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小学生編 弟4話: ナースにおませ


♪ リアルお医者さんごっこ

  風邪をひいて寝込んだ日――


  ――ぬりぬり


「おかーさん、何をぬってるの?」

「これを胸に塗るとね、のどが痛いのがよくなるのよ」


  ――じぃーっ

  …そんなやりとりを覗いている影がひとつ


「…はい、塗り終わったわよ。それじゃ、おとなしく寝てなさいね。」

  ――パタン


「はぁ、つまんないな…」

  ――パタン

「…かーくん」
「あれ? おねーちゃん、近くに来るとカゼがうつっちゃうよ?」

「大丈夫! あたし、かーくんの看護婦さんになりにきたのよ〜」
「そーなの?」

「うん! それじゃ、まずはお熱をはかりましょうね〜」

  ゴチン

「イタタ… おねーちゃん、おデコではかるなら、もっとそっとやってよ…」
「うーん、お熱がありますね〜」 (← 聞いてない)

「…そりゃカゼひいてるし」
「それじゃ、おムネを出してくださいね〜」 (← やっぱり聞いてない)


  ――ペロン

「…おねーちゃん、寒いんだけど」

  ――パンパカパーン
  オモチャの聴診器、とうじょ〜

「はぁい、深呼吸して〜♪」

  ――ペタリ

「…おねーちゃん、冷たいんだけど」

「うーん、カゼのようですね… (← 全然聞いてない)
 お胸にお薬を塗りましょう♪」

  ――ナデナデ

「く、くすぐったいよ、お姉ちゃん〜」

  ――ペチペチ

「も〜 だからって叩かないでよ〜」

  むぅ〜

「い〜い? かーくん。
 看護婦さんの言うことは、おとなしく聞かないとダメなのよ?」


「…分かったよ〜」

「ハイ、それじゃ、お胸はしまって…と
 お布団かけてあげるから、おとなしく寝ているのよ?」

「うん。 …ありがと、おねーちゃん」

「はやく元気になるんだぞっ♪」


  ※ 姉は基本的に優しくて面倒見がいいのですが、時々突拍子もないことをするのが玉にキズですw





♪ サムデイ イン ザ スノウ
  ――大雪の降った次の日、姉弟仲良く一緒におたふく風邪になった

「…学校行けないね」
「…つまんないね」

「おたふく風邪は風邪じゃないから、厚着して外で遊んできてもいいわよ」

  母親の許可が出た!

「かーくん! 外に遊びに行くわよ!」
「え〜 寒いよぉ」

「子供は風の子よ!」
「おたふく風邪だからね」

  ……

「誰がウマいことを言えとw
 いいから、行くわよ!」

「はぁ〜い」 (← 逆らえない)

「で、何するの?」
「そうね… 雪合戦は2人じゃつまんないし…  じゃあ、雪だるまを作りましょ、大きなヤツをね♪」

「うん、分かった〜」


  ――弟、作業中
  ――姉、監督中


「お姉ちゃんも一緒に転がしてよ〜」
「…分かったわよ。一緒に転がしましょ」 (← 寒くなってきただけ)


  ……

「できたー」

『…よしよし、これで雪かきはしないですんだわね』


  ――ニヤリ


   ※ いつもそばに居たため、伝染する病気はたいてい姉弟同時にかかってました。




♪ とっておきのおまじない
  ――外で遊んでいるときに、激しく転んで膝から血が出た

「だ、だいじょぶ? かーくん!」
「…うう、痛いよ…」

「水で洗わなきゃ!」

  ――ジャー

「…しみて痛いよぉ」
「じゃあ、おまじないしてあげる!」

「いたいのいたいのとんでけ〜!
 いたいのいたいのとんでけ〜!
 いたいのいたいのとんでけ〜!
 …どうかな?」

「…うん、痛くなくなってきたけど、まだちょっと痛い」

「うーん、じゃあ、とっておきのおまじないをしてあげるよ!」

「とっておきのおまじない?」

「うん、じゃあいくよ〜」


  ――チュッ
  ――ペロッ


「!!」
「どうかな? ケガしたら、チュウしてなめるといいんだってさ♪」

「うん! ちょっとしみたけど、痛くなくなったよ!
 ありがとう、お姉ちゃん!」

「よかったねっ♪ またケガしないように、気をつけなきゃね」



   ※ 姉の半分は、優しさでできていマスw






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