【付録一】〔狭辞苑〕
相正眼 剣術で彼我ともに正眼。
泡般若 ビールの山門隠語。
安本丹 カサゴの別称。
いちこくはし 両後藤(五斗)家を結んだ一石橋だが、橋にはこう書いてある。
雲天万天 雲泥万里の江戸っ子訛り。月とすっぽん。
男踏歌 男の集団舞踊。
金槌論 とに角打ち続けて押し通そうとする論法。
GARIOA 占領地救済資金。大戦後、疾病・飢餓対策に充てられた。
忌避掴み きひつかみ・五行の出だし音の小著でのあて字。木火土金水。娘総干せ(娘むさぼれ)は百人一首の出だし一音で取れる札。
黒極上上吉 ☆☆☆☆☆の近世的表現。
交睫 瞑目。
剛愎 断然不服従の傾向。
自在天目 気ままな茶碗酒。
主体性・個別性 むかし覗いた実存主義哲学の片鱗がかばんに残っている。
修羅扇 黒地に赤の日輪をかたどる。
候悲歌集 本来は晴朗悲歌集。
獺祭 魚に埋もれるカワウソのように本に埋もれて著作する状況。
駄目詰め 囲碁での終局直前の手続き。
劇剣 無論、劇作法の小著でのあて字。
のたれ刃みだれ刃 刀剣の刃紋。湾刃、乱刃と書く。直刃ではない。
脛金 刀剣の刃を柄に固定する金具。
白色基準 光学機器設計では視界内の最も明るい箇所を白色に擬する。
Holonic
「自由な個」と「全体」が相互調和すると見る「系」尊重の傾向。
蛟
未熟な竜。
諸白 麹も米も共に白い上等の清酒。
rarism
K社英和大辞典にrarity(珍奇)はあるがrarismは見えない。
【付録二】〔かくれんぼ〕
目には青葉やまほととぎす初鰹 山口素堂
あしひきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む 柿本人麿
白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 若山牧水
牡丹花は咲き定まりて静かなり(花の占めたる位置のたしかさ) 木下利玄
雪に傘あはれむやみにあかるくて生きて負ふ苦をわれはうたがふ 小池 光