桃 大草流仕立て方法

桃大草流仕立て方法』の詳細を地元、山梨県韮崎市大草町から解説します。

大草流とは
大草地区で独自に取り組まれた桃の仕立て方法が近年各方面で評価さてていることから
平成8年度 山梨県果樹共進会において小林捷先生(元山梨県果樹試験場長)が命名してくださいました。

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このページは 「農業技術大系 追録15号」 を作成したときの原稿を基に編集しました。


目  次

〈地域の状況と課題〉

1.地域の状況
2.地域の経営・技術課題と私の課題

〈目標の樹相と技術の特徴〉

1.目標にしている樹相と樹形
2.私の技術の特徴

〈畑の準備と植え付け〉

1.裁植計画
2.土つくり・苗木の準備と植え付け
3.添え竹の誘引

〈新植からの整枝・剪定と樹勢調整〉

1.冬季剪定の考え方
2.1年目
3.2〜3年目
4.4〜5年目
5.6〜7年目
6.成木期
7.縮伐、間伐、樹形改造

〈年間の管理作業〉

1.発芽から結実まで(年間の生育と作業)
2.着色管理
3.施肥の考え方と方法(表 施肥量、施肥時期)
4.防除の考え方と方法(病害虫防除歴)

〈まとめ〉 


〈地域の状況と課題〉

1.地域の状況

 山梨県韮崎市大草町は県の北西部、韮崎市の南部に位置する。近年、当地域で取り組まれている独自の低樹高栽培技術が評価され「大草流」と称されるようになった。耕地は南北に連なる南アルプス甘利山山麓と釜無川(富士川)の間の台地上にあり、標高350〜400mに分布する。地が深く肥沃な土壌である。気象条件は、甲府盆地に見られる典型的な内陸型(盆地)気候で、寒暖の差が激しく降水量は少ない。

 当地域は古くから米、麦、養蚕が経営の主体であったが、繭価の低迷にともない果樹を主体とする複合経営に移行した。モモの栽培は昭和30年代より増え始め、最近では昭和63年からの遊休桑園の団地化(6ha)に成功し、農家の規模拡大が計られ生産量を増やしている。また、当地が戦国武将武田信玄公で有名な武田氏発祥の地であることから、「武田の里・大草の桃」をキャッチフレーズに主に京浜市場で販売されている。

経営の概要
経営の概要
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2.地域の経営・技術課題と私の課題

 モモ栽培では、生育期間が短い中で各管理作業を適期に、速やかに消化しなければならなず、経営規模の拡大や生産者の高齢化等の問題から省力化技術の開発が求められている。省力化というと小型樹密植型になりがちだが、当地では先進地視察や勉強会を重ね、裁植距離を広くすることで低樹高化に成功した。そして高品質、多収、作業性の向上、収穫時の機動力の向上等、いくつかの有利点を得ることができた。

 当地域で主に栽培されている品種は、日川白鳳、加納岩白桃、白鳳、浅間白桃、長沢白鳳、川中島白桃で、生産部会は生産技術及び果実品質を向上させるために年7回の管理講習会を実施し、部会が主体となって共同選果、共同販売を行っている。

 また、殺虫剤の使用においては、平成5年から山梨県果樹試験場が実施したフェロモン剤(コンフューザーP)実用試験の試験地として協力し、平成11年からは全圃場でフェロモン剤を使用している。

 今後消費者の嗜好はより多用になるが、高価なモモを一方的に押しつけるわけにもいかない。安価で推移していく中でも、安全でおいしい果実をより多く生産できるよう、足腰の強い経営を目指している。

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〈目標の樹相と技術の特徴〉

1.目標にしている樹相と樹形

イメージ図
イメージ図
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目標樹形
目標樹形
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 本仕立ては開心自然形をより低くした樹型で、樹高を3.5〜4.0mに抑えるために主枝の分岐点を低くしている。亜主枝は、主幹から一定距離をおいて放射状に誘導し、逆さ円すい形の斜面に配置する(目標樹形図)。このとき主枝、亜主枝の先端には果実の荷重による下垂を防ぐため竹を添え、帆柱からの針金で吊り上げる(イメージ図)。

 側枝は下垂させず、切り戻しを繰り返しながら短く維持し(最長1m程度)、やはり円すい形の斜面に配置する(目標樹形図)。つまり、発生する枝をすべて斜面に誘導するので、上下の関係で重なる側枝が無い。このような姿から、園を訪れた方々が「傘を下向きに開いたようだ。」と表現してくれる。

 樹勢は強く維持し、剪定は極めて強剪定である。中短果枝を中心に着果させるので果形が安定し、結果部位を主枝、亜主枝の近く配置するので養分の流れが円滑になり、着果量を密にしても十分な玉張りを得ることができる。強固な骨格をバランス良く配置し、強い樹勢を維持することで健全な果実が結実すると考えている。

2.私の技術の特徴

(1)少し(5cm)切り残す新梢管理(夏期、秋期剪定)

新梢管理
新梢管理の時期とポイント
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 本仕立てでは新梢管理が最も重要な作業となる。目標樹相を早期に達成するのも、高品質多収も、新梢管理を実施することで得られた結果である。作業は樹冠下に木漏れ日が差す程度を目安に、年3回実施する。(新梢管理図

 1回目は開花後60日ごろ、樹下部に発生する極めて強い枝を対象に実施する。2回目は収穫10〜15日前、3回目は秋期剪定として8月下旬(早生種)から9月中旬(晩生種)にかけて、長さ1m以上の徒長枝を対象に実施する。

 このとき、枝の発生部で切るのではなく、再度展葉させるために5cm程度切り残す。

 なお、骨格枝の先端部は、強い新梢伸長を誘発させるため、弱い新梢管理とする。

 3回の新梢管理から得る効果は次の通りである。

@ 徒長枝の養分が転換、分散され、一方で高品質多収、また一方で骨格枝の充実、樹冠の早期拡大に供給される。

A 樹冠を明るく維持するので樹下部の枝を枯らさない。最下層から多数の充実した結果枝を確保する。

B 結果部位を太らせないので、収穫直前の未熟果落果が抑止できる。また、冬期剪定の切断面も小さく、樹体に与えるダメージが少ない。

C 5cm切り残し、再展葉、再々展葉させることで、徒長枝が次年度の中短果枝に転換され結果枝候補を多く確保できる。

(2)樹皮の日やけ防止

 本仕立ては開帳角度が大きいため、日射と直交する主枝、亜主枝の上面に日やけが発生しやすい。このため日やけを防ぐために幼木期から主枝、亜主枝の直上面に小さい側枝を所々に配置し、養分の流れを誘導する。また、この側枝へ積極的に着果させることにより、日射面に流れる養分量(水量)を増し、日やけ防止効果を高める。

 ここで注意すべき点は、収量を確保する側枝と日やけを防ぐ側枝とでは、おのずと目的が異なるので、後者はできるだけ小さく維持する点にある。新梢管理も注意深く行い、油断すると巨大化して養分を浪費し、樹型を乱す。

 なお、亜主枝、側枝は、母体となる枝との勢力差を付けるために、必ずその母体となる枝の側面斜め下方向から発生した枝で形成する。

(3)草生栽培

 当地では全域で草生栽培が導入されている。主に雑草草生栽培で、年間通じて耕起しない。後述の施肥方法にて説明するが、樹冠下の主幹を中心とした半径3m、巾1mのドーナツ状に中耕するのみである。草刈り作業は、年間6〜7回行い、有機質として還元している。

 草生栽培の有利な点は、@肥沃な土壌の流出を防ぐ。A土中への水分や空気の浸透を高める。B泥はねが無くなるので病気の発生を抑制する。C収穫時に夜温が下がるので、着色が良好になるとともに果実の軟化を防ぐ。D地盤が安定するので作業性が向上し、運搬車両や農業機械も容易に使用できる等の点がある。

(4)疎植栽培のメリット

 疎植栽培では園内が常に明るく保たれ、なおかつ園内の空気が対流するので、樹下部の枝まで品質の高い果実を生産でき、熟期もそろう。

 また、一樹ごと作業性の良い樹に仕立てることはもちろんだが、大型機械についても安全に使用できるので作業中の事故防止につながり、収穫時には運搬車両を自由に移動することが可能となるので、作業の省力化、効率化が図られる。

(5)その他

 上記の特色以外にも、これらの複合的な要因が相乗効果となり、近年の高温、長雨、日照不足等の気象条件下においても果実に影響が少ないことが実証されている。

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〈畑の準備と植え付け〉

1.裁植計画

栽植計画
栽植計画
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 裁植距離は成園で永久樹の間隔を10m以上に計画し、植え付け初期は収量を確保するため間伐を予定に入れた五点植えにて計画密植すると良い(栽植計画 5点植え)。すでに成園を多く保有し規模拡大を図る場合は、養成園として初年度より疎植にすると間伐が遅れて樹型を乱す心配がない。

 成園の10アール当たりの裁植本数は圃場の形状を考慮した上で7〜9本が適当だろう。また、農地の集積がなされた大農園では、車両の通路を確保した上で計画する。

2.土つくり・苗木の準備と植え付け

 植え付け方法は、各地の土質にあった方法が良い。当地では植え付け部分(約1坪)に後述の成木に対する施肥量の半量を施用し、20〜30cm耕起した後植え付ける。台木が地表に出る程度に浅植えする。

3.添え竹の誘引

 植え付け後から主幹(第2主枝)となる新梢を地面に対し35〜40度の角度に誘導する。この時は枝に竹を添え、マイカー線等で引き下げる。(新植図

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〈新植からの整枝・剪定と樹勢調整〉

幼木期
新植図 画像クリック
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幼木期の状況

1.冬季剪定の考え方

 冬季剪定は樹型を整えることに重点を置き、結果枝については、新梢管理を徹底することにより確保した中短果枝を整理、選択する剪定とする。長果枝を残す場合は、母体となる枝の側面斜め下方向から発生した枝か、下垂した側枝の切り戻し部に残す枝のみとする。

 本仕立てでは、7〜8年目まで冬季剪定において主枝、亜主枝先端の切り返しは行わない。切り返しをすると、ここから強い枝が複数発生し方向性も一定しない。また、樹冠を小さくすることにもなる。新梢管理により骨格枝先端の葉芽に徒長枝を誘発させ、早期に樹冠の拡大を図る。

2.1年目

(1)1年目の目標

 目標樹相をイメージして骨格形成を優先する。

 第1主枝、第1亜主枝(第2主枝側)を選定する。

(2)1年目の整枝・剪定

 高さ50cm以内で、なるべく弱い副梢を第1主枝に決め、第2主枝と反対方向へ、地面に対し35〜40度の角度に誘導する。さらに、主枝の分岐点から50cm以上離して、第2主枝の側面斜め下方向から発生した副梢にて第1亜主枝を決める。すべて同年枝でかまわない。

 主枝、亜主枝の先端の切り返しは行わず、枝の先端より50cm〜100cm長めの竹を添え方向を整える。翌夏は骨格枝の先端に新梢伸長を誘発させ、この徒長枝を竹の余長に誘引して樹冠の拡大を図る(新植図)。

 日射面(直上面)に発生した副梢は、5cm(2〜3芽)残して剪定し、日やけ防止に使う。この5cmには翌夏に徒長枝が発生するので、次年度の新梢管理で中短果枝化した後、結果枝に用いる。将来はコンパクトな側枝になる。

3.2〜3年目

(1)2〜3年目の目標

 第1亜主枝、第2亜主枝を選定し、放射状に誘導する。分岐角度は、約60度。

 第1主枝と第2主枝は、互いに勢力に差を持たせるため剪定量を調整し、第1主枝と第2主枝の勢力比を2対8(2年目)、3対7(3年目)とする。

 添え竹と、仮帆柱による吊り上げにより目標樹相に誘導する。

(2)2〜3年目の整枝・剪定

 第2亜主枝を第1亜主枝より50cm以上離して選定する。1年目と同様に、主枝、亜主枝の先端の切り返しは行わず、新梢を誘引する分の余長のある竹を添え方向を整える。第1主枝と第2主枝に勢力差を持たせるために、第1主枝は第2主枝より1年遅れの枝型、枝量とする。

 側枝は母体となる枝の側面斜め下方向から発生した枝を使用し、日やけ防止用の側枝は主枝、亜主枝に近い中果枝を数本残して切り戻す。

 この時期から徐々に着果させるので、主枝、亜主枝が下垂しないよう帆柱を立て、針金で吊り上げる。ただし、主枝、亜主枝の先端には着果させない。この時期の帆柱は、若木用として長さ3.5m前後のものを使用する。

4.4〜5年目

(1)4〜5年目の目標

 帆柱を恒久的な柱に取り換える。

 樹冠の拡大を図る。第3亜主枝(分岐角度は約45度)と第5亜主枝を選定する。

 第1主枝と第2主枝の勢力比を4対6とする。

(2)4〜5年目の整枝・剪定

 帆柱を恒久的な柱(50〜60φ、4.5〜5.0m)に取り換える。帆柱には中段(全長の2/3付近)に吊り穴を設け、帆柱の垂直を保つ針金を張る。この作業により、成育中に樹型の乱れを防ぐ。

 第2亜主枝より1m程度離して第3亜主枝を選定する。また、第1亜主枝の分岐から1〜1.5m離して第5亜主枝に選定する。第5亜主枝を第1亜主枝から選定する理由は主幹近くに側枝を置くスペースと、作業スペースを確保するためである。

 第1主枝と第2主枝に勢力比を4対6とするため、第5亜主枝は第2主枝側へ先に配置し、次年度に第1主枝側へ配置する。

 側枝は、側枝構成域に納め(側枝配置図)、日やけ防止用の側枝は、できるだけ主枝、亜主枝の近くで小さく維持する。

5.6〜7年目

(1)6〜7年目の目標

 目標樹相に向けて樹冠の拡大を図るとともに、主枝、亜主枝の方向性を整え、骨格枝の強化に努める。

 第4亜主枝を選定する。

(2)6〜7年目の整枝・剪定

  第3亜主枝より50cm以上離して、主枝の側面斜め下方向より発生した枝で第4亜主枝を選定する。分岐角度は約45度。
  この時期に主枝の先端に強い枝が誘発しない場合は、先端付近の徒長枝に更新し、樹冠の拡大を図る。

6.成木期

(1)成木期の目標

 骨格枝の強化と樹相の維持に努める。また、側枝群の充実を図る。

(2)成木期の整枝・剪定

  主枝、亜主枝は、先端が下垂しないように添え竹を設置する。
  側枝は短く維持する。下垂した側枝は上向きの中長果枝の発生部で切り戻し、側枝群の構成域の中で順次更新する。側枝の長さは最長1m程度とし、側枝群と隣り合う側枝群が重ならない長さ(新梢が重なる程度)とする。この側枝群間の距離が日射を樹冠下に到達させるとともに、有効な作業スペースになる。

7.縮伐、間伐、樹形改造

  縮伐、間伐は、落葉前に園内の明るさを確認しながら実施する。とくに隣接する永久樹との間隔を十分確保し、永久樹の樹相を乱さないよう配慮する。
  収量確保のため間伐できない場合や、園の隅部を埋める場合は園全体のバランスを見ながら樹形改造する樹を決定し、これについては亜主枝を長くせず、完成形から2本仕立て(一文字)に移行することを目標に縮伐する。

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〈年間の管理作業〉

年間の生育と作業
年間の管理作業 
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1.発芽から結実まで(年間の生育と作業)

  貯蔵養分の浪費を防ぐためと、摘果の労力を軽減するために摘蕾は強めに、丁寧に実施している。花粉の有るもので85〜90%、花粉の無いもので70%落とす。
  受粉作業は、花粉と増量剤を混ぜ合わせ、満開時の前後に動力散粉機にて3回行う。

  摘果、袋かけは、早めに実施することで農薬の投与量が減り(安全性)、果実の肥大が進む。変形果や双胚果の見分けが可能な時点で開始する。
  着果量は標準の150〜200%と多めの着果で、その目安は、@長果枝(30cm以上)3〜4果、A中果枝(10〜30cm)1〜2果、B短果枝群(10cm以下)2〜3枝に1果としている。

2.着色管理

  当地域の有袋品種については、すべて二重袋(中袋撥水)を使用し、着色管理では除袋の時期にもっとも注意を払っている。早すぎると果実が地色(葉緑素の緑)に戻り着色が困難となる。
  本仕立てでは着色が容易なので、表記の日数を目安に管理すると、収穫1〜2日前に良好な着色となる。収穫中は、樹下部を除き反射マルチを全面撤去する。

3.施肥の考え方と方法(表 施肥量、施肥時期)

施肥方法
施肥方法
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  施肥は、元肥を樹一本ごと丁寧に施用し、追肥や葉面散布に頼らない強い樹づくりを心がけている。
  施肥方法は、主幹部を中心とした半径3m、巾1mのドーナツ状に表○○の施肥量の約10分の1の量を1本ごと施用し、この部分を10〜15cm中耕した後敷き藁する(施肥方法)。ドーナツ状以外の耕起は一切しない。
  中耕を丁寧に行うことで、毎年同じ箇所ではあるが新しい根を生むサイクルができ、草生栽培と併用することで、土質(団粒化)の改善が成されているものと考える。

4.防除の考え方と方法(病害虫防除歴)

防除暦
防除暦
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(1)病気

 病気に対する防除体系は、せん孔細菌病を中心に組み立て、開花直前のボルドー液散布と落下後のストレプトマイシン剤の散布を防除の重点にしている。
 そのほかの病気については、5月は黒星病、6月以降は灰星病、腐敗病防除を中心に、同系統の薬剤を連用しないよう注意している。

(2)害虫

 害虫防除については、地域全体でフェロモン防除を実施している(現代農業1999.6 p.134参照)。フェロモン剤(コンフューザーP)の説明については地元普及センターにお聴きいただくとして、実践した感想を述べてみたい。

@ダニの天敵が増え、殺ダニ剤を使わなくなった。
A合成ピレスロイド剤を1度使うだけなので、カイガラムシが減った。
B農薬の混用が楽になった。
Cコストが抑えられた。

 なお、対象外害虫の防除を適期に実施し、対象害虫についても発生を注意深く観察する必要がある。

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〈まとめ〉

 仕立方法には、地域の気象や土壌条件に左右される面が多々ある。本仕立てのように園主の都合で徹底的に矯正を加えたことは、樹にとってはなはだ迷惑な事だったかもしれない。だが、地元の土に聴き、樹に聴き仕立ててみると、園主の意が通じて、樹は新たな可能性を示してくれた。近年各地で導入されている新しい仕立て法も、そんな可能性の一端であろう。

 もし、本仕立て方法の一部に参考となる箇所があれば、旧態依然とした手法にとらわれずに、地域の環境に合った新しい手法を探り、挑んでみては如何であろうか。このような取り組みも、畑に向かう足取りを軽くしてくれる。


   筆  者 : 矢崎 辰也 mailto:y-fruits@yamanashi.email.ne.jp
問い合わせ : 山梨県北巨摩農業改良普及センター TEL 0551-23-3291
          JA梨北営農部               TEL 0551-22-1311
          「 農家の広場 」 アドバイザーの先生方々

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