大学生編 弟1話: 膝という名の枕
♪ 耳かきによる呼吸困難
自分でやっても、取れない耳垢があって困ったので、耳かきを持って姉のところへ行った
「おねーちゃん、耳の中がガサガサするんだけど、自分じゃとれないんで、耳かきしてくれない?」
「えぇ〜? かーくん…」
「なに? (やってくれないなら後で母さんに頼むかな…)」
「ちり紙が持ってこないとダメだよ。」
「…あ、そうか。忘れてた」
――トトトト
「持ってきたよ〜」
「それじゃ、ソファーに寝て、わたしのひざに頭を乗せてね」
――ポフン
「こう?」
「それじゃ、暗くて奥まで見えないよ〜」
――ズリズリ
「こう?」
「うん、そんな感じ。じゃ、始めるよ〜」
――ガサゴソ
「…かーくん、スゴいおっきいよ〜」
「あ〜 そ〜」 (← 気持ちいい)
――ガサゴソ
「キャー♪ きたな〜い」
「あ〜 そ〜」 (← 気持ちいい)
――ピタリ
「…ん? 終わった?」
「…かーくん、これは綿棒持ってきてキレイにしなきゃ!」
姉のやる気に火がついた!
姉は消毒用アルコールに浸した綿棒を装備した!
「ん〜、細かいのを取らないとね〜」
――ヒタヒタ
「あ〜 スースーする〜」 (← 気持ちいい)
「…ハイ、終わったよ。
じゃあ、今度は反対側やるからこっち向いて」
「あ〜 うん〜 …? あれ? おねーちゃんはそっちに座ったまま?」
「そーよ、かーくんが、くるっとこっち向けばいいでしょ?」
「…う〜 わかったよ〜」
弟は、姉のお腹に顔を埋める体勢になった!
「う〜、こっちもキタナイ〜」
――ガサゴソ
「…おねーひゃん、いひはふるひいんらへろ」 (← 息がくるしいんだけど、と言いたい)
「なぁに? 動いちゃアブナイよ!?」
――ガシッ
弟は、姉のお腹に顔を埋めたまま動けなくなった!
『い、息がしにくい…』
――ガサゴソ
――ヒタヒタ
「…はい、終わったよ〜」
「あ、ありがと… (く、苦しかった…)」
「それじゃ座りなおしてね」
「はいはい…」
「それじゃ、仕上げに…」
――フゥ〜
――フゥ〜
「…ねぇ、おねーちゃん」
「なぁに?」
「湿らせた綿棒で掃除した後じゃ、耳に息を吹きかけても小さな耳垢は飛ばないんじゃない?」
――ドジっ娘、発動w
「……こ、こういうことは、形式が大事なのよ?」
「…おねーちゃん」
「な、なによぉ〜」
「耳かき、ありがとうね♪」
「あ、うん…」
「それじゃあ、こんどはお姉ちゃんに耳かきを…」
「かーくんにしてもらうと、くすぐったいから遠慮するよ〜」