奥多摩・神戸川水ノ戸沢


2000.7.23 佐々木(単独)


 今夏は炎天続きで沢が恋しい。気軽に登ることができ真夏向き(らしい)の奥多摩・水ノ戸沢を選んだ。ガイドブックでひいき目に書いてあっても、実際はがっかりさせられることはよくある。水ノ戸沢もそんな沢の一つだった。山へ出ぐせをつけるため、軽い沢歩きをしばらくは続けて体のキレを取り戻したい。

下部ゴルジュ 7月23日(晴れ) 武蔵五日市駅前から藤倉行きバスに乗り、神戸岩入り口で下車。9時52分、照りつける太陽をもろに浴びて歩き出す。桧原ウッディハウス村から神戸林道に入り、20分で林道終点となる。右下の水ノ戸沢に降りると水量は予想したほどではないがまずまず。10時45分遡行開始。

 すぐゴルジュ状となり2m、2m、3m滝と越えていく。臆せず釜に腰まで入り爽快にシャワーを浴びて登る。左折して大きく深い釜をもつ7mナメ滝となり右をへつり、続く二段のナメ滝も右から通過。なかなか気持ちがよい。

 さらに小さいが深い釜をうがつ二つの2m滝と7m滝が連続する(写真)。左側には大岩がのしかかり、手前の右岸ルンゼは滝となって本流に注ぐ。小滝といえども釜は深く少したじろぐが、水中にスタンスを求めて右から登れる。夏以外だと敬遠するかもしれない。

 7m滝は釜に入って取り付き、右から快適に斜上する。あとでわかったのだが、これが大滝らしく(ガイドブックでは10mとか12mとなっていた)いつのまにか登ってしまった感じ。直登には胸までつかるということで、ワクワクしていたのにあっけなかった。遡行開始から30分たらずで核心部は終わってしまった。

 これからは倒木やらクモの巣がうるさく、単調で歩きづらい沢となる。木橋を二つすぎてしばらくで、8m、5mの連続する滝は左から小さく巻く。すると、右岸から数段の大きなナメ滝(遠目には30mくらいに見える)が合流してきた。本流右岸の大岩がひときわ目立つ。傾斜は強まるがゴロタ石に埋まり伏流気味。このへんに二段10m滝があるはずだが埋まってしまったのだろうか。左岸のワサビ畑には導水したのか不自然な5m滝が水量豊かに注いでいた。

 両岸に高い壁を見送り、左岸に段々となったワサビ畑を過ぎると水量も細くなる。沢を間違えたかと思うほどのみすぼらしい沢となった。折り重なった倒木を乗り越えていくと水は消え、急斜面から小尾根をシカ道を拾って湯久保尾根の登山道に出た。13時27分。歩きやすい尾根道を誰にも会わずに宮ヶ谷戸に下った。

 【コースタイム】 (7/23)神戸岩入り口9:52 神戸林道終点(遡行開始)10:27〜45 大岩の二俣12:05 湯久保尾根13:27〜45 宮ヶ谷戸15:20   


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