3日目(12月31日) |
1.リベンジした朝飯 |
技術進化のおかげで昨日はありつくことが出来なかった雲南的朝飯を、本日は食することができた。
その陰にはK氏の果敢な試行錯誤と、彼が駐在する中国会社の現地社員の多大な協力の物語がある。
その労を讃え、朝飯には少々そぐわない、過橋米線を紹介した。
この料理にまつわる故事は雲南省集中攻撃にリンクを貼っているので、今回は説明を割愛するが、雲南省で最も有名な料理の一つである。
煮立った容器に自分で麺と具を入れて料理を完成する仕組みだが、具は火が通りやすいように薄切りされ、スープを冷まさないように麺は温められている。 |
2.広東省博物館 |
K氏は12時頃までに白雲空港に戻る必要があるので、広州で残された時間はわずかである。
と言うことで、観光の時間調整がしやすい広東省博物館へ。
ここはいつも、こういったタイミングで行くので、じっくりと見られたためしがない。
いづれは、がっちりと時間を確保して見学したいものである。
現地滞在時間は、予定60分のところを7分ほどオーバーステイしてホテルに駆け戻り、まずはK氏に駅に向かってもらうべくロビーで別れる。
このホテルのチェックアウトはスムースなので、私もほどなく出発できるが、私は広州東駅を一時間後に出る高鐵を確保しているので、
時間に追われることもなく、かと言って暇を持て余すほどでもなくちょうど良い。 とりあえず、ドリンクを買ってからスタバで時間調整。 |
3.高速鉄道で、まずは深センへ |
広州東から深センまでは、一等座でほぼ100元で、列車にもよるが凡そ1時間15分程度の旅程である。
切符は2日前に求めておいたが、本日の切符売り場もさほどの列ではなく、本日の購入でも問題はなかったものと思われる。
広深線への乗車も中国方式で、出発15分くらい前に列車ごとに改札が開くのだが、通路のピカピカ具合は何なのだ?
我が車両は最後尾で、私にあてがわれた座席は最後列。
2日前に切符を買ったのだが、一等座の乗客として一番乗りだったのだろうか?
この路線には仕事で、途中の東莞までは中国駐在中に乗ったことがある。
そこから先は未体験だったが不安はない。 普通に列車が走って、普通に目的地に到着するだけである。
次の駅で隣に別の乗客が来たことから、窓側から電源線を延ばしていた携帯電話の充電を中断した以外は、すべてが想定通りに進んでいる。
一等座だったからかキャビンは静寂で、気分の良い移動時間。 |
4.陸路越境 |
広州東駅を定刻の12時に出発した列車C7113は、定刻の13時16分に深セン駅に到着する。
駅から外に出たら、標識に従って、ひたすら南を目指すだけ。
多くの人が香港を目指すか、もしくは香港からやってくるので迷う要素は何一つない。
グーグルマップのストリートビューならぬ、百度地図の同機能で予習した青看板をくぐり、まずは中国から出境する。
(出国ではないが手続きは同じで、入国時に手元に残った出国票を提出する。)
人の少ない列を選んで並んだのに時間がかかるなどの不本意もあったが、まずは順調。
中国と香港のどちらにも属さない身で境の川を歩いて通過し、今度は香港側の入域手続き。
列の途中で入境票を入手して、パスポートを下敷き代わりに慌ただしく必要事項を記入する。
さほど待たされるでもなく入境手続きを受けていると、PCを操作していた審査官の手がハタと止まり、広東語で私に何かを言ったかと思うと別の係員を呼ぶ。
その係員は私に着いてくるよう促し、早口の英語で、「コンピュータによる選別で、あなたの面接を行う。ランダムチェックだ。」と一言。
『見るからに一般ツーリストの日本人くらい弾けよ。』などと思いながら別室に通される。
そこには見るからに怪しくない善人男女30人くらいがウンザリ顔で待機中。
『面接とやらには何分くらい待たされるのだろう? 20分か、30分か?』と、思っていたら、
10分も待たないうちに「ジャパニーズ」と呼ばれ、面接無しで通される。
どうやら係員もPCに対して私と同じことを思ったようで、見るからに一般ツーリストの日本人を人為的に例外扱いしたようだ。
15年ぶりの香港入域を果たせたので、 速攻でオクトパスを求め、ついでに1万円を645HKDに換えてから東鉄線14時31分の列車に乗る。
深セン駅からここまでで1時間15分。スムースならちょうど1時間と言ったところか? |
5.香港中心部に進軍 |
一等座と迷ったものの40HKDの追加が惜しくて乗った二等車は混んでいたが、三駅目から空いてくる。
九龍糖駅でメトロに乗り換え、旺角駅に15時半に到着したので境界駅からJUST一時間。
駅近くのホテルに荷物を投げ込み、16時からネイザンロードを南下。
街は良い感じに黄昏れているが、このメインロードの歩道は人が多く、思うように歩けない。
普通なら30分くらいで行けそうな距離を、50分かけてペニンシュラホテルに到達。
映画スターの手形などが展示されている星光花園などを眺めつつ夜を待つ。 |
6.夜景 |
香港と言えば夜景・夜景と言えば香港と、さながら連想ゲームのように思い浮かべる方も多いと思うが、
その中でも人気度の高い、大陸側から香港島を眺めるスポットに行ってみる。
まだ暗くなりきっていないためか大混雑ではなかったが、このあたりから年越花火が見られるらしく、警察官も沢山控えている。
その高名な夜景は、暗さを増すほどに明かりも増えて綺麗になっていったが、モヤのせいかボンヤリとしている。
後方から中国語で「明日の方が良いな」などと言っているのが聞こえてきた。
香港は元々は広東語圏であったが、今は普通話(北京語)が席巻している。
ホテルに戻る道もキラキラしている。それは今日が大みそかだからではなく、普段からそうなのだろう。 |
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香港は大陸部よりは西洋化されているが、大切にされるのは春節(旧正月)であり、
新暦正月はさほどのイベントではない。
イルミネーションも、新年を迎えるものと言うよりは、クリスマスの残滓といった感じだ。 |
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年を越してもクリスマスの雰囲気が残るのは西洋諸国も同様で、クリスマスが終わったとたんに町が全力で新年モードに突入する日本の方が
特異なのかもしれない。
いったんホテルに帰還した後、もう一度付近を出歩いてみるが、異様な人出にゲンナリして部屋に戻る。
香港街中の夜景も撮っておきたかったが、それは明日で良いだろう。 |