PERKEO II

 ペルケオIIはおそらくもっとも小さな6×6判カメラに分類されると思います。ごろごろする一眼レフや二眼レフを使っていると、時々にはこういう薄く折り畳めて携行性の良いカメラで写してみたくなるものです。どれだけ小さいか、このHPに登場する他の6×6カメラたちと比べてみると一目瞭然。しかも折り畳めば私のあまり大きくない手にもすっぽりと収まります。
 現在の技術で昔のカメラを参考に新しいカメラを作ったら、本当に楽しいものができあがるのになぁと思います。どこかの酔狂なメーカーがペルケオみたいなカメラを復活させてくれたら嬉しいのですが…。


とにかく小さい
とにかくその小ささには驚かされます。まさにペルケオ=小人の名前通りです。小さなバッグにも簡単に滑り込ませることが出来ますから、写真を撮りに行くわけでもないけれどカメラは持って行きたい、脅迫的に6×6カメラでないと嫌だけどしかし荷物はできるだけ減らしたい、という得手勝手な時には一番ぴたりとくるカメラではないかと思います。

ピントと露出はきびしい
 距離計はついていません。6×6とは言え80ミリの目測には厳しいものがあります。特に絞りを開けての撮影や近距離の撮影にはかなり厳しいものがあるというのは、6×6のSLRを使った事のある人には想像がつくと思います。もちろんシャッタのチャージも手動です。しかし巻き上げだけは自動巻止めが採用されており、これは便利なものでした。
 このプリミティヴなカメラ、撮影に必要な一連の動作を覚え込んで滑らかに動かせるようになれば、そりゃぁもう格好いいだろうと思います。しかしきちんと写っていればの話です。現実に目測とカンでの露出はかなり歩留まりが悪いです。けれどだからといって距離計を使い露出計を使うのは、せっかくのこのカメラの「小ささ」をスポイルすることになると考えるので、なんだかあなぁと思いますし。やはりペルケオIIはこのまんまで使うべきカメラなんだと僕は思います。あまり大きくプリントしないで、手札程度にしておくのが良いのだろうと思います。キャビネ以上に伸ばすプリントを作る時に、距離計を使えば良いのではないでしょうか?

レンズを生かすには
 レンズはCOLOR-SKOPAR 80mmF3.5が装着されています。ペルケオIIに人気があるのはひとえにこのレンズのおかげでしょう。当然、VASKAR 80mmF4.5付きのI型とは値段の差もあります。僕は比べたことがありませんのでColor-Skopar とVASKAR、どちらの描写が好ましいのかはわかりませんが…、値段は明らかに違います。高級なCOLOR-SKOPARの性能を生かすには(どんなレンズにでも言えることですが、特に目測のペルケオでは)しっかりと距離を掴むこと、同時に距離環が正確に調整されていることが必要です。また手ブレにも注意。シャッタは動作が静かですが、シャッタのリリースはリンケージを介しているので切れ味がよいとは言えません、しっかりフォールディングし、またリリースの感触を良く掴んでおくことが、このレンズの性能を生かすことになるかと思います。

距 離 計
 先に、「伸ばすのなら距離計を」と書きましたが、最近、距離計を手に入れました。ペルケオと同じフォクトレンダー製のもので、すっきりとしたデザインで小さく、また距離目盛りはペルケオの距離環の目盛りと一致しており、非常に使いやすくなっています。距離計は真っ直ぐに覗かないと二重像がずれてしまいますが、それにさえ注意をすれば、全体としては大変使いやすいもので、キャビネ程度に伸ばしたところ、その効果は大きく(自分の目測の甘さを棚に上げて)「ペルケオはなにもつけずに使え」という主張は崩壊しつつあります。スプリングカメラ全盛の頃に使っておられた方の話を聞くと、「密着がほとんど」との事でしたので、この条件なら目測でもなんとかなりますが、やはり引き延ばす場合に、距離計は非常にありがたいものであると思いました。フォクトレンダーの距離計は、デザインもすっきりしており、ライツ製の半分くらいの値段です。

レンズフード
 距離計と同時にフードも購入しました。もはや「何もつけずに使え」などという主張は全く説得力がなくなっていますが。古いレンズにはフードが有効であることは言うまでもありません。上からの直射光はもちろん地面からの照り返しにも効果があるでしょう。嵩張ることはいかんともしがたいですが、ひとつあれば効果は大きいと思います。見つけたらぜひ買っておきましょう。このフードはマークが入ってはいますが、このころにツアイスイコン・フォクトレンダー販売会社というものがあったそうで、それでこの二つのブランドのロゴが入っているようです。以前にはサードパーティのものかと書いていましたが、その想像は間違っていたようです。口径は32mmのかぶせ式です。
フィルター
 フィルターを見つけましたので購入しました。口径は32mmのかぶせ式で、日本のワルツ製です。フォクトレンダー製が3,800円していたのに対して、ワルツだと1,000円でした(いずれにせよ高価すぎますが)。このフィルターでわかった事は、距離を無限に合わせておかないとつけたまま折り畳みは出来ないと言うことです。僅かなフィルターの厚みも折り畳みに支障を来すほど、ぎりぎりの省スペース設計をしてあるようです。くれぐれもご注意を。それから、フィルター1枚かけてそこにフードをつけると、無限遠では四隅がケラれます。こちらもご注意。




作例
"福島二丁目"






"梅田ガーデンシティ"




これより二枚は最近調整した後の画像

"バニーズvsベレーザ"


フィルター+フードで無限遠では四隅がケラれます


"庭"