猫と縁のある山


猫山ルーツ考

猫山の分類

猫山Books

猫沢・猫峠・猫島


全77山(2005.3.28現在) 地域別50音順、印は猫が登場する伝説や民話がある山

山名/標高

 所在地/伝説の有無など

2.5万分の1地形図
北海道地方(2山)

猫 山
ねこやま
(553m)
北海道目梨郡羅臼町。アイヌ語で「nay-kot」とは水の「涸れた沢、川の跡」の意味であるが、山名の由来かどうかは不明

根室峯浜

利尻山
りしりざん
(1,719m)
北海道宗谷支庁利尻郡利尻町と東利尻町との境。この山には春になると猫の顔の雪形が現れ、ニシン漁の目安となったという

鴛 泊
東北地方(12山)

笠通山
かさのかようやま
(869m)
岩手県遠野市と上閉伊郡宮守村との境。「かさのかようやま」と読む。『遠野物語拾遺 113』によると、化け猫の妖怪「キャシャ」がいたという

小 友

久慈平岳
くじひらだけ
(706m)
岩手県九戸郡の種市町、大野村と軽米町との境。手ぬぐいをかぶって踊るようになった猫がこの山に登って、山の主になったという「猫の踊り」の類話の伝説がある。また、西方約5kmには「猫屋敷」という集落がある

階上岳

志津倉岳
しづくらだけ
(1,234m)
福島県河沼郡柳津町と大沼郡三島町・昭和町との境に位置する。1000年の齢を経た妖獣(カシャ猫)が棲み、人を食うという伝説を残す。山頂近くには猫啼き岩の名がついた断崖がある。地形図では1203mピークを志津倉山と記している

博士山

虎毛山
とらげやま
(1,432m)
秋田県雄勝郡皆瀬村と雄勝町との境にある。「猫」の字や伝説があるわけではないが、「虎毛」は「虎毛の猫」「虎猫の毛」にも通じるし、近くに山猫森という山もあるので、なんらかの因果関係があるかもしれない

鬼 首

猫ケ森
ねこがもり

(406m)
岩手県一関市と宮城県栗原郡栗駒町との境。栗駒山の東南東15kmに位置する

沼 倉

猫 岳
ねこだけ
(977m)
山形県最上郡大蔵村。月山の東方12kmに位置する。西を流れる銅山川の下流3kmに、赤砂山に発するネコマタ沢が流入する

葉 山

猫鳴山
ねこなきやま
(827m)
福島県いわき市。西南約4kmに、やさしい沢歩きで有名な江田川の「背戸峨廊」がある。源義家東征の時、軍猫が悲鳴を上げて死んだという由来がある。同県石川郡石川町には、猫が見つけたとされる猫啼温泉があるが、この山と直接関係はない

上浅見川

猫魔ケ岳
ねこまがだけ
(1,404m)
磐梯山の西(福島県耶麻郡磐梯町と北塩原村との境)、猪苗代湖の北にある円錐状火山。北面は猫魔スキー場となっている。南西にある厩岳山・古城ケ峰、北西の雄国山などを含めて総称する場合もある。磐梯朝日国立公園に属する。古来、この山には猫股が棲むといわれ恐れられた。頂上から西の尾根上に「猫石」がある

磐梯山

猫 山
ねこやま
(920m)
岩手県稗貫郡大迫町。宮沢賢治の「どんぐりと山猫」の舞台は、早池峰山の岳川上流から薬師岳と、この山の周辺であろうともいわれている。賢治の詩「山火」にも登場

堅 沢

山猫森
やまねこもり
(
1,034m)
秋田県雄勝郡皆瀬村と宮城県玉造郡鳴子町との境。いかにも宮沢賢治の童話の舞台にでもなりそうな山名。山名は「どう猛な山猫が棲むという山名」と説明される

軍 沢

鳩峰高原
はとみねこうげん
(
500〜800m))
山形県東置賜郡高畠町。夢の中で、首に玉の輝く猫が天から向かいの山に降りたのを見た豪族が、巫女に東の山で狩りをするとよいと占ってもらい、行ったのが鳩峰山。弥彦山の猫多羅天女と関係のある「弥三郎の母」の類話をなす伝説を残す

名 号

名号峰
みょうごうほう
(
1,491m)
宮城県柴田郡川崎町。蔵王連峰・名号峰の峨々温泉コースと紅葉台コースの合流点を「猫鼻」と呼ぶ

蔵王山
関東地方(6山)

臼杵山
うすきねやま
(842m)
「うすきさん」ともいう。東京都あきる野市と西多摩郡檜原村との境。市道山、刈寄山とともに戸倉三山と呼ぶ。頂上(北峰)に養蚕の神である臼杵権現があり、一対のお狗様の石像は猫であるといわれてきたが、現在は否定的な見方が強い

五日市

大 山
おおやま
(1,158m)
栃木県今市市。板谷川上流左岸は県営霧降牧場で、大山からなだらかに下っていくと猫ノ平がある。霧降高原や日光連山の展望が抜群によい

日光北部

黒檜山
くろびさん
(1,828m)
群馬県勢多郡黒保根村・富士見村と利根郡利根村との境。赤城山の外輪山で最高峰。山頂から西に延びる尾根に猫岩がある。大沼湖畔から見ると、幾条ものヒゲのような筋のある、猫の横顔に似た断崖の部分をいう

赤城山

庚申山
こうしんざん
(1,901m)
栃木県上都賀郡足尾町。山頂付近の奇岩怪石は絶景。皇海山に尾根が続いている。滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」に庚申山で化け猫を退治する場面がある

皇海山

城峯山
じょうみねさん
(1,038m)
埼玉県児玉郡神泉村、秩父郡皆野町、吉田町の境。山頂直下にある城峯神社には天保年間に奉納された狛猫が一体ある

鬼 石

戸隠山
とがくしやま
(
?m)
埼玉県比企郡の鳩山村(現鳩山町)須江。この山に猫又の岩屋があったといわれた。古猫がたくさん集まり、笛を吹いたり踊ったりしたという

武蔵小川
越 生
中部地方(28山)

飯士山
いいじさん
(
1,112m)
美しい山容から上田富士とも。新潟県南魚沼郡塩沢町と湯沢町との境。南斜面一帯は岩原スキー場。鈴木牧之の「北越雪譜」によると、峰続きの阿弥陀峰(阿弥陀坊、870m)で大猫の声を聞いたり、足跡を見たりした農夫の話を「泊まり山の大猫」と題して挙げている

越後湯沢

大猫山
おおねこやま
(2,055m)
北アルプス・剱岳北方稜線上の猫又山から西に派生する東芦見尾根上の一峰。ブナクラ岳ともいう。約1キロ東に子猫山というピークもある。富山県魚津市と中新川郡上市町の境

毛勝山

御嶽山
おんたけさん
(3,063m)
木曽御嶽。長野県木曽郡開田村・三岳村・王滝村と岐阜県大野郡高根村・朝日村、益田郡小坂町とにまたがる山。いつの頃からか失せ猫の修業先として語られるようになった

御嶽山

毛勝山
けかちやま
(2,414m)
富山県魚津市と下新川郡宇奈月町の境。片貝川源流の山。釜谷山、猫又山とあわせて毛勝三山とよばれる。この山の付近では地元の人や登山パーティーが襲われた事実がある

毛勝山

権現堂山
ごんげんどうやま
(998m)
新潟県北魚沼郡守門村と広神村との境。下権現堂山(897m)と上権現堂山(998m)をあわせて権現堂山と総称する。権現堂山の猫又伝説では猟師が次々と襲われる。別の伝説では退治された猫又が岩に姿を変えられる。上権現堂山の西南西約2.5kmの地点の猫岩(1008m)がそれである

須 原

重倉山
しげくらやま
(
1,029m)
新潟県上越市と新井市との境。この山で、猫股に3人の男が食い殺されたという古文書があり、猫又退治の伝説としても語り継がれている

重倉山

僧ケ岳
そうがだけ
(
1,855m)
富山県魚津市と下新川郡宇奈月町との境。山名の由来となる北東面の僧の雪形のとなりに大入道と猫が現れ、やがて馬を曳く姿に変わる

宇奈月

高草嶺
たかそうれい
(1,075m)
山ノ神連峰の一角で小谷山ともいう。富山県東礪波郡平村と利賀村の境。山頂近く1000m付近には平村名勝天然記念物の猫池があって、雪の上に残った猫の足跡が池の渕まできて消えたとする伝説がある

下 梨

谷川岳
たにがわだけ
(
1963m)
上越線上牧駅付近から望むと、トマノ耳(薬師岳、1963m)とオキノ耳(谷川富士、1970m)の双耳峰が猫の耳を立てたように見えることから、古来より「耳二つ」と呼ばれていた。群馬県利根郡水上町と新潟県南魚沼郡湯沢町の境

水上

七ツ小屋山
ななつごややま
(
1675m)
谷川連峰の蓬峠と清水峠間に位置する山。山頂より北東、丸ノ沢左俣源頭部に猫池がある。清水峠への登山道から左下(北側)に見える。群馬県利根郡水上町と新潟県南魚沼郡湯沢町の境

茂倉岳

猫 岩
ねこいわ
(1,008m)
新潟県北魚沼郡守門村と広神村との境。上権現堂山(998m)から唐松山(1,079m)に至る尾根上の岩コブ。唐松山の手前約700mの地点。山名の由来となる権現堂の猫岩伝説がある

須 原

猫ケ岳
ねこがだけ
(413m)
能登半島北西部(石川県珠洲市)に位置し、全山安山岩からなり、北麓の海岸線は、奇岩・怪石が連続する。相対する半島の北側に、昔から「猫ノ島」と呼ばれた舳倉島(へくらじま=輪島市)がある

宝立山

猫坂山
ねこさかやま

(130m)
富山県婦負(ねい)郡婦中町の高塚と平等の境界の山。猫坂峠から歩いて数分で頂上。猫坂峠には高塚のヒネ猫と坂下新のヒネ猫が毎夜逢瀬を楽しんだという伝説がある

宮森新

猫ケ洞
ねこがほら
(1,065m)
岐阜県揖斐郡坂内村と滋賀県伊香郡余呉町、高月町の境。揖斐川坂内川水系上流の山

美濃川上

根子岳
ねこだけ
(
2,128m)
猫岳、弥固岳ともいう。長野県須坂市と小県郡真田町との境。西麓は菅平高原。明治期の中頃まで頂上には猫の石像があったという(未確認)

四阿山

猫 岳
ねこだけ
(2,581m)
岐阜県大野郡丹生川村と吉城郡上宝村の境。北ア・乗鞍岳の一峰で、南西側を乗鞍スカイラインが通る。この山から北北西にのびる第一尾根上に無人の避難小屋「猫の小屋」があるが、荒廃している

乗鞍岳

猫又山
ねこまたやま
(2,308m)
北アルプス後立山連峰の白馬岳の西(富山県下新川郡宇奈月町)にあり、黒部川支流猫又谷の源頭をなす。猫又伝説にも登場する「猫の踊り場(おどりば)」という草原帯があるが、道はない。昭文社発行の『山と高原地図35 白馬岳』では北西の2217.5m三角点を「猫の踊り場」としている

黒薙温泉

猫又山
ねこまたやま
(
2,378m)
北アルプス剱岳北方稜線上にあり(富山県魚津市と中新川郡上市町・下新川郡宇奈月町との境)、北の毛勝山・釜谷山とともに毛勝三山と呼ばれる。西の片貝川の源頭をなし、登山路はない。頂上から黒部川側に派生する尾根を通称「猫の馬鹿尾根」という。片貝川猫又谷等で地元の人や登山者が野猫に襲われたという事実が残っている

毛勝山

猫越山
ねっこやま
(1,035m)
猫越岳ともいう。静岡県賀茂郡西伊豆町と田方郡天城湯ケ島町との境。南東の鞍部が猫越峠となる猫越火山の主峰。たくさんの子猫に囲まれた踊る大猫など、猫越の語源になったという伝説がある

土 肥

猫の踊り場
ねこのおどりば
(
2,217m)
白馬岳西方の猫又山(2308m)北西に位置する三角点。昭文社発行の『山と高原地図35 白馬岳』では「猫の踊り場」となっている

黒薙温泉

猫の耳
ねこのみみ
(2,442m=東峰)
北アルプス後立山連峰赤沢岳西尾根三峰の通称で、冠松次郎の紀行文にその名が初めて登場する。双耳峰が猫の耳に似ていることからつけられた。黒部ダムからこの奇峰を望むことができる。周辺はバリエーションルートが多い。富山県上新川郡立山町

黒部湖

猫 山
ねこやま
(約200m)
長野県上田市。塩田平の東にある小高い山。石段を登り詰めると猫山観音堂が建っており、塩田平が一望できる。養蚕が盛んであった頃は、ネズミ除けに霊験あるとして村人の信仰を集めた。現在は猫山公園として一帯が整備されている

別所温泉

鋸 山
のこぎりやま
(765m)
新潟県長岡市と栃尾市との境。1996年、国際雪形研究会会員により「ブレーメンの音楽隊」を命名された雪形が発見された。ロバの上に犬、猫、鶏が乗っているように見えるという

半蔵金

東 山
ひがしやま
(309m)
富山県魚津市。猫又谷の下流にあたる片貝川中流右岸の山。昭和43年12月、この山に炭焼きに行く途中で、茶色の大猫に襲われたが、冬山登山用の棒で格闘して殴り殺した。鑑定してもらった結果、家猫の野生化したものだった

魚 津

聖 山
ひじりやま
(
1,447m)
長野県更級郡大岡村と東筑摩郡麻績(おみ)村との境。昔、この山には「猫股」が棲み、人を食ったり作物を荒らして困らせたので、大姥様はこれを退治して夫の仇を取り、大姥山(1,006m)に居を構えて金時を育てたという山姥伝説が残る

麻 績

富士山
ふじさん
(
3,776m)
山梨県富士吉田市、南都留郡鳴沢村、静岡県御殿場市、富士市、富士宮市、駿東郡小山町の境。言わずとしれた日本一の山。かつて富士権現に仕える老猫(猫又)がいたが、源頼朝の巻狩りで狩り出されて軍兵を喰い殺したため、権現様の怒りを買い追放された。その後棲み着いたのが黒部の猫又山だという

富士山

弥彦山
やひこさん
(638m)
新潟県三島郡寺泊町と西蒲原郡弥彦村との境。越後一ノ宮の「お弥彦様」が鎮座する神山として信仰の対象とされる。山麓の弥彦神社から山頂直下までロープウエーが敷設され、観光地化している。弥彦山には、佐渡ケ島から化け猫が飛来したという伝説があり、大雨を降らせて困らせたので里の人は「猫多羅天女」(みょうたらてんにょ)としてあがめたという

弥 彦

四塚山
よつづかやま
(2,520m)
白山の北西、七倉山の西側(石川県石川郡尾口村)に位置する。山名の四塚は、北麓の尾添集落を荒らし回った3匹の化け猫と猫に変身した娘を、浄定が封じ込めた塚を指す。白山信仰の登拝者が積み上げた四つの塚がある

新岩間温泉
近畿地方(7山)

愛宕山
あたごやま
(
924m)
「猫の鼻と愛宕山とは真夏も冷ゆる」と言われる。猫の鼻と愛宕山は、真夏でもひんやりして冷気を感じとるという意味。東の比叡山と並び称され、真言密教の行場として栄えた。猫の妖怪ではないが、大天狗や怨霊、魔王などでにぎわった山

京都西北部

池木屋山
いけごややま
(
1,396m)
三重県飯南郡飯高町・多気郡宮川村と奈良県吉野郡川上村との境。台高山脈中央部の奥深い山。この山を源頭とする大又川蓮川宮ノ谷に落差15mの猫滝がかかり、谷沿いの登山道から見える

宮川貯水池
七日市

大台ヶ原山
おおだいがはらやま
(1,695m)
奈良県吉野郡川上村、上川上村と三重県多気郡宮川村との境。台高山脈の主峰で、日出ケ岳を中心にいくつかの峰々に囲まれ高原状をなす。この山を根城にしていた五貫(約20キロ)もある大猫が、杣人の干魚や肉を盗ろうとして退治されたという

大台ヶ原山

高野山
こうやさん
(800〜1,100m)
和歌山県伊都郡高野町。楊柳山、魔尼山など1,000m前後の山々と、それらに囲まれた標高約500mの平坦地の総称。紀ノ川と有田川の分水嶺にあたり、山地一帯は弘法大師(空海)が創立した金剛峰寺の霊場である。この山の民話に「猫の御坊」が出てくる「ねずみの嫁取り」がある

高野山

七種山
なぐさやま
(681m)
名草山とも。兵庫県神崎郡福崎町。ほとんど石英粗面岩からなる山。「七種の枕返し」の伝説とともに、山中の小屋に泊まった夜猫の夢を見ると下山しなければ災難があると伝わる

寺 前

ネ コ
ねこ
(614m)
三重県三重郡菰野町。鈴鹿山脈・青岳から東の朝明川右岸に沿って伸びる尾根上のピーク。麓からだと猫の耳のように見える。猫、猫山、猫口とも呼ばれる。三角点標は柿ノ木沢という

御在所山

猫 岳
ねこだけ
(1,058m)
滋賀県神埼郡永源寺町と三重県三重郡菰野町の境。鈴鹿山脈・釈迦ケ岳の南西。頂上付近に「猫岩」がある。この山の南東面を流れる朝明川上流に「猫谷」があり、羽鳥峰峠へのルートとなっている

御在所山
中国地方(5山)

稲葉山
いなばやま
(249m)
鳥取県岩美郡国府町と鳥取市との境。因幡山、伊那波山、宇部野山、宇部山ともいう。家出猫を戻すおまじないに使われる百人一首「立ちわかれいなばの山の峰におふる まつとしきかば今帰りこむ」(中納言行平)の「いなばの山」とされる

稲葉山

冠 山
かんむりやま
(736m)
広島県広島市と山県郡千代田町との境。県内にはいくつか冠山があり可部冠山ともいう。北面の可部峠(650m)は昔の浜田(石州)街道が通じ、「猫の七継ぎ松」の昔話がある

佐々井
可 部

猫 山
ねこやま
(537m)
鳥取県八頭郡郡家町。地元では因幡富士ともいう

因幡郡家

猫 山
ねこやま
(530m)
岡山県阿哲郡哲西(てっせい)町。比婆郡にある徳恩寺の猫が、猫山にいる猫の協力で寺のネズミを退治したという。哲西町には猫神をまつる育霊神社がある

東 城

猫 山
ねこやま
(
1,196m)
中国山地脊梁の一峰(広島県比婆郡東城町と西城町との境)。東城川・西城川上流の谷が周囲を刻み、平坦面のない険しい山容をもつ。猫の寝姿からついた山名ともいわれる。この山には猫に似た石があり、そのためネズミが恐れをなし、暴れなかったという伝説が残っている。坂井谷には「猫塚」がある

道後山
四国地方(9山)

荒倉山
あらくらやま
(
?m)
高知県吾川郡。弘岡村(現春野町弘岡)のこの山で「八尺余の真っ黒な怪物」が大暴れし、退治してみると一丈余もある大猫だったという

伊 野

笹ケ峰
ささがみね
(
1,020m)
愛媛県宇摩郡新宮村と高知県長岡郡大豊町との境。明治15年12月28日付の「絵入り自由新聞」に、虎かと思うばかりの大きさの山猫が出没したとの記事がある

野鹿池山

白姥ヶ岳
しらうばがたけ
(?
m)
高知県長岡郡本山町。この山に猟師がでかけると十五六の娘と出会ったが、隣村に住む姪とそっくりだった。さては化け物と怪しんで山刀で刺したところ、正体を現して七尺余の大猫となり山奥に逃げてしまったという

白髪山
しらがやま
(1,470
m)
高知県長岡郡本山町。江戸時代の国語辞書である和訓栞に「多くの猫がすみ猟人も近寄れなかった」と記されている

本 山

戸祇御前山
とぎごぜんやま
(946m)
愛媛県北宇和郡日吉村と広見町・松野町との境。戸祇山の奥山に何百年も生きて人の言葉を聞き分ける山猫が棲み、里に出て家畜を悔い殺すので鉄砲名人が退治する「丹後の山猫退治」という伝説が残る

下鍵山

猫が岳
ねこがたけ
(
?m)
高知県香美郡。奥西川村(現香我美町)にある険しいこの山に猫王という大猫がすみ、多くの小猫を従えていたという

美良布

猫 山
ねこやま
(
468m)
香川県綾歌郡綾歌町と仲多度郡満濃町の境。満濃町には、寺の住職が多忙で代わりに飼っていた猫が務めに行き、感謝されたという伝説がある。送り出された猫はこの山に行って猫又となった

滝 山

猫 塚
ねこづか
(
200m)
香川県高松市。

高松南部

のんしら山
のんしらやま
(約200
m)
愛媛県西宇和郡三崎町。のんしら山のはちまき岩に有名な猫がいた。兵藤の屋敷に宇和島の殿様がきたとき、この猫は鉄砲の隠し玉で撃たれてしまった。恨まれた猫にたたられ、兵藤家はつぶれてしまったという

二名津
九州地方(8山)

オオヤマ
おおやま
(
約200m)
熊本県天草郡河浦町西高根(天草諸島・下島)。この山のニタ峠という山頂に岩屋があり、ニタ殿(ドン)という猫の化身の仙人がいて、地区の猫の取り締まりをしていたという

宮野河内

市房山
いちふさやま
(
1,722m)
宮崎県児湯郡西米良村・東臼杵郡椎葉村と熊本県球磨郡水上村との境。市房山地にあり九州本島第三位の高峰。4合目の市房神社に相良の猫騒動として知られる「化け猫玉華(たまたれ)」の伝説がある。水上村の生善院も「猫寺」として有名

市房山

城 山
しろやま
(
240m)
福岡県八女郡黒木町。別名・猫山と呼ばれ、山頂部に中世の山城・猫尾城跡がある。県史跡に指定され、城跡一帯は遊歩道や休憩所などが設置されている

黒 木

猫が岩山
ねこがいわやま
(722m)
大分県別府市。山そのものが自衛隊十文字原演習場内にあるため登山の対象にはならない

豊後豊岡

根子岳
ねこだけ
(1,408m)
猫岳ともいう。熊本県阿蘇郡一の宮町と高森町との境。阿蘇五岳の一つ。侵食の進んだ円錐状火山で山頂は鋸歯状に連なる。猫岳には遠い昔、人間を猫に変えて使い猫にしてしまう猫の王者が棲んでいたという伝説があり、ヤカタガウドの地名を残す。猫が修行する「猫岳参り」の山の代表格

根子岳

猫 岳
ねこだけ
(121m)
鹿児島県川内市。島津氏の九州制覇を阻止するための戦いで、豊臣秀吉の水軍が猫岳城を築いた

川 内

猫の丸尾
ねこのまるお
(1,044m)
別名は「猫の丸」。福岡県田川郡添田町と大分県下毛郡山国町の境。英彦山(1199m)の南南西約4kmに位置する

英彦山

宝満山
ほうまんざん
(829m)
福岡県筑紫野市と太宰府市の境。登山ルートである猫谷には猫石があるほか、鍋島の猫騒動を引き起こした怪猫が逃れたのがこの山の楠の岩屋。結局、追っ手と大乱闘の末殺されてしまう

太宰府

参考文献:猫山BOOKS参照 1997- copyright TAMOTSU SASAKI


 
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