渡り鳥の山歩き 阿佐山・天狗石山 Asayama, Tenguishiyama
[広島] 阿佐山塊縦走
2005年9月18日(日) 天狗石山(1192m)
2006年9月23日(土) 天狗石山、三ツ石山(1163m)、阿佐山北峰(1210m)、阿佐山南峰(1218m)
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掛頭山(芸北スキー場)から阿佐山を望む
(2008/1/6)
写真は特に記すもの以外は2006/9/23撮影
阿佐山は、広島県西北部の標高1000メートルを超える山地の中では東の端に位置し、主峰の阿佐山南峰から天狗石山まで、馬蹄形に連なる稜線を結ぶと、途中大きな高低差のない長い稜線を歩いて最後に登山口まで戻る一周コースを歩くことができる。
広島に転居して、登るべき優先順位を山の高さで考えていた私は、1300メートル級の3つの山に登ったあと、1200メートル級として阿佐山には初秋の9月に挑戦することとなった。ところが、この時は、稜線上に達してからヤブのため阿佐山南峰への道を見つけることができず、登山口まで戻って反対側の天狗石山にだけ登った。翌年の9月に再挑戦し、今度は逆コースを取り天狗石山から登り、途中2度道に迷いながら一周コースを歩くことができた。2年越しで目的を果たしただけに、印象に残る山になった。

【登山口まで】
広島からは、中国自動車道の戸河内ICまたは加計BS(ETCのみ)で出て国道186号を島根県(浜田)方向に走り、大朝への県道に入って、神社がある所から大暮川に沿った道に入る。この道路は最終民家も過ぎ細くなるがなお舗装され山に向かって伸びており、深山(みやま)新橋という小さな橋のたもとに駐車スペースがあったので、1回目の登山の時はここに駐車して歩き始めた。この道をさらに車で入ると深山大橋という車道と川をまたぐ立派な橋があり、2回目はここまで車で入った。かつてはここまで集落があったそうだが、今はひっそりしており、林道の工事だけが続いているようだ。

【1回目の登山、二十丁峠で引き返し、天狗石山へ】
この深山大橋を登山口とし、1回目の登山の時は、ここから大暮川に沿って上り尾関神社を過ぎ阿佐山橋を渡って、林の中の道を二十丁峠まで登った。ここで左折して稜線上を阿佐山南峰へと目指すのだが、低木が密に茂ってどうしても道を見つけ出すことができない。無理に進むと方向を見失い戻ることもできなくなりそうだった。ここで弁当を食べ誰か来るのを待ったが、誰も来なかったので、登山口まで戻った。
そのまま帰るのはシャクだから、天狗石山に登ることとし、舗装された車道を歩いた。すぐに、左手に山荘らしき建物があり、その手前を左に入る佐々木新道という標識があるが、車道を歩き続ける。この車道は車両通行止めになっており、確かに大きく崩落した箇所があり車は通れそうにないが、歩く分には問題ない。やがて右から稜線上の車道を合わせ、なお舗装道路が続き、無線中継塔と電線がある。指導標に従って天狗石山へ茂みを登ると、山頂からは、北の島根県側と西の広島県側の展望がある。この山頂で会った4人位のグループは、私より早く深山大橋から二十丁峠に登り、やはりヤブで道が分かりにくかったが、声を掛け合いどうにか道を探し当てて歩いてきたとのことだった。単独登山の限界を痛感した。
下山は、佐々木新道を取ることにした。ガイドブックにはあまり踏まれていないとされているが、実際には、真新しい標識で案内されている。途中、緩い傾斜にまばらに木や草が生え踏み跡が分からなくなる場所があった。鞍部を左折し、川を渡る所で、そのまま沢の石伝いに降りてしまい、歩きにくいなと思ったら右上の岸に道があり、あわててよじ登った。佐々木新道の最下部は、まるで車道を造るかのように広く切り開かれている。

【2回目の登山、再び天狗石山へ】
2回目の登山の時は、前回二十丁峠から進めなかったことを踏まえ、逆コースを取ることにした。深山大橋から天狗石山への車道は依然車両通行止めのままだ。今回は佐々木新道を登ることにし、山荘の手前から左へ広く切り開かれた道を歩き始める。前回間違えた川を渡る箇所も確認した。谷筋を登り、鞍部で右折して尾根筋の登りで天狗石山頂上に達する。
山頂からは、北の山間に浜田自動車道が見え、北東に三瓶山が見える。木で組まれた展望台の上からは木の葉に遮られながらも南西方向に広島県のスキー場がいくつか見える。写真だけ撮りあとで同定することにし、先を急ぐ。

佐々木新道の入口 鞍部で山頂に向かって右折 佐々木新道の真新しい標識
天狗石山頂上から南西方向。下に拡大図 天狗石山頂上から北東方向。高速道路が見える。
天狗石山山頂から北東方向に見える三瓶山
(上の写真の横線部分の拡大図)
天狗石山山頂から南西方面を望む。スキー場がいくつも見える。

【北側の稜線歩き】
天狗石山を降り、稜線上の舗装道路を東に進み、無線中継塔が何基かある所を通り、前年登ってきた車道から左に分かれ、今回初めての道となる。ここらで舗装道路と別れ三ツ石山に向かう登山道に入るはずだが、それが分からず、左に笹とススキに覆われたやや幅の広い道を進んだが、結局これは地図上では車道と表記されている道路とわかり、戻った。ようやく、ブロック積みの土地の先に登山道入口があるのを見つけるまで、30分以上の回り道だった。
三ツ石山の頂上は木立の中で、展望はない。稜線の道は広く、広葉樹林に日差しも入って明るく、歩きやすい。左の方に旭テングストンスキー場のリフト降り場が見えたが、それと確認するためには茂みに分け入らなければならなかった。

天狗石山への入口 深山大橋に下りる車道は右を直進 無線中継塔が並ぶ場所
天狗石山を振り返る 阿佐山の双耳峰
笹とススキの旧車道に迷い込む 三ツ石山頂上。展望はない 日差しのある登山道 旭テングストンスキー場

【阿佐山の双耳峰を歩く】
やがて瑞穂ハイランドスキー場になり、レストハウスの裏で登山道からスキー場に出た。阿佐山北峰だ。ゲレンデは広い草地で気持ちがよい。10人ぐらいの登山者が休んでいる。リフト降り場の平らな台に座って昼食をとった。

阿佐山北峰、瑞穂ハイランドスキー場 ゲレンデの向こうに三瓶山 ゲレンデを走る動物
ここから南側に形のよい山が見え、ゲレンデがその山の手前まで伸びて左へと落ちている。この山が次に目指す阿佐山南峰だ。双耳峰のうち北峰から鞍部までがゲレンデになっているのだ。
登山道が分からず、とりあえずゲレンデを下ってみたが、茂みへの入口がない。仕方なくゲレンデの上に引き返すと、先ほどの団体が歩き始めたところで、その引率の人が教えてくれた。ゲレンデを歩きつつ、エイヤと右のヤブに分け入ると、ゲレンデと並行に伸びる登山道があった。あとは一本道ということで、団体の先に行かせてもらった。
ゲレンデの先に見える 阿佐山南峰
下って登った先に、阿佐山南峰の頂上があった。木立の中、深い笹に覆われ、展望が全くない。草に埋まりそうな1等三角点があり、木の幹に「日本分水嶺」の札が付いている。付近の無線中継塔の基部は、バス停のベンチのような形状だ。2年越しでようやくたどり着いたこのコース中の最高峰だが、あまり感慨に浸るのに適した場所でもなく、団体が到着すると狭くて身動きができなくなるので、先を急ぐことにした。
阿佐山南峰頂上 1等三角点


拡大図

「日本分水嶺」とある。
確かに、天狗石山から阿佐山南峰までの稜線は、島根・広島県境だから、日本海と瀬戸内海の分水嶺でもあるのだろう。
引き続き広葉樹と笹の道を行くと、ポッと広く刈り払われた道に出た。昨年行き詰まった二十丁峠だ。 二十丁峠から阿佐山南峰の方向を振り返る。
あとは深山大橋を目指して下った。

山頂の無線中継塔 拡大図
阿佐山橋と、そのたもとにある阿佐山登山口の標識 尾関神社 深山大橋

(行程)
(1回目の登山 2005/9/18日)
10:55深山大橋→11:50二十丁峠12:43→戻る→13:27深山大橋13:30→車道→14:37天狗石山頂上15:10→佐々木新道→16:03深山大橋

(2回目の登山 2006/9/23土)
9:05深山大橋→佐々木新道→10:05天狗石山頂上10:17→10:33深山大橋への車道分岐→10:47誤った道へ進むが戻る→11:30三ツ石山への道→11:42三ツ石山頂上→12:55阿佐山北峰13:30→ゲレンデを下るが戻る→13:50阿佐山南峰への道→14:08阿佐山南峰14:15→14:38二十丁峠14:43→15:30深山大橋
(所要時間) 6時間25分(山頂大休憩35分、道迷い2回計約50分含む)

(参考資料) 中国の山(山と渓谷社2000年8月)

08/10/9, 09/11/21整理

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