『錯体のはなし』
渡部正利・山崎 昶・河野博之 著
四六判 184頁 定価 (本体1800円+税)
ISBN4-946553-20-7 C0043
《内容》
残念なことに「錯体の化学」は、広い範囲で役立っているわりには、あまり知られていません。
本書では、身近な例を取り上げ、これらをもとに現在から未来へとつながるような錯体の化学の概略を説明するとともに、いろいろな話題を提供し、錯体の全体像がわかるようにまとめてあります。
《主要項目》
第1章 錯体とは
錯体とはどんなものか/身近にある錯体いろいろ
第2章 錯体研究の歴史
配位説以前/ヴェルナーの配位説−炭素の四面体とコバルトの八面体(分子構造の概念)
第3章 錯体の色
光と錯体−光で錯体の形を知る/光学活性−右ネジ型左ネジ型/HSAB理論−似たものが結合する/結晶場の理論−結合の話
第4章 錯体を調べる
配位子とは/錯体の構造
第5章 キレート剤と錯形成の応用
血液凝固をとめるには/溶媒抽出法とは/希土類や超ウラン元素の分離/キレート滴定/治療用の薬剤への錯形成の利用/貴金属を溶液にする/硬水を軟化する/マスキングとデマスキング
第6章 触媒と有機金属錯体
有機遷移金属錯体とは/遷移金属カルボニル錯体のすばらしさ/不思議な窒素錯体/納得する酸化的付加反応/分子状水素錯体/アルキル金属錯体
第7章 医・薬方面における錯体化学
生体内の金属イオン/金属イオンと薬/抗悪性腫瘍薬/造影剤
米田出版
発行