さん   ね    じ
参拝者が刻んだ石仏郡(右奥がぼけ封じ観音)
参道
三恵寺本堂
飛来山
 三恵寺は約1,200年前の大同元年、平城天皇の勅願によって建立された。開山聖人は奈良東大寺二世実忠和尚という。延暦五年実忠は西下し、長門国白浜(黒井八ヶ浜)に草庵を結び、観世音誦念(しょうねん)した。ある日、海から梅檀(せんだん)の大木が光をはなって流れ寄り、空からは五色の幡が、三つに分かれて落ちた。実忠は梅檀木で元木、中木、末木の三観音を劾んで幡の落ちた山に安置した。幡の竹が落ちた三恵寺に中木の聖観音を祀った。以来、戦乱や盛衰を重ね、中世寿永年間、怡雲(いうん)和尚は川棚温泉を開発し、国見岩、蟹ヶ池、三尊石、座禅石などの和尚にまつわる古蹟がある。奥の院は和尚が入定した即身成仏の遺構を祀っている。木尊千手観音立像は指定文化財、国見岩のモッコク大樹は天然記念物となっている。境内一帯は国見台森林公園の中央に位置し、遊歩道が峯々を結び、ぼけ封じ観音を祀り、森林浴と山歩きで高齢の方の健康づくりをねがっている。