ってぐらい幼稚園とかを楽しんでいる子だというのは今更説明するまでもないでしょう。
まあ、突然このようなことを言うからには、理由もあるといえばあるわけで――
まったく――
幼稚園っていう
ところは――
人のことを、
子供あつかい
しすぎなのよ！
いやマリーさん、まさに幼稚園は子供を子供扱いするための施設ですゆえに。……とはいえ、このマリーに関しては、そう思うのも仕方ないだろうと思える器量の持ち主だということも間違いなく。そりゃあ、他の子と同じメニューを淡々と行い続けていれば、そんな風にも思うでしょうね。折り紙とかはいかにもですし――「クラスの女子に大人気だし♥」「クラスでマリーだけなのよ？」……なんか言葉とは裏腹に超楽しそうというのはここだけの話にしておきましょう。
ゾウが３びき、トラが４ひき、
ウサギが３わいました。
ぜんぶでなんびきでしょうか？
もちろん答えは――７ひき。
だって――
ウサギはあっという間に
トラに食べられてしまうもの。
……
なんてね！
はぁ――タイクツ。
さすがマリーかしこい。いや、この手のとんちだけなら、幼稚園でも好きな子はけっこう思いつくんでしょうけれど、マリーの場合、最後の「……なんてね！」って自重が、この発想自体いかにも子どもらしいってことを感じてしまっているからなんでしょうね。本当の意味で賢いっていうか大人の感性も持ち合わせてるんだよなあ。そのくせきちんと子供らしいところは子供らしくと割り切れるあたり、大人ですらそう見当たらない器の持ち主でもあったりと。
とにかくこの退屈らしい時間帯、おかずがチョココロッケでないかと心配していたりするマリー。ええ、こないだの暗黒鍋の余波ですね。ホタもときどき変な料理を作るので、特にバレンタインには注意が必要なのでしょう。っていうか以前にやらかしましたし。
会いたいわ――
ねぇ、フェルゼン。
もしアナタが本当にわたしのことを
好きなら――
今すぐ飛んで会いに来て♥
そうしたら、このマリーの
熱いキッスをあげるのに。
今日のマリーはチョコの香りよ♥♥♥
そして最後に、どこぞのマダムにも負けなさそうなけだるい雰囲気でこういうことを言ってくれるマリーなのでした。退屈なせいか、大人っぽいモード全開ですね。
昼餉の時間じゃ。
兄じゃも――
もう飯の支度をする頃か？
はいちょうどご飯でした――って、なんというタイミング。こういうのを味わうと、休日のバレンタイン連続更新もいいけど、平日のも面白いなって改めて思いますよね。おっかけるのは大変ですけどその甲斐があるというか。
さて、同じく幼稚園組の観月は、みんなが歌っている「どうしておなかがへるのかな――」というお歌にちょっと思うところがあるようで。賑やかに歌われるこの唄――しかし。
兄じゃは知っておるか？
なぜこの世に“腹が減る”
などという面倒事があるのかと
申せば――
それは人の腹の中に――
ちいさきヒダル神が
住んでおるからなのじゃ。
またもトゥルークリーチャーならぬトゥルー怪異の類が！ さっそくぐぐってみたらどう見ても厄ネタです。お腹の中に住み着いて、勝手にモノを食べてしまう――もしかしたら大食いしながらダイエットしたいという向きに需要がありそうな感じのモノなのですが、きっとそううまくはいかないと思うので実行はしない方向で。
――ふふふふ♥
おぉ、こわやこわや！
でも、大丈夫じゃ。
兄じゃの腹の中のヒダル神は
わらわが払っておいたゆえ――
兄じゃは安心して――
昼飯をつかうがよい♥
これぞ――わらわの愛♥
じゃな。
とまあ、すでにトゥルー俺に関しては心配いらない身だったようなのですが、なにやら今日の観月は、ハイテンションというか、ハートマーク多めでラブい雰囲気じゃあないですか。
――ふふふ。
この先も――
この世の悪鬼夜行のすべてから――
わらわが兄じゃを守ってみせるぞよ♥
例えば――性悪の雪女とか、のぅ。
ほら、なんだかプロポーズっぽくも響く言葉が。観月の愛情がしみじみと心に染み渡りつつも、この「性悪の雪女」というのが何を指し示した言葉なのか、ちょっと深入りするのが怖くてスルーしてみたりなど。いや、この手の暗喩は、観月にとっては実際にそういうものとして意識している他意のないものなんでしょうけれどね。
さて、キュウビがちょっと過剰反応してしまったりと、本来バレンタインとは相性の良くない観月ですが、やはりチョコそのものは、
チョコレートは甘くて
おいしくて好きじゃ！
また、ともに――たんまり食べてくれようぞ♥♥
実に子供らしく可愛い反応で喜んでくれるわけで。こういうのを見ているとやっぱ心が休まりますね。
兄じゃの腹にもたくさん詰め込めば――
ヒダル神ももう当分は近づくまいぞ。
……っていうか、払ってもらうまで、トゥルー俺の腹にそんなたくさんいたんですかヒダル神。
ただいま、帰りました！
お兄ちゃんは――
……
やっぱり――まだ、
帰ってない――
かな？
学校からユキが帰ってきたああああああああああ！！！！ 本来ならば全力で迎えてあげたいところなのですが、あいにくトゥルー高校生である身としては敵わぬこと。残念ではありますが……
……
おぉーい、
いませんかぁ？
あのね――ユキ、今日
すごいことが――
……
やっぱり、いない――
ですよね。
えへへ♥
このエクストリームかわいいリアクションが見られたのでよしとします。っていうかむしろ最高すぎる……！ えへへとかもさることながら、「おぉーい」ってユキ……うああああああああユキユキユキユキィィ！！！ 元気になってどんどん可愛くなっていくなあ！ 今までのこの世のものではない天使のような無垢さも最高なんですけれど、だんだん世俗にまみれた普通の女の子っぽいユキも最高です！ っていうかギャップと、元気になってくれたという喜びで、魅力要素の４倍満です！
静まり返っているのは、小さい子たちも揃ってお昼寝中だからみたいですが、それを受けて「バカなユキ」ってのがこれまた……今日の日記、トゥルー兄に語りかけている形式じゃなくって、ユキの独白っぽい雰囲気だから、いつもよりも素のユキが垣間見られて、大変刺激的です。ほら、ユキっていい子すぎて、兄の前とかでこういうところをあまり見せてくれませんし。ズルいのとはまた違う、いい子すぎるがゆえのヴェールというか。
ともかく、この独白から、ユキのほとばしるかのような「女の子」オーラが――
今日は特別な日だから――
もしかしたら特別に早く帰ってきてるかも！
なんて――勝手にお兄ちゃんのこと、
想像したりして。
ユキのお兄ちゃんって、あーんなに。
とってもかっこよくて優しくて、
すてきなんだもの――
どうしよう――
お兄ちゃん――ユキの事なんて忘れて、
今日は遅く帰ってくるのかもしれない――
ヤバい、ユキがもうすっかり「女の子」になってしまっている。
あああああああああ！！！ ユキが！ あの穢れの知らないユキが、元気になって普通の女の子らしい生活ができるようになって、こんなにも生々しい感情を！！ それも今日の日記が独白形式だからでしょうけれど、これはトゥルー俺の身で読むと、なんとも……うおおおおおおお強烈すぎる……ッッ！！！
ええ、世俗にまみれたといっても、ユキの心優しさや綺麗な心が損なわれたわけでは全くないのですが、今までのユキって、自分がいつ天に召されても――みたいなところが感じられる、どこかこの世の生々しさとは遠い雰囲気をまとってたところがあったじゃないですか。最近ではそういうところがとれた代わり、生の感情っていうか……とにかく、今日の日記がこれでもかってぐらい分かりやすいわけで！
ユキの学校の給食で、デザートについてきた小さなチョコレート。それを見たユキは――
なんとそれが今日はユキに当たって、
みんなにもすっごく誉められたし、
ユキも嬉しくて――きっとこれって
すごい幸運の印だって思って早くお兄ちゃんに見せたくて――
……
お兄ちゃんもきっと喜んでくれるって、ただそう思って――。
……
………………ユキ。なんでこの子は、元気になってくれても、こんなにもいじらしく――
一生懸命に走って帰ってきたの。
なくさないようにぎゅって手の中に
握りしめて持って帰ってきたから――
少しとけて歪んじゃった小さな銀紙の包み。
こんなチョコレートじゃ、こどもっぽすぎて、
お兄ちゃんには似合わないかもしれないな。
ユキ――
早く、大人になりたい。
うおおおおおおおおおおあああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！
ユキ！！！ もうユキがヒロインでいいとも！！！！！！！！ ……って本当、どうしてこんな、普通に元気になって、普通に優しい心を見せてくれるだけで、こんなにもこの子は俺の心を打つんですか。
早く元気になって早く早く大人になって――
世界で１番大好きなお兄ちゃんと――
ただずっと一緒にいられたらいいのにな――
それがユキのこの世で１番の願いです。
昔のままの、無欲なままのようでいて――実は、ちょっとずつ「欲張り」になってきてくれているユキ。ただの小さくて健気な子供から、間違いなく「女の子」になってきてくれていますね……って、そのちょっとが強烈すぎてトゥルー兄もうどうしていいか！
感情というものは――
常に非常に主観的なものです。
なにやらまたこの子らしい難しい説明とともに小学生組第2陣として吹雪登場！ ……と、言っていることがいつも以上に観念的というか、「感情」の大きさ小ささについて語っているようなのですが、吹雪にもなにやらうまく説明しづらそうな様子ですね。
たとえとして、「私が熱いものに触れたときに感じる不快感」「麗姉が鉄道ダイヤの乱れに遭遇したときの不快感」が並べられているのがちょっと面白いですが――吹雪の場合、不快感というより身体的な問題となりうるので、適切とは言えない表現かも。まあ、それだけ説明しにくいことを言おうとしてるのでしょうけれど……「さくらが沈黙のウチに震えて下着を濡らしたとしても――」いやその、吹雪さんちょっと。いや、たとえに出しているってことは具体的にあった事例なんでしょうけれども！！！
……ともあれ、こんな説明しにくそうなことを言い出した理由というのがどうやら
人の喜ぶ形態というものは一様ではなく、
表し方がまったく異なるのですから。
ですから――
今年のバレンタインデーのイベントにしようと
春風姉が言い出した――
「誰が王子様を１番愛してるか競争」――
などというものは、まったく
意味を成さないと思うのです。
なるほどすべて理解した。また！ 春風さんってばまた本当にもう！ しかしながら、今回のこの発案は、去年と違って採用されたわけではない……のかな？ いや、さっきのユキとか観月、最初の小雨のはそんなテーマであってもおかしくない内容でしたが、ちっちゃい子たちのはどうかな？ まあ、バレンタインデーですからして、こういうテーマを設けなくとも、自然とそんな感じの雰囲気になっていくのかもですけどね。
かく言う吹雪が「ですが、一応は――家族の決まりに従って。私がどのようにキミを好きかということを表現しておきましょう」と言っておられることから、一応春風さんの発案は通っているみたいですね。…………って！？
私は――
自分自身よりも
キミのことが好きです。
こんな――つまらない自分よりも。
キミの存在の方がずっとずっと
素晴らしいと思っています。
なんか――その。去年のプロポーズ以上に、すっごいこと言われちゃったような……
って、「つまらない自分」とか！ そういうことを――って言いたいながらも、なんかこの直球の前では、トゥルー俺なんも言えずに硬直しちゃいそうな気がすごく。ああああああああさっきのユキといいこの子たちは！！！！
だから――また。
いつか、その身体を――
観察させて下さい。
フフ――
いや、その――いつかと言わず今すぐにでも（混乱してます決して性的な目的ではなく
うっわ〜い!!
やっほぉーう♪
ただいまじかる〜☆♪
今日の体育は跳び箱！
台上前転は１番乗り〜の
夕凪ちゃんでーすっ！
夕凪さんの日記が来ると心の底からほっとするｗｗｗｗｗｗｗｗｗ っていうかもうタイトルからして夕凪さんノリノリすぎるじゃなあいですか！ 「ただいまじかる〜☆♪」は今後の夕凪さん界隈における最も便利なワードになること間違いなしです。
とにかくハイテンションな夕凪さん。バレンタインであることがもちろんその原因でしょうが、「チョコレートパーティー」という表現が先に来ることから、食欲方面においても相当大期待していたことが伺えますね。っていうか、夕凪さんにとって、恋のマホウで盛り上がるのもトゥルー俺にクフフフゥ――するのも概ね同列の楽しいことなんですよね。
夕凪のスペシャルハニーの
ダーリンは――
まだ帰ってきてないよね？
し・し・し♥
よぅし――やった☆
ちゃーんと道草くわずに
かえってきたぞっ♥
ああ、この圧倒的なまでの和みオーラ……道草しないことが誇らしく思えるお年頃――っていうのもアレですが、さりげに「スペシャルハニーのダーリン」って表現が、ちょっと女の子度アップしてますよね。ううむ、なんだか今回のバレンタインは、みんなそれぞれちょっとずつ女の子度をアップしてきているような……。
まあ、「いよいよ夕凪のものにしちゃうのだ〜っ☆」ってあたりはいつものことのようにも思えるのですが――
春風お姉ちゃんは色々言ってたけど――
なんてったって、夕凪はさ、やっぱし――
夕凪が１番お兄ちゃんのこと好きだと思う!!
うん。夕凪さんらしい率直な発想ながらも、やっぱりこのセリフからも、「女の子度」がにじみ出てきている感じもするんですよね。
そして、その愛情の量を、どうやって表現したらいいかと悩むあたりは、さっきの吹雪にも通じるものがあるのですが――
それはもう、世界一っていうか――
宇宙一っていうか――えっと、その
宇宙の次ってなんだっけ？
銀河？
じゃあ、銀河一っていうか――
ブラックホール一っていうか♥
……また夕凪さんは俺を噴出させてくれよる！
銀河一を超えるブラックホール一……それは今まで聞いたこともない斬新な表現であり、夕凪さんの夕凪さんらしさもまた一段階上に昇ったなあと感心してしまうほどです。
ちなみに「ブラックホール」という単語の出所は、想像どおり霙姉さん。
そしたら「ブラックホール」って――言ってた。
それって宇宙全部が入るくらいスゴイものなんだって！
スゴイ!!!
この「スゴイ!!!」の一言が、夕凪さんって子をよく表現してますよね本当。率直で、まっすぐで、エネルギッシュなピュア少女。この存在そのものがラブのマホウみたいなものですよ。
♪はっぴーらっきーはねむーん
ゆーなのこころのぶらっくほーる
おにいちゃんのこころをのみこんで――
もう、いっしょうつかまえてはなさないっ♥
きゃ――っ☆♪♥
このチョコ食べたら、きっと
お兄ちゃん、夕凪に夢中になっちゃうよ♥♥
飲 み 込 ま れ る ぅ ―― いやあ、それもまた心地良さそうでいいなあ。
最初はあり得ないって思ったの。
バレンタインの――
津鉄メロ♥メロス号。
メロ、メロス。
ダジャレじゃない。
くだらない――
もう、一体どこの誰が
考えついたわけ!?
一瞬麗がメロメロ♥になってるのかと思ってびっくりした！ いや、鉄道に対しては常にメロメロ♥な状態といっても過言ではない子ですが、愛情の表現として♥を使うのはさすがに麗のキャラを超越しているなって思いそしてそれがまたよいなと思っていたら、案の定おかんむりでした。ああ――ラジオで言われてましたが麗のキレ方は可愛いよなあ。藤田咲曰く「ちょろい」方のキレ方。いや、氷柱の方も大概ですけれどそれはもう！
ともあれ、麗がキレているのは、好きな車両にちょっとアレな名前を付けられたことらしく。なるほどその気持ちはわりと分かりますね。好きなものってわけじゃないけど、地元の名所に「ノルベサ」とか命名された道民としては共感が。
「ダジャレって最悪――」って表現が、いかにも小中学生の考え方の固い女の子らしくて、ああ麗相変わらずかたくなカワイイな――って思いつつも、なんだかんだで受け入れられるようになっていたところに成長も感じたりした次第。
そんなことを思っていて、思わず気が緩んだのか――
こんな寒い季節に――
雪の青森を好きな人と２人で
旅するって――
ちょっといいかも、
なんて思ったりして。
あ、勘違いしないでよね!?
私が言ってるのは――あくまでも、
好きな車両と２人、っていう意味だからね!!
あなたのことなんか、
私、春風姉様が言うみたいに
愛してるどころか――
全然好きじゃないわ。
だって――男なんて大嫌いだもの!!!!!
――今、ものすごい自爆を目の当たりにしてしまいました。
言ってる傍から麗さん一人で語るに落ちすぎているｗｗｗｗｗｗｗ いや、これでも「あなたのこと」って単語さえでなければまだ体面も保てたのでしょうけれども――ああああ春風さんのあの発案でそうとう意識してしまっていたのでしょうか。本当に本当にこの子はどんだけ無意識のうちに心を許しすぎなんですか。
全力でニヤニヤしたいと思いつつも、また麗が「死ぬもん！」になってしまいそうなので、抑えるのがトゥルー俺のなすべきこと。……ほら、そういうトゥルー俺だからこそ、「あなたが保護者としてついてきたいっていうなら――」と、案の定また無意識のうちにべったり甘えて頼ってきてくれるわけですよ。ああ、この言葉の外の頼られっぷり――心地良すぎです。
あ、その目。
もしかして――
あなたも少し鉄道が好きなの？
うわ――それって、スゴイ♥
今気づいたわ！
今まで――全然気がつかなかった！
隠すの上手なのね？
――とか和んでいたら、すごい発想の飛躍を目の当たりにしてしまいました。
い、いや、麗さん？ リアル時間で4年目にして、それって一体どういう――いやまあ、「（麗の好きなものなら）そりゃあ好きだよ」ぐらいのことはいくらでも口から飛び出ますし、それ自体には嘘もなにもないんですが――っていうか、そういうトゥルー俺の気持ちを麗さんもしかして今の今まで察してくれておりませんでしたか。ああ――この徹底的なまでの対人の不器用さ。いとおしいってレベルじゃありません。
もちろん、今気づいたとかあくまで方便って考え方もありますが、麗の性格からしてそれはないなっていうか、本当に今この場でそういう風に即座に思えてしまうのが、麗って子のまっすぐさであり醍醐味であり、なんというかなんというか――
すごいわ――もしそうなら私、
教えてあげられること
きっといっぱいあるのに――
鉄道好きの世界へようこそ。
私、あなたのこと好きになれるかも――
うわ、麗の顔が本気でキラキラ輝いているのが思い浮かぶ――っていうか、ほんとに今の今まで、トゥルー俺が（麗の好きなモノなら嫌いな訳ないじゃないか）って気持ちを抱いてくれているって思い至れなかったんでしょうね。
麗にとって、家族以外のもの、特に男ってものは、無条件で自分の敵で、好きなものに理解なんて示してくれるはずなんてない――って。きっと今の今まで、（あれだけ無意識に心を許してくれているにも関わらず）そうトゥルー俺に対しても思っていたんでしょうね。
「鉄道好きの世界へようこそ」――とまで言われてしまうと、さすがにそれほど興味のない身としては、申し訳なく思ってしまうのですが――
私、あなたのこと好きになれるかも――
……うん。たぶんもう好きになってくれているという自負ぐらいはあるんですけれど（これは堂々と言えますトゥルー俺ですもの）、麗の自覚としてそう思ってくれるようになるなら……よし、本気で色々知識を身につけてみようかな。
は？
誰が誰を――
好きなんだって!?
……
まったく――
寝言は寝て言えっての。
ま、まだ何も言ってません！！！ ……と、これまたこちらから何か言うまでもなく自分で自爆してしまいそうな子のターンがやってまいりました。
いやもう、今のこの状況については、改めて説明するまでもありませんが――やっぱこのぐらいの年齢のお姉さんたちには、春風さんの提唱したアレがかなりの勢いで影響してしまっているみたいですね。
これまでだって――
べつに好きとか嫌いとか
そんなんじゃなくて――
ただ。
家族だし。
私は本当は仕方なく――
チョコ、あげてただけなのに――
なるほどなるほど。……すいません、今リアル俺の顔がこれ以上ないほどキモくなってますけれど、去年の深夜過ぎのことを思い出したせいなので勘弁してください氷柱さんウヒヒヒヒヒ。……いやもう、もらったどころか「奪われて」しまってさえいたわけですけれど、家族だから仕方ありませんよね！ ――などと、リアル俺のようなゲスいはしゃぎ方はしないのがトゥルー俺のトゥルー俺たるゆえんなのです。すなわち愛される理由。
さて、「誰が世界一愛してるか競争」がくだらないと言うならば、それこそ吹雪のようなロジックを用いれば簡単なわけですけれど、それに頭のいい氷柱が思い至らない理由――いやまあ性格上の問題といえばそれまでなんですが、
私は――
下僕のことなんて――
もちろん――
……
好きでも嫌いでもないわよ！
下僕は下僕だもの。
いつも私の１番近くにいて――
言うこと聞いてあたりまえの存在よ――
だからそんな――
好きとか、嫌いとか、
愛してるとか――
もう、そんなこと――
……
家族でラブラブ言い合ったりするような、
そんなやり方には付き合ってられないっていうの！
氷柱さん、逃走――。ああ、こりゃあ今夜もまた夜更かししないと後悔しちゃう展開でしょうか。ホントにもうこの子は。ラジオでも中の人たちに「夜這い」とか言われちゃってるぐらいですからして。藤田咲いいなあ氷柱の中の人に相応しいよ。
とまあそれはさておき、「由緒正しい日本人はそんなこと――言わない方が普通よ!!!」と、もっともなことを言って場当たり的な退避は行えたわけで。……でも、こう言っちゃってあとでモヤモヤしてしまうのも氷柱って子であり、4年目ともなればそのあたりはさすがに熟知しちゃいますよトゥルー俺は。
とりあえずチョコツリーの説明もしつつも、「義務は果たしたわ」と防衛線を張る氷柱さん。
しかしちょっと気になることが――
もう１度言っておくけど。
私――下らない競争に参加する気は
全然無いから。
安心して――ユキを選んでやりなさいよね？
え……い、いや、氷柱がユキのことを推してあげること自体はいいとして。
なんか……この企画、トゥルー俺が誰かを「選ぶ」というところまで含まれちゃってる！？ い、いや、いくらこの日記としてのバレンタインは恐らく最後だからといって、そんなムチャな！ 全員以外に今のところ選びようすらないというのに――！？
お兄ちゃん、
お兄ちゃん、
お兄ちゃん〜!!!
どうしようどうしよう、
どうしよう!!?
慌てまくって登場の星花！ 小学生組にしてはなんだか出番が遅いなってちょっと心配していたのですが、どうやらなにか変事があったみたいですね。いつぞやのバレンタインでは、夕凪さんとそりゃあえらいことになっていたりもしましたが、それを超えるような出来事だったりするのでしょうか――と、呑気しつつ聞いてみましたら、
あの――
これ――
……
もらっちゃったんです。
星花が。
これが――
噂の逆チョコっていう
ヤツなんだって――
夕凪ちゃんが教えて
くれたんですけど――
星花、よく意味が
わからなくて――
――益徳。青龍刀を。
……って、またか！ またも星花モテイベントなのですか！ いや、実際のところ男女を問わず一番モテそうなのって意外と星花みたいなタイプだろうなって気がするので、このこと自体は不思議ではないのでしょうが――いや、そういう問題ではなくて。
「逆チョコ」――俺の記憶が確かならば、それは男子が女子に性的なアプローチを目的として貯古齢糖をプレゼントするという行為であり、トゥルー兄としてはそれこそ青龍刀を持ち出さずにはいられない自体でありますよ！
いやまあ、これが男子じゃなくって、ごく普通に女子からのものであれば、そこまで取り乱したりもしないわけですが――ううむ、夕凪さんが細かい定義とか考えずに教えちゃったのでしょうか。まあ、星花自身にも、男の子からか女の子からかは分からないのかもですが……
星花、困ります。
星花――これでも一応、
女の子なのに……
バレンタインデーに
チョコをもらっちゃうなんて、
どうも女の子に見えてない、
ってことなのでしょうか――
さすがに――
がっくしです。
とりあえず、女の子からのものだと認識しているようですね。それだけならいいのですが……ううむ、この落ち込み方はちょっとフォローが難しい。あんなにステキな姉のヒカルだってあんな風にチョコまみれになってるのだから、気にする事は無いんだよっていうのが一番適切かなとは思うのですが、そのぐらいのことはわざわざ言われるまでも無いことでしょうしね。
まあ、星花が女の子らしいよということはそのうち証明してあげましょう。本人も今はそこまでめげているわけでもないですし――なにより
だって、あの、ほら――星花は
お兄ちゃんの側近じゃないですか！
ということは――
家臣が捕ってきたエモノは
すべてご主君様へささげる勝利☆
この際、お兄ちゃんさまに――
ぜひぜひご一緒に食べていただきたい、
と思いまして――♥♥♥
えへへ♥
ま、またも可愛らしいことを……。それだけじゃなくって、今日のほかの子たちがそうであるように、星花もまたいつもよりも「女の子度」を倍増させている雰囲気がありますよね。持ってきた女の子にはちょっと気の毒ですが、ここまで言われたからには、仲良く星花と半分こさせてもらおうかなと。
夕凪さんはヒカルがそうであることをダシに、星花からも同じようなノリでチョコを貰えれば、って欲望を丸出しのようですが、「でも――星花は――……やっぱり――お兄ちゃんと食べたいな♥」夕凪さんサーセン！ ……っていうか、ちゃんと夕凪さんにも分けてあげるんでしょうけどね星花も。ただ、一番にはやはり、と。ううむ、女の子だ。
星花ね、お兄ちゃんに出会ってから、
初めて――
誰よりもお兄ちゃんと一緒にいたい、
お兄ちゃんの役に立ちたい、っていう
気持ちがわかりました♥
星花は世界で１番――
お兄ちゃんの役に立つ人になりたいです☆
他の子に比べると控えめで星花らしくも――いや、星花らしく、それでいて心に直撃してくれるようなこの愛情を、トゥルー俺的には、全力で受け止める方向で。
ジャジャ――ンッ♪
というわけで――、
いよいよ本日のメインイベント！
バレンタインパーティーの
時間がやってまいりマシタ〜!!!
きゃ〜〜♥
オニーチャン、最高！
超カッコイイ――!!
おお、なんだかよくわからないぐらいにものすごい盛り上げよう！ 立夏だからの一言でももちろん納得できる話ではありますが、チョコ肉林状態にスイーツ大好きな立夏が悦ぶのは当然として、トゥルー俺がそこにどう絡んできているのでしょうか。いやまあもちろん嬉しいわけですが。
とまあ、チョコツリーの豪華さは立夏の喜びっぷりだけでも分かるとして、例の暗黒鍋の一件からちょっと気になっていた夕食のメニューはというと、「カカオタップリのココアパンケーキとチョコレートグラタン」とのこと。……後者の方がちょっと微妙な響きですが、春風さんが作ったということであれば、普通に味わえるものなのでしょう。春風さんはホタ系統のやんちゃ料理は作らない……のかな？ いや、きゅんきゅんしてもしなくても。
それはさておき、何故にさっきトゥルー俺カッコいいって褒め称えてくれたのかと言うと――
オニーチャンだけじゃなくて、
リカ達までチョコ食べホーダイなんて、
スーパーラッキーのちょー幸せッ♥♥
こんなパーティーが開かれるように
なったのも――
オニーチャンがウチに
来てくれたおかげだモンね♥
ホントウに――
オニーチャンってば、
リカのスーパーカッコイイ
イケメンヒーローッ☆
ああ、なるほど。そういうつながりで。……っていうか、トゥルー家ってトゥルー俺が来るまで、これほどまでにはイベントごとに盛り上がっていたりしたわけではないのでしょうか。ううむ、それを思うと、なんだか感無量というか、こんなにしてくれて……的な思いも沸いてきますね。
それはさておき、その理由でカッコいいとかイケメンヒーローって言われてしまうのもちょっと複雑なものが……まあ、立夏が喜んでくれているからそれでいいのですが。
さて、みんながそれぞれ作ったチョコの中で、立夏が作ったのはチョコかけプレッツェルとポテトチップのチョココート。ううむ、さすがに立夏、メタボ的にも強烈そうなところを。ええ、もちろん美味しくいただくあーんさせていただく所存であり、美味しく感動なのですが……
こうしてあげると、オニーチャンも
でっかいベイビーちゃんみたい！
ハーイ、リカのかわいい
ベイビーちゃん♥
ママ・リカはオニーチャンの
ためならなんでもして
あげちゃうんデスよ〜♥
さ、リカの胸に甘えて甘えて☆
なんか特殊な方向に目覚められてしまわれた！！！！
……いやむしろ、この立夏の行為で目覚めていないトゥルー俺も思わず目覚めてしまった気がしてなりません！！！ なに、なんなのこの唐突すぎる特殊プレイは！ そりゃ「プレイ」って表現を用いざるをえませんよもう！ 立夏さん、変な本読んで変な知識を身に付けてしまったのか、それとも素で思いつけた逸材なのか……ああもう、もうブラだってしているだろうになんという！（乗り気
あ、お兄ちゃん――
もうお食事はおすみになりましたか？
良かったらこの皿、
もうかたづけてしまいますね♥
パーリーも終わってお片づけモード、となればホタの出番ですよね。本当にいつもいつもご苦労様ですと言いたくなりますが、なにやら今日に関しては、「ちゃんとおなかいっぱいになれたか」懸念しておられるご様子。いや、これでもかってぐらいチョコで満腹だと思いますが――
軽いメニューになってしまったから、
ホタ、ちょっぴり心配してたんです。
やっぱり――
せっかくのバレンタインなんですもの、
もっとこうガッツリとしたメニューが
メインにあっても良かったんじゃ
ないかなって思って――。
例えば――
チョコレート丼とか、
チョコレート鍋とか？
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ！！（荒木風に）
そ、そうだった……いつもは安心の一言なホタの料理ですが、最近、とくにこういう大一番には、こういうトンデモ料理が飛び出す危険性があるのでした……！ い、いや、丼はさておき、鍋ならフォンデュの類として認識できるとは思うのですが。白菜とか使ってないなら。
さて、この「鍋」という単語を聞いて、いやおうなく例の一件を思い出してしまいますが――
ほら、この前の霙お姉ちゃんの
あんこ鍋が意外と――
イケてたじゃないですか！
だからあの時から――ホタも
鍋はぜひトライしてみたいって
思ってたんですけど――
カカオポリフェノールたっぷりで
健康にも良さそうだし♥
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ！！（荒木風に）
……いや、もう何も言いますまい。血統――ええ、トゥルーの血統が、彼女らにこういう資質を与えてしまったのです。っていうか、霙姉さんのあの暗黒鍋の原点って、ホタの作るトンデモ料理がきっかけだったんじゃ……？
とまあ、そんな恐るべき事実に加えて、「ホタはこっそりチョコグラタンを忍び込ませるのが精一杯でした」ということまで告白してくれましたよホタさん。あ、ああ……春風さんのチョイスにしては猛烈な違和感があった例のアレ……納得すぎます。ただ、作りかたの説明を聞く限り、これはわりとイケるんじゃないかって気もするので、素直に喜べたんじゃないでしょうかトゥルー俺も。
「100個以上は作ったんですよ――えへへ♥」と、さりげなくすごいことも言ってますが、考えてみたらこの大家族、普段でもこのぐらいの量は日常茶飯事なんでしょうね。本当、頭が下がります。
さて――そんなお料理の話だけでなく。今日に限らず、こういうイベントごとに、トゥルー俺が疲れてしまっているんじゃないかと心配してくれるホタは、やっぱ慈愛の化身みたいだなあって改めて。本当、そばにいてくれるだけでほっこりと心を落ち着ける女の子ですよ。
もっとも、その騒ぎすぎと同列に「奇抜なメニューもちょっぴりガマンして――」というあたり、ちょっとした恐ろしさも感じるわけですが……
私達がお兄ちゃんにしてあげられるのは、
ドキドキやワクワクだけじゃない――
本物のしっとり優しい愛の幸せ♥
家族ならではの――
心の底から優しい幸せの
ハッピーファミリー・バレンタイン♥
……お料理が上手い子は、こういう表現のしかたも上手だよなあ、と。まさに、この説明が、俺たちが味わっている幸せそのものですね。
……と、そんな締めでほっこりした気分になっていましたら。
でも――
このまま、終わり、じゃあ――
やっぱりちょっぴり。
寂しい――気がしませんか？
……
じつは、ホタは今なんだかちょっぴり――
物足りない気分のイケナイ子なんです♥
いっぱい食べたチョコレートの効果かな？
ホタが突然、女の子の牙をむき出しにしてきた――
ち、ちょちょちょちょちょ、ちょまっ！ 「物足りない気分のイケナイ子」――そ、そんな春風さんでもあまり言わなさそうなドキドキ発言があのホタの口から……！？ え、なに、今日のチョコにガラナとか入ってたりもしかして！？
だから、お兄ちゃん――
がんばったホタに今ちょっぴり
ごほうび――してくれませんか？
ホタにそっと――がんばったね、の
チュ♥
してほしいの♥♥♥
う、お、お、お、お――――！
いや、言ってる事自体は、まだなんとか「可愛らしいおねだり」の範疇をかろうじて逸脱していない――といえばいないのかもですが。でもなんか、今日のホタ、オーラがピンク色っていうか……いわゆる戦闘態勢に入っちゃってるというか……！？
ほら――今なら誰も
見ていないから――
――あ、駄目だ。
陥落――
蛍ちゃんにお兄ちゃん――
もうお食事はおわりましたか？
早く片付け終わらないと、
みんなもうお風呂の時間に
なっちゃいますよ？
……なんかタイトルに不穏なものを感じつつ、お片づけにきてくれた春風さん……って、え？
このシチュエーションってまさか……
あとは優しい春風お姉ちゃんが
かたづけておきますから、
早く２人とも――
……
――ああああっ!!!!!!
……
王子様の――バカァッ!!!!!!
…………………………。
……(ﾟДﾟ;;;)
はい。確かにリアル俺も「陥落した」って明言してしまいましたし。
――覚悟を。
ばーぶーばー！
ばばっぼば――!!
くすくすくすくす――♥
おにいちゃ、あーぼばっぼば――！
あーみゃみゃうま――ぶっちゅ――♥♥
うわああああああああああんあさひさん助けてええええええええええ！！！
……とすがりたい気持ちではありますが、なにやら今日のあさひさん発言は、翻訳しなくともなんとなく雰囲気が分かってしまうと言うか、もうどうしようもないってこと的なオーラがプンプン漂っているわけでして。
しかしそれでもなお翻訳させていただきますと――
みーられちゃった、みられちゃった！
はるかはおこっていっちゃったぞ!!
くすくすくすくす――♥
おにいちゃん、ほたにだけちゅーなんてするからわるいんだ！
こうなったらあーたんにもちゅーしなきゃだめなのだ、ぶっちゅー♥♥
……ああ、まさに予想通りすぎる内容を申しておられました。
それにしても、なんという「見られてしまった」率……あさひさんが見ているところであんな、なんというシチュエーション……破廉恥の汚名を着ないわけにはいきますまいて。
いや、とりあえず「ほたにだけちゅーするから」というところは、アレなようでいてそれなりに真実を突いているとも思えるのですが、それを差し引いてもなおこの状況の「詰み」っぷりは……あうあうあう。
まあ実のところ、まさに去年のクリスマスにおいて、ほとんど同じようなシチュエーションを、当の春風さん相手に繰り広げてしまった記憶が思い切りあるのですが、だからといって、それでどうなるというわけでもなく感情の問題ですからして。
……救いは無いんですか！ と、とりあえずあさひさんにもぶっちゅーしないと……
なんだ――
まだこんなところにいたのか。
もう風呂に入る時間なのに。
ううおおおおあああああああヒカル助けてええええええええええ！！！
……と、ヒカルはどうやら状況を知らないままのようですが……ええ、ちょうど去年、君が味わったのと同じようなシチュエーションに我が家の春風さんが……と説明するわけにもいかず。一応こっちの様子をいくらか心配してくれているのですが……それはスルーしつつ、今夜のチョコパーリーを振り返ってくれております。
まあ確かに、文面には出てきておりませんが、今年はもちろん毎年毎年、トゥルー俺の胃がどれだけチョコで満たされているかと思うと、さすがにちょっとすごい想像になってしまいますよね。それを毎年こなしているだけでも、「……すごい漢だ」って感嘆されてもおかしくないと思えるぐらいです。
そんな大変なバレンタインを評して、
なんだか――前から思ってたけど。
バレンタインデーって――
愛を告白される方の人間よりも――
告白する方のが嬉しくて楽しくて、
幸せな１日なんだな――きっと。
……と、なんだかいいことを言ってくれるのは、さすが落ち着きのあるみんなのお姉さんヒカルってところでしょうか。確かに、今日ずっと見てきた姉妹たちの顔を思い出すだけで、とてつもなく幸せな気分になれます――が、最後の方がその濃度が濃すぎてえらいことになってしまっているのもまた事実。
さて……そんなことを言ってるヒカル自身が、その「えらいこと」をさらに加速してくれるのではないかという期待と不安がずっと付きまとっているわけなのですが――
だから――私は。
見てるだけでいいんだ。
――うん。
妹たちの幸せを――奪いたくないし――
なんて――な、あ、あはははは♥
………………お、おおう。控えめなようで……なんか、かなり「女の顔」が見え隠れしているようなお言葉が……。いや、そりゃまあ、「奪う」ってことになっちゃうといえばなっちゃうのでしょうが……ああもう今日はなんという日か。
しかも、そんなことを言ってるヒカルでさえ――
あ、そうだ――安心しろ？
今年は――もうこの後のチョコ攻撃はなしだ。
毎年、この後も学校でもらわされる袋いっぱいの
チョコが残って、みんなでせっせと食べる
羽目になってたけど――
今年は――断ってきたから。
今年は――本命がいるからって。
もうチョコレートは受け取らないって宣言したんだ。
……な、なんか、安心どころか、決定打となる言葉が放たれたような……そんな……
だからオマエに――これをやる。
チョコ買うのなんて生まれて初めてで恥ずかしくて――
結局ガムになっちゃったけど。
今なら――ちょうどいいだろう？
……
ハッピー・バレンタイン。
私はオマエのことが、す、す、す―――
……
……ええ。もう理解しましたとも。
今日、この日に、逃げ場はないんだってことを――
あっ、王子様♥
と――
ヒカルちゃん？
は、春風さん……いやその、なんというか……本当どうしたらよいんですかという状況なんですが、とりあえず取り乱してはいない様子……なのでしょうか。ハートマークがこぼれているってことは、さっきのはそれほど気にしていない……ということなの……でしょうかと希望的観測にすがりつきたくなりますが……
うわぁ〜♥
バレンタインの夜に
春風の大好きなカレが
２人も一緒に――♥♥
ちょっと待ってください春風さん。
いや、春風さんがヒカルのことをわりとそういう風に見ていないでもないというのはありましたけれど、さすがに今この状況でその表現の仕方って……もしかして……いや、もしかしなくても、ちょっと「ヤバい」状態なんじゃ春風さん……。
まあある意味、この状態のまま話しかけられたら、ちょっと恐ろしすぎるのではないだろうかとヒヤリとしてしまったわけですが、
と思ったら――
……
ヒカルちゃん――
……
王子様――
……
春風、もうどうしたら――
って、また！
いやもう本当、トゥルー俺こそどうしたらという状況なんですが……さっきからのこの流れ、トゥルー俺を追い詰めるというのではなく、今までひたすらきゅんきゅんし続けてきた春風さんに対してこそ、あらゆる意味で、「あなたは弟であり愛しい人でもあるり、姉妹みんなからも思いを寄せられているトゥルー俺を前に、どうやって向かい合っていくんですか」という問題が突きつけられてるという風にも見えますね。
姉妹の中で、一番ガチなのはやはりこの人ですし、しかしだからといって、たとえばヒカルやホタといった子たちも、他の姉妹だって、そういう気持ちは少なからずあるわけで。そんな中、春風さんはどう自分の気持ちに向き合っていくのか――今まで棚上げされていたこの大きなものに、向き合うべきときが訪れたということなのかも知れませんね。
ちょうどさっきヒカルがいった、「奪ったらかわいそう」という言葉が、大きな意味をもって響いてきます――。
世界一好き、とか
世界一愛してるとか――
それは――ああ、
なんと小さい言葉だろう！
なんか唐突な事をいって自体をわけわからない方向に導いてくれそうな人が来たああああああああああああ！！
ちなみに霙姉さんといえば、例の暗黒鍋の一件の真相こそおおむね明らかになったものの、肝心のこの人本人のコメントがまだ一言もいただけてないわけで、このバレンタインデーというタイミングになにかあったりするのかなあ、などと思っていたりなどもしたわけですが、あいにくトゥルー俺の状況がそれどころではなさげな感じであり――
その中で――
私達がいかに愛し合おうと
いかに憎しみあおうと――
そんなことは、本当に
小さな小さな――
この宇宙の片隅でおこる
最小限の粒子の揺らぎに過ぎない。
……と、ここだけを見れば、今までのトゥルー俺の状況を全部察した上で、なにかありがたいコメントなどもいただけるのだろうかと期待してしまうのも無理なからぬことでありましょう。
しかし現実は――
だから――
私が今ここで、何を言おうとも
オマエに対して何をしようとも――
そんなことをオマエはまったく
気にする必要はないのだ！
それはオマエのせいではないのだから。
それは起こるべくして起こった、
この宇宙の必然――あるいは。
全く誰も気にとめることのない
この宇宙の気まぐれな偶然の
小さな揺らぎだ。
今、この脱衣所の前で――
私とオマエが同時に風呂に入るべく
偶然かち合ってしまったことなど――
な。
なんじゃこの状況はーーーーーーーーーーーーー！！！ いや霙姉さんなんなんですかこのラッキースケベイベントにおいて女子側としてそのテンションは！ 「な」とか言われても！
気にするな。
気にしますがな！！ きょうだいだろうとなんだろうと！
毎日繰り返される
このささやかな
家族の営みの中に――
これくらいの偶然があっても当たり前だ。
今日こそ――
一緒に入ってもいいと思う♥
いや、よくあるシチュといえばそうですけれど最後の一文があんまり説得力を持っていない気がします宇宙規模の観点からしても明らかに！
……っていうか、このあまりのテンションに、逆に霙姉さんが、なんか滅入ってそうなこっちを励まそうとしてくれているとか、そういう理解の仕方もありますが、しかしそれにしてもこの人肌と肌との接触求めすぎですよ。前にもお風呂で背中流そうとしてくれたじゃないですか！ 小説版のナチュラルボーンスタイル含めたら、この人一番素肌イベント多い気がします！ 異性とか意識してないからなんでしょうか、それとも単に肉体的本能の求めるがままとかそんなノリなんでしょうか。
……もしかしたら、先日の暗黒鍋の一件を、このバレンタインの日という勢いで流してしまおうって意図があるのかも知れず、だとしたら可愛いなあって思ってしまいます。ええ、この極限すぎる状況で思わず浴場でよくじょう的な状態に陥ってしまうかもしれないぐらいに――ってますます状況が危ういことに！！
もちろん一緒に泡のたてっこをして
遊ぶこともできる♥
フフフ――
もちろん塗りっこも、だ♥
ああ、今日のこのバレンタインデーの日に、
世界で1番――
オマエの近くに接近するのは私、だな♥
トゥルー俺逃げてーーーーーーー！！！！ 4週目ともなるとトゥルーバレンタインはもう、貪欲なフラグハンターばかりが襲い掛かってくる魔窟だよううううう！！！！ ……ってか、塗りっ子とかそれ明らかにもう！
あれ？
誰か――入ってる。
……
霙ちゃんと――
……
王子様？
ふ、ふたりで――
ま、まさか――
はだかんぼにっ!?!?
……
いやああああああ!!
春風、もうだめ――
……
もう好きにしてくれ――――！！！
というか、さすがに3回目ともなると、冷や汗を通り越しておもしろイベント的な風情すら帯びてきてしまいましたが、春風さんのこの追い込まれっぷりはさすがにどうしたものか。
いや、春風さんのことですから、ココまで来るとかえって立ち直っちゃったり……という希望的観測もあるわけですが。ある意味タフで、ある意味懲りず、ある意味大らかで寛容であり――そして、あらゆる意味でもトゥルーのお姉さんな可愛い人なのですから。
……などと、いかにもな締めできれいに乗り切ようとしても、おかれている事態が変わるわけでもなく。あああああああもうどうしたら！！
はぁ〜。
お疲れ様♥
今日もいよいよ――
１日の終わりね。
今年のバレンタインはどうだった？
かつてないほどの壮絶な様相を呈してきております海晴姉さん！
いや、この一日の締めとして、まさに待望していた海晴姉さんの出番なわけですが、もうそれどころではないってぐらいの凄すぎる状況に、今は落ち着いて振り返られる状況では……。それ以前に、この海晴姉さん自身の「もちろん私が世界一！」ってタイトルがなにやら嫌な予感をよぎらせてもくれるわけですが――あ、ああ、なんか本当に普通に、綺麗に締めくくろうとしてくれていますよ！
家族で過ごす――バレンタイン。
ウチの姉妹たちはみんな愛情タップリで――
ちょっぴりタップリ過ぎちゃう
ところもあるけれど――クス♥
でも、みんなみんなキミのことが
大好きな気持ちは一緒で――
それはずっとずっと
この先もきっと永遠に
変わらないもの。
……ええ。この後半の騒乱で、いろいろ取り乱してしまいましたが、それを踏まえてさえなお、今日は本当に特別で幸せな日なんですよね。
「はかけがえのない、
この世でたった１つの
家族」――と、続けた海晴姉さんのお言葉が。
愛する人がいるのは――
とっても幸せなことで、
それはもしかしたら――
愛されることよりもずっとずっと
幸せなことなのかもしれないって。
今日は、ヒカルもそんな感じのことを言ってくれましたが……トゥルー日記が、この幸せな家族が教えてくれた一番のことって、まさにこのことですよね。もしかしたら、この結論を見つけるために、俺たちはこの家族と巡り合えたのかもしれません。それを心に刻み込んだうえで、もうこんなバレンタインを過ごせるのは最後だと理解しつつ――
ありがとう。
私たちにこんな幸せをくれて。
この先――あなたが何をしても、
あなたが何を言っても。
あなたがどんな変化を迎えても――
私達はずっとあなたのそばにいて、
あなたのことがずっと――好きよ。
私達姉妹は全員――
誰にも負けない強さで、
あなたのことが世界一大好き。
……この言葉を贈られたなら。
それはもう、この先ずっと、永遠に心に残していられるって、確信することができました。
本当に――本当に幸せな時間を、今までどうもありがとう。
そしてこれからもよろしく――と。心から。
……と、さすがは海晴姉さん、本当にすばらしい形で締めくくってくれました。ええ、春風さんのことを棚上げかと思いきゃ――
フフ。
だから――春風ちゃんの競争にゴールはないわね♥
とまあ、「私たちの戦いはこれからよ！」的な締めを見事にあたえてくれた手並み、さすがとしか言い様がありません。作品世界でこそ通じる、この魔法の言葉――しかしながら、やはりこんな幸せなトゥルー家族の中では、これに頼るのも大いにアリではないでしょうか。海晴姉さんという当事者自らのお言葉でもあるわけですし。
……などと、海晴姉さんの威厳に惚れ惚れしていたところ、だったのですが――
でも、もちろん――
そんな姉妹の中でもたぶん私が１番――
キミのことをわかってる♥
ウフフッ――
だから、こんな特別の夜には――
しみじみそんなことを思っちゃう
この苦労性のお姉ちゃんに――
ちょっとごほうびをくれない？
オオウ、さすが、立派なだけでなく、お茶目なところも姉妹随一な海晴姉さん。いやまあ、こんな綺麗な締めを作ってくれた直後ですから、ご褒美といっても、ちょっとしたスキンシップぐらいでしょうね――
うん、もちろん、キミの部屋で♥
ちょっとだけ――ね？
いいでしょ？
……
……
……って安心していた俺が無防備すぎでした！！！
ちょ、この人やる気マンマン！ 春風さんとか霙姉さんのそれすら可愛らしく思えるほどに、「喰う気」マンマンすぎるじゃないですか！！！！ た、た、助けて……って、誰に助けを呼べばいいって言うんですか！ ついさっき、「私たちの戦いは」モードまで発動しながら、そこから後でガチでこんな、そんなうわわわわわあ！！！
……まあ、普通にマッサージしてくれるとか、そういう健全な方向を、期待するというか、「あらー一体なにを期待してたのかなー」的な展開を、どうか――！！ ……いやまあ、本当に食べられちゃうならそれはそれで（理性の下から本能がポロリと
やっと――
海晴お姉ちゃんを追い出すことに
成功しましたね！
ウフフッ――♥
春風の――勝利です♥♥♥
やあぁぁぁぁっぱりリベンジ来たああああああああああああああ！！！！！
ってか、「海晴お姉ちゃんを追い出すことに
成功しましたね！」って、さらりととんでもない偉業を達成しておられる！！！ トゥルー家の中でも食物連鎖の頂点に立ってる人を！！！ あ、あ、あ……今の春風さんは海晴姉さんすら凌駕する存在か！
なんというか、さっきからの流れは、まるで死ぬ寸前まで怪我して復活したサイヤ人がパワーアップするかのごとくですね。ああやってきゅんきゅんゲージを9本分ぐらい溜めに溜めまくって、ここぞとばかりに大放出したといってもいいかも知れません。
これで――世界で１番
王子様を愛してるのは――
やっぱり春風だってこと、
私の王子様にも――
わかってもらえたと
思うんですけど――♥
いかがですか？
――きゅんっ♥♥
そしてこの言い分からして、もう愛情表現＝実力行使という図式すら成立してしまいました。いやまあ、海晴姉さんは海晴姉さんで、春風さんの本気を超えた本気を見てしまったら、すんなり降参してしまった感じなんでしょうけれども。
さて――このあらゆる障壁を乗り越えた春風さんを前に、トゥルー俺などもはや、捕食を待つのみの身であることは言うまでもなく――っていうか、もう抵抗できる気すらしません。
あ、あの――
もうちょっと、近くによっても――
いいですか？
このベッド――
なんだか、すこし
狭いみたいで――
ウフ♥
きゅんっつ♥♥♥♥
もうベッドへの進入を許してしまっているうううう！！！！ 「詰み」ですね。ここから状況を覆せる男子がいるとしたら、それはもう不能というかなんというか――
ほら――
王子様も触ってみて。
こんなに――ドキドキ♥
……
あ♥
そこ、もっと強く――
……
―――きゅうううううんっ♥♥♥♥♥♥
過 去 最 大 風 速 ――
ってか、もう――開始（はじ）まってんじゃん！！！ 性行為！！！ あわわわわわもうこれ以上はトゥルー日記ないで描けない（クチュクチュ）とかそんな感じのことになってしまうよ――と思ったら、まずはそのまえに大義名分をとばかりに春風さんが
……
やっぱり今夜はバレンタインの
特別な夜だから言います。
私、春風は――あなたのことが。
王子様のことが――
死ぬほど好きです♥
あなたと結ばれたら――
もうどうなってもいいの。
だからお願い♥
うむ、ガチ告白です――って、もうあんな性的なタッチしちゃってからというのも春風さんが言うとおりアレなんですが、やはりどういう状況であれ、これは心に響く最終兵器であり――
今夜こそ――
今夜こそ――
春風をあなたのものにしてください♥
春風――
もう待てないの――
……春風さんの、この3年分以上の報われきれなかった思いが、今やっと届こうかとしているのだと思うと――ええ、冗談抜きで抵抗できなく――をああああああああああ
世界で１番大好きな私の王子様――
今夜、春風は世界で１番幸せな夢を
見ることができました――
し・あ・わ・せ♥
夢見心地のハッピーファミリー・バレンタイン♥
春 風 さ ん 完 全 勝 利 ―― ！
思わずそんなテロップを出してしまいたくなるぐらい、完膚なきまでに大勝利を遂げられた春風さん。ええ、トゥルー最初からのアプローチの激しさを思うと、この人にはこの夢を叶える資格が十分すぎるほどにあるわけで。
昨晩だけを見ても、何度打ちのめされもくじけずにスタンド＆ファイト！とばかりに迫り、ついには海晴姉さんすら退けたその想いの力、さすがにトゥルー俺としても、陥落しないわけにはいかないだろう――と、年貢の納め時という覚悟をいたした次第でありましょう。
しかしながら――さすがに、ここで文字通り本当に「結ばれて」しまったら、日記どころか名実ともに「べびプリ完！ 春風エンド」ってことになってしまうという問題があるわけで。
とはいえ、あの状況から、（肉体的に）結ばれないままでいられるどういう方法も思いつかなかったのです――が。さすがはそこは神（いわゆるゴッド）が配慮したというか。
ベッドのおふとんをめくったら――
なかに、にじちゃんがいたのには
ビックリしたけど――
お兄ちゃんを待ちくたびれて――
すっかり眠ってしまった
にじちゃんのお顔はとてもかわいらしくて――
３人で川の字で眠るのも楽しかったな♥
本日のMVP：虹子
あああああああああ虹子おおおおおおおおお！！ 朝の悲痛な叫びを忘れたわけじゃなかったんだよおおおおおおおおおお！！ ……としかし、その寂しさを抱き続けてくれたがゆえに、「べびプリ完。入り婿旦那様編突入」の事態をなんとか避けることができたわけで……あああああ、アリガトウッッ！！！ なによりも肝心な何かをインターセプトされた春風さん自身すら幸せな気分にさせてくれたわけで。本当に虹子さんは天使やで……！
春風は思わず――
私達にもし娘が生まれたら、
きっとこんな風かしらって――
想像してしまいました。
――きゅん♥
いつか春風に本物のベイビーを
あなたがくれるって信じています♥♥♥
……とはいえ、事実上の戦略的勝利を収めた春風さんは、さすがにもう妄想が止まりません。――あ、いや、これは別に普段からですが。
いやまあしかし、昨日の夜のことを振り返ってみると、特に上の人たち相手には、いつ本物のベイビーが授かってもおかしくない一触即発の状態が続いていたわけでして。これはつまり、本物のベイビーがさずかることで、真のBabyPrincessが始まるのかなあ……などと、綺麗に締められたんだかなんだかという結論に至った次第でございました。……もしこの世界に、セーブロードがあるならば、その分岐でもうどんだけベイビーが授かってしまっていることか……
とまあ、長い長い一日でありましたが。いや、今日ばかりではなく、過去の3年間のものをも含めて。本当に、最高のバレンタインを――ありがとうございました！