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『ここまできた人工骨・関節
―バイオマテリアルから再生医工学へ―』
立石哲也 編著
立石哲也・大森健一・鈴木 仁・藤沢 章・陳国 平・川添直輝・
牛田多加志・伊藤嘉浩・村上輝夫・兵藤行志・岡崎義光 著
A5判 250頁 定価 (本体3700円+税)
ISBN978-4-946553-52-3 C3053
《内容》
生体材料は人工物であるからヒト細胞のような倫理的な問題はあまり考える必要はないが、
体内での劣化や長期にわたる異物反応がある。一方、再生組織は生物機能的には優れているが、倫理以外に免疫や感染の問題がある。かくして、人工骨・関節と
再生骨・軟骨の研究開発が互いに切磋琢磨して、互いの欠点を補完し合うという新しい生体材料の時代が到来したのである。
本書は人工骨・関節の歴史的発展と最新の技術を取り入れた先進人工関節を概説した第1章と、人工骨・関節の材料加工技術、評価技術、生物・化学的表面加工技術、将来の市場分析、標準化および再生医工学などを含む各論からなる第2章〜第13章とから構成されている。これまで、材料基盤技術で欧米と対等に戦いながら、製品化で一敗地にまみえた苦い経験を総括して、わが国が発展著しいアジアにおける医療機器の研究開発において指導的な立場を獲得できることを期待している。
《主要項目》
序文にかえて―生々流転の人工骨・関節の研究―
人工骨・関節との出会い/更なる展開をめざした共同研究体制の構築
第1章 人工骨・関節概説
人工骨・関節とは/人工骨・関節材料・加工技術の進歩/人工関節の新たな取り組み
第2章 多孔質セラミック人工骨
生体に使用されるセラミック/バイオセラミックの臨床応用/セラミック多孔質体の製造 ほか
第3章 チタン系材料の組織工学的・工業的表面処理
骨組織との力学的組織親和性を与える表面処理/血液との親和性を付与するチタン表面処理
第4章 アルミナセラミックスと表面処理技術
工学的特性/生体組織適合性、生物学的安全性/組織工学的な利用のための表面処理
第5章 人工関節ポリマーコンポーネントの改良
超高分子量ポリエチレン/改良技術
第6章 再生軟骨のための材料技術
軟骨の損傷と修復/足場材料としてのバイオマテリアル/氷を空孔源に用いた高分子多孔質足場材料 ほか
第7章 再生軟骨のための工学的技術
3次元組織構築と酸素・栄養供給/3次元培養担体による細胞分化、組織形成コントロール ほか
第8章 材料の生体機能化
人工臓器材料の生物機能性付与/細胞成長因子の固定化/固定化細胞成長因子の効果 ほか
第9章 人工関節の新潤滑理論
現用型人工関節における水和潤滑/人工軟骨における水和潤滑 ほか
第10章 ナノトキシコロジー雑感―人工関節の摩耗粉毒性について―
人工関節と摩耗粉/摩耗粉毒性の評価/微粉末の毒性と発がん性/臨床問題への言及/討議 ほか
第11章 医用材料の開発動向と国家戦略
アジアにおける医用材料技術開発の動向/医用材料・機器をめぐる状況の変化 ほか
第12章 整形外科インプラントの開発および標準化動向
整形外科インプラントの破損解析/インプラント用金属材料と力学特性/骨接合材料の力学試験方法 ほか
第13章 整形外科デバイスの実験力学イメージング技術
実験力学的評価の必要性/整形外科デバイスの赤外線サーモグラフィ試験(熱弾性応力測定法) ほか
むすび “次世代型人工骨・関節への提言”
米田出版 発行