New Mamiya6

世界で唯一の6×6レンズ交換式レンジファインダーAEカメラがこのNew Mamiya6だそうです。このカメラはマミヤが大沢商会倒産のあおりを食らって連鎖倒産してしてしまい、その後再生した時に出来たカメラだったと記憶しています。このカメラ、出たときには全然眼中にありませんでした。中判は645で十分だと思っていて6×6には全く興味がなかったし、その時は既にマキナ670が手元にあったしで、その二段沈胴メカは面白いとは思ったけれど、そこまでそこまで。
 しかし月日は流れ、俄然6×6に興味・・・と言うよりも、6×6しか眼中に無くなってしまったものですから、当然、このカメラにも食指が伸ることになります。
 ある時、大阪駅前ビルの某柑橘系カメラ店(今は別会社になっているが)でこれのフルセットが出ていました。しかも比較的安い値段で・・・。すぐに決断すれば良かったのに、まぁ、気持ちを落ち着けてから・・・と言うことで他の店を一巡りパトロールし、決心が付いたので戻ってみれば・・・なんと!Newマミヤ6は僕が逡巡していたほんの30分ほどの間に売れてしまっていたのでした。やはり出物だったのだろう。ひどくがっかりしました、今度は見つけたら即買いだ!とずっと思いつつ約一年、またもやその店にフルセットが出ていました、しかし今度は前よりも高い値段です。一瞬躊躇したが、え〜い買わねば後悔するぞ!と自分を奮い立たせ手に入れたのが、この機体です。


短いタイムラグ
 このカメラの最大の美点はその短いシャッターリリースのタイムラグでしょう、ちょいと押せばあっという間にシャッタが切れる。最近のタイムラグの長いカメラで麻痺してしまった自分の指には非常に新鮮でした。とっさの撮影など僕は出来ないけれど、狙い澄ました撮影では絶妙のタイミングでシャッタを楽に切れました。狙いやすいレンジファインダーと相まって、非常にチャンスに強いカメラになっていると思います。
レンズ
 交換レンズは三本用意されています。標準の75/3.5・広角50/4・望遠の150/4です。どれもなかなか的確な焦点距離ですが、実際に使う頻度が高いのは標準と広角で、やはりレンジファインダーで望遠は余り使いません。ファインダー倍率と基線長不足に拠る測距精度の不安と、見づらいフレームのです。それでもこの三本のレンズの性能は素晴らしく、立体感には欠けるもののきしるようにシャープで緻密な描写をしてくれます。特に50oは素晴らしいと思いました。
最大の弱点
 このカメラにはAEが搭載されています。搭載されているもののファインダー測光というその測光方式のまずさか、セッティングの悪さか、露出はどうしてもアンダーへ傾きます。天空の影響を大幅に受けてしまい主要被写体が露出不足というケースが非常に多く出現します。あんまり露出不足になるのでメーカーでチェックしてもらいましたが、異常なしとのことでした。しかし僕にとってはこのセッティングはあまりにひどく、AEは絶望的に使えません。今はいかに騙して露出を合わせるかと言うことに腐心していますが、このカメラはフィールドテストをしたのだろうか?と疑いたくなるほどです。ここまでボロカスに書くのは、同じマミヤで製造されたプラウベル・マキナ670の露出計は、なかなか使いやすく正確な値を返してくるからなのです。そのことがあって、どうにも納得がいかなくて困っています。

作例