弥次:実に嘆かわしい。
喜多:何が。
弥次:オイラの豊田スタジアムデビューが「モーニング娘。」のコンサートだなんて。
喜多:何言ってんだ。
弥次:聖地だぞ!豊スタ初体験は、ピクシーの引退試合かワールドカップか名古屋グランパスエイトの優勝決定戦かと思っていたのに。
喜多:いずれも夢幻の如くなりだな。
弥次:昼の部入場者数30,000人。オイラたちが行った夜の部25,000人。すんごいなあ、モーニング娘。。グランパス戦より入場者多いぞ。
喜多:で、どうだったんだよ。
弥次:大分スタジアムのワールドカップで鍛えられたオイラたちには屁のような観客数だ。豊田駅前にクルマを停めて徒歩20分。楽勝、楽勝。なぜ、このスタジアムでワールドカップが行われなかったんだろう。
喜多:で、モー娘。だが。
弥次:客層は大きく分けて3種類。
喜多:天下三分の計だな。
弥次:まず、オイラたちのような親子連れ。
喜多:なるほど。
弥次:未就学児と小学生の女の子が中心で、中・高校生はあんまりいなかったなあ。そういう娘たちは、浜崎あゆみとか宇多田ヒカルや男性アイドルに行くのかなあ。
喜多:それから。
弥次:オタク系のお兄ちゃんたち。
喜多:いわゆるモーオタだな。デブでレンズに脂が浮いたメガネでよれよれのTシャツ着ているイメージだな。
弥次:随分とオーソドックスな想像だな。今どきいねえよ、そんな奴。まあ、一部いたかな。
喜多:あとは?
弥次:特攻服を着たアイドル親衛隊。
喜多:まだいるのか、そんな奴ら。
弥次:いるねえ、オイラも驚いた。ハッピ着たのやら。特攻服の背中にパウチッこした後藤真希のブロマイドをジャラジャラ付けた奴もいたなあ。
喜多:肝心の内容はどうだったんだい。
弥次:あいつら小娘だけどプロだな。会場を盛り上げるために一生懸命唄って踊ってMCして。大変だわ。
喜多:健気だなあ。
弥次:テレビで見るよりも、踊りや表情は大きくパワフルに演じていたぞ。メインじゃなくてバックで踊っている娘でもな。
喜多:大人数でも、一人ひとりが見られているという意識が高いんだろうな。
弥次:ヒット曲目白押しだし、ミニモニやタンポポなどのユニットも見られるし、カントリー娘やココナッツ娘もいたぞ。
喜多:それだけ見られればトクした気分だな。
弥次:いや、そうでもない。シングル曲以外は知らないし、ココナッツ娘なんてなおさら知らない。それになんと言っても一人6.300円も払ったのに、7時スタート、8時15分終了だぞ。
喜多:1時間15分かよ。
弥次:アンコールやMCやメンバー紹介や他のユニットの歌も合わせて1時間15分。正味1時間はないぞ。
喜多:ぼったくりだな。
弥次:SMAPは3時間もやるぞと妻も怒っていた。さらに、ステージのセットや照明も、クレーンで飛んだり、花道が上昇したりする仕掛けもないから、原価はきっと安いぞ。
喜多:大阪商人のつんくさんらしいな。
弥次:一番、感動したステージ演出は、オープニングで場内が暗転した時、一斉に観客席で振られたサイリウムだな。すっごいキレイだったぞ。
喜多:なんだ、サイリウムって?
弥次:ペンライトみたいなものだ。
喜多:売ってるのか?
弥次:売店で1本300円で売ってた。オイラも1本買っちゃった。
喜多:どこまでもぼったくるねえ。客に金まで払わせてステージの演出にしてんじゃねえか。
弥次:スタジアムだから、音は反響するし、オイラたちの近くにスピーカーもあったから、ワンワン響く大音響。音のでかさでごまかされた気はするが、パワフルなライブだった。
喜多:それにしても、1時間じゃあなあ。
弥次:最近のモー娘。需要を支える幼女層にはそれぐらいの時間がいいんだよ、きっと。2時間もあったら耐えられないよ。
喜多:ピンクレディーの末期を見るようだな。
弥次:でも、売れているものには、それなりのクオリティがあるから売れているということ。さらに、売れ続けるためには、クオリティを高め続けなければならないことを考えさせられたよ。
喜多:ところで、後藤真希の卒業は正解なのか。
弥次:ゴマキはソロも唄ったけど、25,000人を納得させるだけのクオリティは感じなかったな。オイラ的にはなっちの方が可愛いと思うんだけどな。石川梨華は確かに美人だし、加護ちゃんと辻ちゃんは愛らしいし、やぐっちゃんは倒れないか心配だったし、ヨッスィーは美少女台無しなぐらいに太ってたけど…。CDとDVD買おうかな。
喜多:立派なモーオタじゃねえか。
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