Night and Day(日記) You're Too Far Away(コンサートなどの感想) 


 


ALL SHOOK UP 



2007年12月08日(土) 17:35〜19:00 19:20〜20:40
2007年12月09日(日) 17:35〜18:55、19:15〜20:35
2007年12月16日(日) 17:35〜18:55 19:15〜20:30
2007年12月20日(木) 18:35〜19:55 20:15〜21:30

於:青山劇場
【感想】

良かったこと

  • 絶妙なキャスティングとプロフェッショナルな出演者のかたがた

    ご本人の持ち味にピッタリの配役  … 原田優一さん、花影さん。
    (公演プログラムを読むと、原田さんは、アメリカ版を観た友人のかたにも「ディーンにぴったり」と言われていたそうだ)

    ご本人の持ち味とは かけ離れた役だけど、演技力で役になりきった、芸達者な役者さん … 岡田浩暉さん、尾藤桃子さん、伊東弘美さん

    演技に ご本人の持ち味が加わって、強力だった … 湖月わたるさん


  • パワフルな歌とダンスの少数精鋭のアンサンブルの皆さん

    特に、オープニング間もなくの「Heartbreak Hotel」が印象的。
    のたうつように腕や身体を動かしながら孤独を歌う。
    サビでは、前方や、天に向かって、バラバラの方向に腕を差し伸べる。
    街の人それぞれが熱いものを心に持って、でも別々の方向を見ている、というのが伝わってきた。

    二幕で、チャドが、「この街の連中は、みんな良いものを持っている」と言うが、それも納得。




気になったこと

  • 音楽の使われかた

    バラードが1フレーズしか歌われないので、音楽に浸りきれずにフラストレーションを感じた。

    ミュージカルの予習として、E.. プレスリーさんのCDを聴いたので、一曲を通して憶えたせいかも知れない。
    サントラ盤で予習すれば、ブツ切りにも慣れることが出来たのかも(アメリカ版のサントラは、チャドが歌っていそうな曲に目星をつけるために、ネット通販のページで試聴しただけ)。

    デニスとシルヴィアのソロは かなり長かったと思うが、それでも2分あるかどうか。

    「C'mon Everybody」のような勢いのある歌は、かなり長く歌われたのだけど(と言っても、「Roustabout」は、もう少し長く聴いていたかったな)



  • 男性の評論家やミュージカルの先輩も大絶讃 … 「THE BOY FROM OZ」との評価の差は何?

    この作品とそこで主役を演じる坂本さんは、色んなブログでも大絶讃されていて、ファンとしても嬉しい。
    でも、個人的に もっと好きな作品「THE BOY FROM OZ」とピーター・アレン役の坂本さんが、これほど受け入れられていなかったので、複雑な気持ちもある。 (女性は坂本さんを褒めてくれたけど、男性で坂本さんを褒めてくれたのは、小田島雄志さんくらいだった)

    自分なりに、この二つに対する評価の違いの理由を考えてみた。

    (1) 作品の違い
    OZは、ストレート・プレイの作家マーティン・シャーマンさんが初めて書いたミュージカルの脚本で、ドラッグ中毒や病気、死から、名声欲やエゴのような心の内面まで、人が向き合うのが辛いリアルなことが満載で、そんなところが「ミュージカルは楽しくあるべきだ」と考えている人に受け入れられなかったのかも知れない。(そんな特異性ゆえに、ハマる人は激しくハマったのだけど)。



    (2) 坂本さん自身の余裕
     「ALL SHOOK UP」での坂本さんは、チャドを演じることを楽しんでいるように感じられました。 あの痩せ方を見ると、実際は いっぱいいっぱいだったのかも知れませんが、舞台で姿を見る限り とてもリラックスしてして、見ているほうも良い気分に なりました。
    「THE BOY FROM OZ」でも、坂本さんは自然な演技だったと思うのですが、まだ、一生懸命な感じがあって、それが観客にも伝わっていたのかも知れません。
    (「THE BOY FROM OZ」のときも、初演の東京楽日前日など、リラックスして観るものに心地好い芝居が出来ている日があったけど、「ALL SHOOK UP」のときのように安定して高レベルだったという訳ではなかったかも知れない)


    もし、理由が(1)だと、「THE BOY FROM OZ」は今後も認められないことになるけど、(2)であれば、もし再々演があれば、今回の「ALL SHOOK UP」に劣らないくらい賞讃される可能性もあるのでしょうね。



【小ネタにツッコみ】

  • 展開の早いコメディなので、ストーリーを憶えることが出来なかったので、代わりに、笑ったポイントをメモ。

    会場でツッコみ入れると、ただの迷惑な客になってしまうので、ここでツッコむ!


  • チャド

     ナタリーがチャドに一目惚れしたのに気づいたデニスが「あたなはいい加減だ」とか何とかチャドを非難するが、非難されても動じずに、逆に嬉しそうになっていく。 
    (デニスの恋心に気づいているのね〜。)


     靴屋さんで、ジムにダンスを教えたあと、ジャンプして空中で足同士を打ち鳴らすジムを、微笑ましく見送り、後でこっそり真似する
    (尾藤さんのジャンプ、高かったですね)

     ジムの想い人を尋ねたとき、「知性と品を兼ね備えた女性だ」「同じく」、「美術館を管理している」「同じく」、「名前はミス・サンドラ」「同じく」
    (「美術館を管理」で気付けよ!)

     「お姉ちゃん、君のスパークプラグがオレのエンジンを ぷるぷる言わせるぜ」
    (それって、口説き文句にしてはC調過ぎやしないかい?カッコ良いビジュアルに対して、チャドの決め台詞は、ダサかったり、ショボかったり。そこが憎めないし、笑えるのだけど)

     「世界中が認めない相手に恋してしまった」と言いながら、遊園地の愛のトンネルに手をつくと、電飾がバチバチと点灯する。
    (悩んでいる最中でも、電飾をつけまくっちゃうところが、マンガチックで笑った。次の街でジュークボックスを鳴らせなかったチャドが、この時点で この不思議な力を失っていないのは、エドと同じ街にいるから?)

    あの「赤い悪魔」の開脚中腰、見ているぶんには楽しいけど、けっこう、太股の筋力を酷使しそうだなぁ。


  • ディーン
     ロレインに「君って、スッゴい、スッゴい、スッゴい、綺麗だと思う」と繰り返してロレインをその気にさせておきながら、「じゃ、さいなら」
    (それだけかい!)

     母親(マチルダ)に「見てよ!もう踊れるんだ」
    (と言って、踊るロレインに振り回されているだけ)










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