僕が訪れた日の前日が最後の公式戦が行われた日でした。まだその余韻が色濃く残っている球場周辺には、僕以外にも多くの人が訪れていました。
 市民球場には試合のない日は自由に立ち入れるのですが、僕が訪れたときには地元テレビ局の取材が入るということでシャットアウトされてしまいました。もう少し早く来れば良かったのですが、致し方ありません。出来ることならば、来年のみのりんツアーの広島会場の際に、再度訪れたいと思います。
 球場で試合を観戦することはかないませんでしたが、きちんと野球の内容が分かるようになったばかりのころにテレビで観た、この狭い球場での息を飲む投手戦の数々が忘れられません。そごうのマークが大きく書かれた、名前は忘れましたが変な車に乗って登場する津田恒美の印象も強烈です。広島戦というと、後楽園でもドームでもなく市民球場というイメージがあります。
 取り壊されてしまう前に、是非そのグラウンドをこの目に焼き付けたいと思います。

 中に入ることは出来ませんでしたが、球団直営のグッズ売り場には入ることが出来ました。非常に年季が入ったところでしたが、その通路の壁には監督・選手のサインが一面に書かれています。ボードとかじゃなくて壁に直書きってところが、何とも味があります。

 寡聞にして原爆ドームと市民球場が向かい合っているとは知りませんでした。そしていざ訪れてみると意外にこぢんまりしているという印象でした。しかし、間近で見ると得も言われぬ迫力に圧倒されます。都市が生きたまま丸ごと熱線と放射能で焼かれる恐怖はいかばかりか、しばし立ち竦みました。
 平和資料館は、かつては原爆被害の残酷さを強調した展示内容で、眼を覆わんばかりのものだったそうですが、現在は平和への訴えに重きが置かれていて、例えば原爆被害者の火傷の様子などは必要最低限に抑えられていました。高校の修学旅行で長崎の原爆資料館を訪れ、ショッキングな内容に激しくダウンした想い出があるので、かなり身構えて行ったのですが、ある意味拍子抜けしました。しかし、徒に被害者意識を強調するのではなく、愚行を繰り返さないことを訴えるという姿勢は、非常に尊いと思います。

 念願の市民球場に入ることが出来ず、悄然となった僕が訪れたのがこれまたすぐ斜向かいにあるデオデオの本店。こちらの最上階にある単品コンポーネント売り場で、ベテランの店員さんといろいろ話をさせてもらいました。ちょくちょく来られるようだったら、仲良くなっていろいろ教えてもらうのもありだなあ、と思ったりもしましたが、広島じゃなあ・・・。

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