2日目(4月30日) |
1.アンコールワット |
カンボジア最初の朝はバタバタせずに、ホテルのモーニングビュッフェでゆったり。
午前7時前なので、ゆったりというのは正確な表現ではないのだが、日本時間では9時頃だから、気分的にはユッタリである。
7時過ぎに朝食を終えて、ホテルのフロントに、「アンコールワットまでトゥクトゥクで行きたいけど、幾らくらいなの?」と聞いたら、
「一日雇うのか、半日雇うのかどっちだ?」と聞き返してくる。
「いや、アンコールワットで乗り捨てて、その先はまた、そこで探す。」と言ったら、「普通はそんなことはしない」とバッサリ。
素直な私はそうかと思い、
「ならば一日で、アンコールワットとアンコールトムと東バライに行った後、午後はトンレサップにも行く。ロリュオスには行かない。」と
作戦を伝えたら、「トンレサップは遠いので、普通は20USD」と答えが返ってきた。
この時点で私は、ホテルのフロントと価格交渉に入っていた状況だったのだが、私はホテルに一般的な質問をしていた認識だった。
「そうか、それならそれで良いから、トゥクトゥクをココから呼んでもらえるか?」と聞いたら、「20USDを下さい」と請求を受ける。
呑気な私はこの時点で、ホテル側と価格交渉をしており、言い値で受けてしまっていたのだと気づいた。
ただし大きくぼられたわけでもなく、ホテルが1割ちょっとのコミッションを抜いているとしたら、そんなに酷い金額ではなかったようでもある。
我がトゥクトゥクは、指定の7時30分かっきりに現れた。
ちゃんとナンバージャケットを着用している。 良いやつだったら明日も雇ってあげよう。 ただしホテル抜きで。。。
No.2325はNGEK(ネイ)と名乗った。 まずは遺跡チケットゲット アンコールワットの外堀
走り始めてすぐに、トゥクトゥクは大正解だったと悟った。
タクシーのほうが5割くらい高くても乗り心地はいいかも知れないと思っていたが、風を切って走る感覚がなんとも快適である。
まずはチケットポイントで3日券をゲットする。40USD。
ここでは使いまわし防止のために、(画質は悪いが)本人の写真付きのチケットが発行されるという最新式なのだ。 |
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アンコールワットは、明日も時間をかけて見に来るつもりだが、挨拶程度に一時間の観覧。
確かな存在感があり、インドネシアのボロブドゥールや、
タイのアユタヤの各遺跡よりも注目されることは納得である。 |
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内部も素晴らしい。
単なる遺跡ではなく、今も信仰の対象になっているのが、ここを特別な存在にしているのかもしれない。
私は信仰心を持っている人の敬虔な気持ちは大切にしてあげたいので、祈りを捧げている方の写真は撮れない。
時折見かけるが、祈っている人に向ってフラッシュを光らせている観光客を見ると、少し私は戸惑ってしまう。
しかし私自身には、神仏を信じる心はまったくない。
自分以外の何者かに畏敬の念を持つ気持ちはあるが、それが神であれ仏であれ人であれ、すがったり頼ったりする発想は持ったことが無い。 |
2.バイヨン |
次にネイは、黙っていても私をバイヨンに運んでくれた。 象に載って楽しんでいるのは、白人か中国人が多いように思える。
私は特に乗る気もしない。 敦煌でラクダに乗ったが、動物というのは、それほど乗り心地が良いものでもない。
バイヨンの遺跡は、アンコールワットとは異なった趣があり、やはり世界中から人を集めるだけの力を持っている。 |
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この地に生活基盤をおく人が、これらの遺跡を残した人々の子孫であるかどうか知らないが、
この遺跡なしには、現在の彼らの生活は成り立たないだろう。
高い科学技術と文化を食うための武器として子孫に伝えている日本と、
集客力のある遺跡を土地の後継者に伝えているカンボジア。
どちらも、残す側には子孫のためという意識は大きくなく、受け取る側の心のありようが、
自分自身の人生を決めるのだろう。
クメール遺跡には、大きな顔の彫刻が特徴的だ。
作られた当時は、どのような彩色(装飾)が施されていたのだろう? |
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シェムリアップはインドシナ半島の内陸部に位置するので、大気汚染が遺跡に影響を与えているという話は聞かないが、
西側に位置するバンコクの工業化が進んだら、酸性雨などの問題が生じるのかも知れない。
ふと下を見ると、それらしい衣装に着飾った一団がいたので、他の観光客に便乗して写真を撮らせていただいた。
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3.王宮と象のテラス |
バイヨンの次は象のテラスと、その近傍を散策。
子供が寄ってきて、「写真を撮ってくれ」とジェスチャーするので、撮ってあげたら案の定「1ドルくれ」要求。
このケースで代わりにアメをあげる欧米観光客も多く、これが歯磨き習慣の無いカンボジアの子供の歯を蝕んでいるという話もある。
私は、この為に準備しておいた?、小袋の柿ピーをあげた。(たぶんガッカリさせたことだろう) |
4.プリア・カン ニャック・ポアン クオル・コー |
プリア・カン、ニャック・ポアン、クオル・コーと、
酷暑期のカンボジアにおける炎天下の中で進軍が続く。
もしタクシーにしていたら、遺跡見物中もエンジンをかけて、
冷房をつけっぱなしにしていない限りは、
車に戻ったときに大変な熱波が私に襲い掛かってきたことだろう。
しかしトゥクトゥクなら熱気はこもらず、走り出すと即座に心地よい風が身体を冷やしてくれる。 |
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今日は午後からトンレサップに行く予定なので、駆け足でトゥクトゥクは進む。
しかし、ニャック・ポアンの怪しいヴァラーハの像は写真に撮っておきたかった。
写真を撮るために旅をしているわけではないが、このようなビジュアル系ははずせない? |
5.タ・ソムと東メボン |
タ・ソムで、木に襲われた門を見た後、東メボンで象の像を眺める。
絵に描いたような観光コースになってしまったが、天気が良いので気分がもりあがる。 |
6.東バライ近辺 |
東バライ近辺は、トゥクトゥクで走り抜けてしまったので、掲載できる写真が少ないのだがなんとものどかな、長居をしたい場所だった。
この時点で12時を回っていたし、ネイに「ハングリー?」と聞くと、躊躇無く、腹減ったと言い返してくるので、今回はちょっと駆け足。 |
7.タ・プロム 下見 |
タ・プロムは、駆け足で見て回るにはもったいない規模と奥行きを持っている。
個人で回っているのだから、気に入ったところに時間を割く自由度はあるのだが、先ほどからレストランとトンレサップが呼ぶ声が大きくなってきている。
ここでようやく、カンボジアチックな野球帽を入手。ミネラルウォーターをつけて10000R。
カンボジア人の反ベトナム感情は日本人から見る北朝鮮のような一面があるらしいのだが、それを知らずにベトナム国旗のついた野球帽を持ってきて
しまっていたので、今日は朝から隠すように被っていたのだ。(帽子を脱ぐには厳しい日差しだし。。。) |
8.昼飯 |
13時を過ぎて、ようやく昼食にありついた。
ネイに、「旨い店知ってる?」と聞いたら、「もちろん」と案内してくれたのが、いかにも観光客好きしそうなオシャレなレストラン。
「御馳走してあげるから、一緒に食おうぜ」と誘ったが、この店はトゥクトゥクやタクシードライバーと、観光客の食う場所が壁で仕切られていた。
ジャワ島だとアバウトで良かったのだが、店にもよるのかな??
少しでも時間を節約しようと、カレーを頼んだのだが、来るまでに結構な時間がかかった。味はもちろん、かなり良い。
少しタイ風に香草の香りが鼻をついたが、具が色々と入っていて嬉しい。
これで4USDは、やっぱり安いと思うのだが、平均的カンボジア人の経済力から言うと、とんでもなく高いのだろう。
なんせ、10時間近くトゥクトゥクを借り切って、50km以上を走り回っても、(たぶん)値切れば16USDなのだ。
日本でこんなことをしたら30000円は必要だろうから、このカレーは7500円の価値に相当するのかもしれない。 |
9.シヴォタアベニュー南下 |
東バライ近辺で昼食を食した後、ホテルの前で国道6号線を横切って、トンレサップ湖に向って南進した。
オールドマーケットを過ぎて、街の中心部から外に出たあたりから道が悪くなってくる。
大体はそれなりに舗装しているか、許容できる程度の未舗装路なのだが、整備中のところは子供の頭大の石をゴロゴロと敷き詰めているので、
ネィが5km/hくらいに速度を落としても、体が宙に浮いてしまう。
トゥクトゥクから降りて、ネイと並んで走ってみる。 この方が座っているより楽かもしれない。
再び舗装路になって快調に走っていると、突然のスコール。 道沿いの雑貨屋でネイが雨合羽を仕入れる。
「運転しづらくないの?少しやり過ごすか?」と聞いたら、「大丈夫! アイムハッピー! ヒャッホー♪」とはしゃいでいる。
よし、君は明日も雇ってあげよう。 |
トンレサップ湖が近づいてくると、道沿いに建つ家も、
少し離れた低地に建つ家も高床式になって、
雨季(トンレサップ湖拡大期)の水位に対応している。
素っ裸の子供が走っていたりして、
シュムリアップ中心部よりも貧しいような感がある。 |
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10.トンレサップ湖 |
丘の上に立つプノン・クレロムの上り口を過ぎ、さらにしばらく走るとボート乗り場が見えてくる。
切符売り場もここにあって、「歩き方」の情報と少し異なる。 トンレサップ湖の拡大期と収縮期で変わってくるのだろうか?
ボートはグループごとに割り当てられるらしく、多人数でも個人客でも貸切になる。
そのせいか、15USDではなく20USD取られたが、まったく待たされることも無かった。
が、割り当てられたボートは、ライフジャケットも無くボロッちい。エンジンも不調のようだ。大丈夫かい??
このトレンサップ湖のボートクルーズがどんな感じなのかは、多くのガイドブックに書いてある通りなので説明を割愛する。
とにかく水路を抜けて、沖に点在するボートピープルの家を眺めるという1時間半のお決まりコースのようだ。
ボート乗り場でも「イチジカンハン」と言われた。 ボートピープルは、ベトナム人とカンボジア人の各々がいるらしい。
あっちがベトナミーでこっちがカンボジア人と、船頭のスオが言うが、
「そのベトナム人の国籍は、カンボジアではなくベトナムなの?」という質問は、スオにはうまく伝わらなかった。 |
このスオ、ボロボートの船長ではあるが、腕はナカナカのものだったのかもしれない。
湖に出る水路は水が濁っているのに水深が浅く、何隻かが浅瀬に乗り上げたり、
スクリューを変形させたりしてトラぶっていたが、スオはスイスイと難所を横切っていった。
対向船にしぶきをかけられて怒っている。 |
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一時間半かっきりでクルーズは終了。
乗り場と降り場が200mほど離れており、外に出てもネイが待っていなかったので乗り場に歩いて向う途中でバッタリ会えた。
どうやらネイは、降り場が異なることを知らなかったようだ。
「ではホテルに直行?」とネイが聞いてくるので、「プノン・クロムに駆け上ってきたい。」と言ったら、「もう4時だよぉ」と愚痴。
「20分で戻ってくるから」とネイをなだめて、トレイルランばりに階段と坂道を駆け登る。
丘の上からはトンレサップ湖に続く水路や、ボートピープルの家が意外に岸に近いあたりに密集しているのが良く見えた。
帰り道も駆け下ると、山頂近くで追い抜いたダイエットウォーキングオヤジが負けじとついてくる。
こちらは本気ではなかったので、下り坂では差がつかなかったが、階段で大きく引き離してしまったので、ネイのトゥクトゥクがスタートした後で、
門のところで息を切らしているオヤジを振り返ることになった。 |
11.ホテル生還 |
ホテルには、約束の17時かっきりに到着。 着くなりネイが、「明日は??」と聞いてくる。
よしよし、今日は良く頑張ったので明日も雇ってあげることにしよう。
「朝5時に集合。サンライズアンコールワットを見た後バルーンに乗り、それから西バライに回って休憩。
次に6号線を東進してロリュオスを制覇し、14時にホテルでフィニッシュ。 これで50000R(=12USD)でドウダ?」
と、投げかけたら、価格交渉なしで受けてくる。
『もっと安くても良かったのかな??』
部屋で一息ついてから、昨日目をつけておいたフルーツショップで買い付け。
明日の朝食にと、リンゴを2個とミカンを2個で1USD。
マンゴスチンが1kgで3USD(マレーシアの二倍くらい高いぞ)を、ちょっと値引いて12000R。
夕食後はマンゴスチン祭り♪
日本では、マンゴスチンの一気食いなどという贅沢はちょっと出来ないなぁ♪♪ |