休日の山歩き 22 | 陣馬山 Jinbasan |
[中央沿線] 一ノ尾根から陣馬山(855m)へ 景信山(727m)、小仏峠を経て高尾山(599m)へ縦走 2010年2月13日(土) |
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陣馬山山頂 |
【4か月ぶりに山歩き再開】
谷川岳で痛めた足も快復し、次は登山者の多い安全な山に行こうと思った。1月、冬晴れの休日が続いたが都合がつかない。ようやく行けそうになった2月中旬の土曜日、東京の天気予報は曇り、夕方雨か雪だ。今回は、まだ登ったことのない陣馬山に行くことにした。多方向から登り方があるが、ガイドブックのうち一つが紹介している、中央線藤野駅から一ノ尾根を登るコースを選んだ。そこから高尾山まで縦走すると、駅から駅までのコースタイムは約8時間。いつものように、休憩を含んでコースタイムと同じ時間で歩くことを目標にする。高尾山は10数年前にまだ小学生だった息子と登ったことがある。
【藤野駅から歩き始める】
午前6時前、自宅を出発し、国分寺で中央線に乗る。高尾で乗り継ぐとき細かい雨が降っていたが、藤野で降りるときは細かい雪になっていた。午前7時、藤野駅から歩き出す。ガイドブックでは線路沿いに歩いて踏切を渡るとなっているので、駅前から国道20号線に下りると、人影はまばらだが車の通行は多く、歩道のない危ない道を新宿方向に歩く。しかし踏切がなく、中学校の辺りまで行って引き返した。そこで国道から線路側に入ると踏切があり、駅からまさに線路沿いに道が付いていた。ガイドブックは正確に読み取らなければならないと思った。約15分の遠回りになった。沢井隧道をくぐり、細かい雪の中、川沿いの道を歩く。展望の良い陣馬山にこんな天気の日に登るのは面白くないのではと思えたが、沿道の山の木々が雪で白っぽくなり霞んでいるのを見て、こんな天気の日ならではの風景に出会えるかも知れないと、気を取り直して歩いた。ここは神奈川県、陣馬山山頂で東京都に接することになる。
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藤野駅 | 陣馬山登山口 | 一ノ尾根へ |
【一ノ尾根を登る】
やがて陣馬山登山口という石碑があり、スパッツやザックカバーで雪に備え、一ノ尾根の方へ歩き進む(なお、この場所の案内図では「一ノ尾尾根」となっている)。舗装道路の急坂を登り、人家も途絶え、畑の作業小屋に「陣馬一ノ尾四季便り
http://ichinoo.exblog.jp」の案内が写真とともに掲げられていた。ここから杉木立の尾根道になる。登りは緩やかだ。道や木々が次第に雪で白っぽくなってくる。和田への下部分岐の辺りから、道はすっかり雪で覆われ真っ白になった。木々の細枝には氷と雪が1cmほどもへばりつき、白い繊細な形になっている。道は常に一定の幅が確保され、歩き易い。先行した人の靴跡もあり、その上を雪が覆っている。動物の足跡もある。
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一ノ尾根 | 一ノ尾根 和田への下部分岐 | 一ノ尾根 | 一ノ尾根 |
【陣馬山山頂】
やがて木の階段を上ると、上の方から雪かきをする音がして、その茶屋の脇を通り陣馬山山頂に着いた。山頂は広く、白馬の像が立ち、360度灰色で何も見えない。9時40分、山頂をしばし独り占めした後、先ほどからせっかく店開きしている山頂下の茶屋に立ち寄るべきかと思い、暖かい室内で甘いしるこをいただき、持参のコンビニおにぎり・パンを食べた。そうこうするうち、ほかにも客や見るだけの人が立ち寄るようになり、再び山頂に上がると数組の登山者がいた。こんな天気の日でも結構歩く人はいるものだと思った。山頂の一角にはトイレもあり、冬用トイレが使用可能になっている。
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茶屋の脇を通り陣馬山山頂へ | 陣馬山山頂 | 陣馬山山頂 |
【都県境の尾根を縦走】
さて、陣馬山山頂からは多方向に登山道が発しているが、その中から景信山の方向を選んで10時20分に歩き始める。ここからは東京・神奈川の都県境の尾根歩きだ。杉の植林や雑木林の中を、緩やかな起伏で、幅も十分な歩き易い道が続く。雪の上に双方向の靴跡が多数付いている。出会う登山者も多く、風もないため傘を差して歩く人もいれば、元気なランニングの人もいる。奈良子峠は分岐の道標があるだけだが、次の明王峠には茶屋があり、茶屋の前を通ると景信山への道はスイッチバックのような急角度でついている。底沢峠は少しずれた十字路で道が分岐している。次の堂所山は右を巻いて2回の分岐を過ぎた。次は2度にわたり、左に登り道、右に巻き道と分かれる標識があったが、さして急坂でなかったので2度とも登り道を歩いた。特段のピークもなく、巻かなかったご褒美として雪で白く化粧した木々を楽しんだ。
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明王峠 | 尾根道 | 景信山山頂 右が東京方向 | 景信山 |
【景信山山頂】
やがて道が開け、わずかの登りで景信山に着いた。山頂の建物配置と道の分岐を説明する親切な案内図があり、そのすぐ隣に三角点がある。晴れていれば東京方面が望めると思われる方向も、灰色に包まれている。茶店が開いており談笑の声が聞こえるが、誰でも使えるテーブルが多数あり、屋根付きテーブルで数組の登山者が食事をしているので、私もそこで湯を沸かしカップ麺を食べた。山頂下にトイレもあり冬用トイレが使用可能だ。
【小仏峠、小仏城山】
景信山の出発は12時40分で、コースの最終目的地、高尾山口駅へは4時ごろ到着かと目星を付けた。景信山から道は小仏バス停と小仏峠に分かれるので、間違えず後者を選んだ。歩き始めてすぐ、滑りそうな急な下り坂があり、ここでアイゼンの出番にしたが、その後は特に滑りそうな場所もなかった。
次の小仏峠にも建物配置と分岐の説明図があり、明治天皇の記念碑などがある。城山の方向を取る。
やがて前方に大きなアンテナ群が現れ、小仏城山に着いた。ここでも茶屋が営業中で、多くの人が茶屋の中や前のテーブルで休んでいる。パンを食べた。ここでも案内図で分岐を確かめ、2通りある高尾山への道のうち1つを選んで歩き出す。ここで都県境尾根と別れ、東京都の中に入る。この縦走路は現地の標識が十分整っており、ガイドブックの説明を見るまでもなかった。
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小仏峠 | 城山 | 一丁平 | もみじ台への階段(右) |
【高尾山山頂を経て高尾山口駅へ】
一丁平には展望デッキがあり、園地として整備する工事が行われており、きれいなトイレもある。この先でアイゼンを外した。もみじ台は左に巻き道があるがまっすぐ進み急な階段を登った。ここら辺からは、車も入り込める車道もあるようだ。
高尾山山頂直下の石の階段を登り、山頂に着いた。午後2時半、登山者と観光客の両方がいるが、まばらで、茶店は既に営業を終えていた。大見晴園地とあるが、もちろん何も見えない。10数年前の秋、大勢の人で賑わう時に息子と来たのだが、余り記憶がよみがえらない。自宅に携帯メールを送った。
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高尾山山頂直下の石の階段 | 高尾山山頂 | 薬王院 奥ノ院 | 高尾山口駅 |
下山は、薬王院を通り、大勢の参拝客とともに、階段や石畳の道を下りる。前回は通ってない道だ。ケーブルカー乗り場を過ぎると歩く人は少なくなった。京王線の高尾山口駅に3時50分に着いた。靴の泥落とし用の水道もあり親切だ。1駅の高尾で中央線に乗り換え、国分寺まで帰った。
【行程】 西武線⇒国分寺6:08発(中央線)⇒藤野6:55着 藤野駅7:02→(国道20号で約15分ロス)→沢井隧道→7:43落合・陣馬山登山口8:00→9:02和田下部分岐→9:38陣馬山山頂10:18→10:41奈良子峠→10:51明王峠→11:00底沢峠→11:58景信山12:44→13:06小仏峠→13:27城山13:40→13:55一丁平→14:31高尾山山頂14:49→薬王院→15:50高尾山口駅 高尾山口16:11発(京王線)⇒高尾16:18発(中央線)⇒国分寺16:43着⇒西武線 (歩行時間) 計8時間48分 (高低差) 藤野駅215m→陣馬山855m→高尾山口駅190m=+640m−665m |
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【参考資料】 山と高原地図「高尾・陣馬」(1998年版)、東京都の山(山と渓谷社2008年) |
2010/2/20整理