ヨーコブルース、
 イギリスの旅人

チップの話:その1.ごめんね、カッコいいウェイターさん、の巻。

 ネイティブはもちろん、留学生や転勤でイギリスに住んでいる方々には当たり前のことだが、旅行者にとって、頭が痛いのがチップの問題である。
 たとえば、タクシーに乗ったとする。ガイドブックによれば、チップはだいたい15%となっているから、暗算が不得意な私の場合、ちょっと頭を抱え込む問題である。そろそろ着きそうだなー、となると、気もそぞろ、「料金が○ポンドだから、チップを含めると△ポンド払えばいいわけかー」と、計算を始めるわけだが、降りる直前にメーター上の料金が上がってしまい、わぁあー、とパニックに襲われそうになったことも・・。
 とはいえ、貧乏旅行のこと。滅多にタクシーに乗るということはないので、チップでいちばん頭を悩ます場といえば、レストランである。
 アメリカでは、チップはウェイターさんやウェイトレスさんの収入源になっているから、最低でも15%。少ないと、かなり強引な態度でチップを要求される場合もあるらしい。でも、私の英会話の先生であるジョン・P.によると、イギリスでは10%で十分らしい。計算は簡単だ。
 が、以前、はた、と困ってしまった問題がある。
 「カードで支払った場合、チップはどうやって払えばよいのか?」
 ドーチェスターホテルにアフタヌーンティーに出かけていったときのことだ。同行者であったイトコが、「うちの母親がお茶代、出してくれるって言ってたから」という。伯母は日本でお留守番だったにもかかわらず、なんてやさしいお心遣い。喜んでごちそうになった。が、いざ、会計を・・となったとき、はたと困った。イトコはカードで払いたいと言う。それならチップ分だけテーブルに置いておければ問題はなかったのだが、細かいお金の持ち合わせがない。まさかチップのおつりをもらうわけにもいくまい。はてさて・・。
 なんと私たちは、かの有名なドーチェスターホテルで、満点のサービスを受けてアフタヌーンティーをしたにもかかわらず、チップを置かずにその場を立ち去ってしまった。
 私たちのテーブルを担当したウェイターさんは、チップが置かれていないテーブルを発見したとき、きっとこうつぶやいたにちがいない。
 「ジャパニーズめ!!」
 もしも、日本人のあなたが、ドーチェスターホテルにアフタヌーンティーをしに行って、つっけんどんに扱われたとしたら、それは私たちのせいかも・・。ごめんなさーい。
 というわけで、帰国早々、私は、留学経験のある友に、こういう場合、どうやってチップを払ったらいいのー?、と質問した。
 ウェイターさんが支払い明細をもってきたとき、サインと一緒にチップ分の金額を記載して、合計金額を書き添えればよいのだという。合計金額が区切りのよい数字になればオッケー!
 なーるほど。
 私の英会話の先生、ジョン.Pも、これでいい、と太鼓判を押してくれたから、この方法でまず間違いはないらしい。
 「でも・・」と、彼が言った。
 「僕はいつも不思議に思っていたんだけど、そうやって支払われたチップは、どうやって、彼ら(ウェイトレスさんやウェイターさん)の手に届くんだろうね?」
 本当だ。言われてみれば・・。ってーことは、やはり、チップはキャッシュがベターってーことなんでしょうかね?

アメリカの支払い明細には、右の図ように、しっかりチップの欄がある。
こうなってると迷うこともない。
さすが、チップ制度の発達したアメリカさん、と言うべきか?
でも、チップが与えられたサービスに満足したときに支払うべきものだとしたら、
こんな風にしっかり欄が設けられているってーのは、どうなんでしょうね。
払えー、と催促されているようで、ちょっと気分悪くない?
なーんて、思ったら、なんと、イギリスでもチップの欄があるよ、と前述の友が言った。
イギリスでは、たいてい、tipの代わりに"gratuity"と記載されている。
ってーことは、どーチェスターホテルでの失敗は、
gratuity=チップでであることを知らなかったからの間違いだったのかな?  はてさて。
いずれにしても、お恥ずかしい話してございまする。

(2004.7.3)

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