肖像権一考(2007/11/21)

昔は人物を撮ったスナップがもっと多かったような気がします。
肖像権に対する考え方がいささか一人歩きしているのではないかと思っています。

肖像権はふたつの状況の複合で成り立っていると考えています。
ひとつは有名人とかアイドルのごとくその人物そのものが商品である場合。
利益を生み出すものを勝手に使われては困るわけです。コンサート等での写真や録音はお断り、も同じ。

もうひとつは使う側がそれによって利益を得る場合、これは上記に無関係に承諾が必要。
写真で飯を食っている(=プロ)の場合は、相手がだれであろうと撮った瞬間にそれが価値を持つことになります。
したがって常に相手の了承を得なければだめだと考えています。

飯の種ではないアマチュアには緩いが、プロには厳しい。
利益がからむ場合、これが肖像権だと考えています(権利、利の権ですね)。

極端にはプロが国立公園とか神社仏閣などの写真を撮る、これすらも相手の許可を得なければだめです。
無生物であってもその所有者に肖像権がある、プロは風景ですら自由には撮れないということ。
ただし、相手にそれが宣伝などの対価になるという意識があれば暗黙の内にチャラ(了承)にもなるでしょう。
撮られる側にも、まぁいいか程度であることもあるでしょう。

プロであってもいわゆる個人が楽しむ範囲ならという条件で他者に見せないならよいかもしれないけれど、人に見てもらう楽しみがなくて何の写真かになりそう。
ネットで匿名を用いてプロであることを公示しないなら・・どうなのかなあ(^^;
このあたりが肖像権と称するもののあいまい要素でもあるのだと思っています。

アマチュアなら店の看板娘をばんばん撮ってよい(^^; より美人を配するであろう会社の受付嬢はどうかなあ(^^;
ただし、アマチュアでも広告付HPに載せるのはまずいと思います。
広告を出している側に利益があるかもしれないからです。
いっとき無料HPを使いましたがこの理由でやめました。無料ブログも同じです。


最近ではいじめとか犯罪のきっかけになることを恐れて子供の写真に神経質になる場合もあります。
これらはプライバシー(迷惑)であって肖像権とは異なるもの
他人に見せたくない状況を撮る、撮られた側の判断が優先であり、了承が得られないならだれがどのように使うのであれ不可です。
金銭ではなく意識であるために肖像権よりずっと厳しく難しい

報道の自由? 相手の自由が先です。プロが扱うことになりますから肖像権の問題だけでも不可でしょう。
看板娘の場合もだめといわれたら、アマチュア個人の楽しみであっても不可。

相手の気持を判断しなければならないわけですが、これは常識の範囲での判断で十分だと思います。
しかし、目が合ったら目礼くらいはしないといけませんね・・それで相手の気持もうかがえますし。
だれもが自由に集まる「ハレの場」ならそれ自体が公開了承なのだとみて、有名人であろうとなかろうとOKと考えています。

祭をメインに撮ったものを載せているのはそのあたりの理由です。楽しい時のしぐさや表情は見ても楽しいですし。
悲しみの場などではプライバシーに触れる可能性が高くなるので避けています。
交通事故とか火災なども同様です。求むニュース画像なんてのがありますがこれはいろいろな意味で厳重注意。

撮られた方がだめという暇がなくて、しょーがないかぁの場合もあるかもしれませんが(^^;;; ある程度の撮る側の自由も認めていただきましょう。
繰り返しますが、そのためには撮影側の常識や礼儀が必須です。

それを持たない人がいると、普通の撮影者にまで迷惑が及ぶ、最近は携帯=カメラでもありますし。
ネットだとどこのだれがどう使うかわからない、便利ではあるけれど危険もはらむ、このあたりの判断もむずかしそうです。
ちょいと滑稽風刺まじりとか、マリリンモンローのスカートがふわーっ・・おおっカチャ・・ここまではいいとしてそれをどうするか、やっぱり判断が難しそう。