妖華−女神館の住人達
 
 
 
 
 
第八十三話:深夜の訪問者−其の弐
 
 
 
 
 
「いい物って何よ、いい物ってー!」
「あんたバカぁ?ボクが知るわけないじゃん」
「…何ですって」
 アスカの表情に危険な物が浮かんだが、レイは気にする事もなく、
「いい?事件があった時、動機が分かったからって、即凶器が判明する訳じゃないでしょうが。それともアスカは超能力者でも目指すの?」
「じゃあ何であんたは分かったのよ」
「ボクは天才だから。正確には世の中バカばっかりだから−ボクを除いて」
「あんたねえ!」
「二人ともお止めなさいな。まったくもう」
 二人をあきれ顔で見ていたすみれが、
「碇さんがどうされようと、わたくし達が口を出すところではなくてよ。それともアスカ、あなた頂いた物に不満でもあるんですの」
 実のところ、シンジがバレンタインでまともな知識を持っていなかった事を知り、すみれを始め他の住人達も、お返しがあるとは思っていなかった。
 それでも、マユミとレイはさくら達とは違い、あくまで義理の範囲だったから、さして気にもしていなかったのだが、アスカ達三人は、シンジの事だから何を返してくるかと期待していた部分はある。
 そしてすみれにおいては…少しだけさくらが羨ましかったのだ。
 裕福な家の生まれではあるが、家系自体に歴史はなく、祖父の忠義が一代で家名を一気に上げたのだ。
 シンジとの差は実家の規模もさることながら、連綿と続く家系にもある。そのシンジと接して、自分が到底及ばぬ財力と、何よりもそれを家の物だとまったく興味がないシンジに、すみれは異人種をと言うより宇宙人でも見たような気がしていた。
 ここの住人は別だが、他はすみれの実家が裕福だから、付き合ってくるような連中ばかりだし、シンジみたいに自分だけで作った交友関係ではない。
 人の第一は、すなわち価値の基本は資産にあると思っていたすみれであり、確かに文明社会で生きる上では、それは間違いではない。
 しかし、シンジが好んで外国に行くと言っても、そのほとんどは人里離れた田舎であり、金だの資産だのが物を言う所ではない。自活力が物を言う場所がかなりの割合を占めており、フユノの力も行かない所が多いとなれば、金だと地位だの名誉だのに、シンジの興味が無くなるのも至極普通の流れであり、その意味では別段すみれがおかしいわけではない。
 とは言え、そう言ったシンジの性格を知り、なおかつその装身具一つでさくらを暴走せしめた事も聞いているすみれは、自分の戦力を考えると金の掛かったこのペンダントより、例えそれが片田舎の店で買ったような物であっても、効果を持ったそれの方が良かったのだ。
 ましてそれが−シンジが着けていた物であれば尚更の事。
 もちろん貰う相手にもよるが女性に光り物は効果大、と言う法則はここでも友好であり、やはり中心部でキラキラしているそれは、すみれの表情を普段と比して幾分緩ませている原因となっていた。
 シンジから貰ったそれが、決して嬉しくない訳ではなかったのである。
「別にそうじゃないけどさ、でもこっそりいい物って言う事は」
 言いかけたアスカに、
「碇さんが言われたんじゃなくて、レイがいつものように勝手に推測してるだけでしょう。それに、アイリスがまた暴走したら、どうなさるおつもり?」
「だから管理人がいるんじゃない。そん時はシンジになんとかしてもらうわよ」
「その何とかされに、碇さんが行かれたんでしょう。どうしても個人のプライバシーの興味があるなら、レイに頼んで盗聴器か盗撮用のカメラでも作ってもらいなさいな」
「ちょっと、何でボクがそんな盗撮とか盗聴とか作らなきゃなんないのさ」
「持ってないんですの?先般、中等部で職員会議の様子が一部始終校内放送で洩れたと聞いてますわよ」
「ボクは知らないよ」
 ぷいっとそっぽを向いてから、
「ボクはクッキーの毒味があるからこれで。じゃね」
 さっさと出て行った。尻尾が掴まれる前に逃げた、と言った方が正解かも知れない。
「余計な事をすると火傷しますわよ−色々と」
 火傷、ある種古風な台詞も、碇シンジに関しては過言ではなく、特にアスカとレイはその意味を身を以て体験している。
「っきしょーシンジのやつ!」
 すみれが出て行った後、これもぷりぷりして出て行ったが、真摯にアイリスの事を心配しているのかと訊かれると、何となくそれは希薄なような気がするのだが、自分では気付いていない。
 そして誰もいなくなった後、騒ぎには加わらなかったマユミが、ようやく立ち上がった。すみれの行動と台詞が、まだ堪えていたのである。
 マユミの場合、シンジを単に好きか嫌いかと言えば嫌いではない。嫌っていれば、シンジの食事になど手をつけはしないだろう。
 ただ、アスカやさくらのようにお気に入りの部類に入りかけているのではなく、マユミがシンジに望むのは管理人であり、無論自分達のバックアップであり、そして勉強もついでにとは思っている。
 そう、つまりそこには娘が彼氏に望むような条件はない。
 そして管理人として、と言う点を考えれば、その言動で住人が出て行くような事は以ての外であり、その点からすればマユミの言葉に間違いはない。
 ここの住人はすべてシンジに任せる、とフユノが思っていたとしても、シンジがここへ来た正式な役職は管理人なのだから。
 だが違った。
 思いも寄らぬすみれの反応であり、その言葉であった。
 シンジの言葉によればすみれのプライドを考えていなかった、と言うことになるのだが、マユミにはどうしても納得できなかった。
 だいたい夜の散歩など、素振りに出るさくらやマユミじゃあるまいし、すみれは一度もした事がない。出かけると言えば、祖父から呼ばれてパーティーだの何だのに出る位である。
 そのすみれが何故急に夜歩きなど、思いつくと言うのだ?
 しばらく厳しい目で宙を見ていたマユミだが、やがてふうと溜息をついた。
「やっぱりすみれさんも−」
 最後の言葉は聞き取ることの出来ない大きさであり、間もなくマユミも出て行き、食堂には静寂が満ちた。
 
 
 さて袋を持ってひょいひょいと出てきたシンジだが、アイリスの部屋へ行った時にはもう、手には何も持っていなかった。すなわち、レイの言葉は外れていた事になる。
 がしかし。
「アイリスいる〜?」
 返事はない。
 ただし、人の気配を僅かながら感じられたから、おそらくは布団の中に埋もれている筈だ。
「入るよ入りますよ入りましたよ〜」
 返事ぐらい待て、そう言ってハリセンで突っ込みたくなる台詞だが、シンジはポケットから針金を出して鍵穴に差し込んだ。あっという間にガチャガチャと音がして、その辺のピンキー泥棒顔負けの腕前だが、
「あ、間違えた」
 どうやら開いていたらしく、もう一度ガチャガチャ言わせてから、針金を引き抜くとそれはきれいな鍵の形に曲がっていた。
 五精使いのスキルには、空き巣へ侵入と言うのも含まれているらしい。
 絶対になりたくない職業である。
「あ、やっぱり」
 すみれの部屋のもすごいが、アイリスのベッドは輪を掛けた代物であった。と言うよりも、アラビアンナイトか旧約聖書辺りに出てくる女王のベッドを、忠実に再現したような物であり、日本の部屋にある物とは到底思えない。
 だが。
 既にシンジは全員の出自を見ており、その中には無論アイリスの物もある。アイリスが両親から幽閉されていた事は既知であり、それはシンジがもっとも忌み嫌う事であった。
 自らがとんでもない力を持ちながら、例えそれが一族では普通だとしても、それ故の差別など一度も知らぬシンジにとっては。
「こんなもんじゃ、バカ親の償いの欠片にもならんな」
 珍しく吐き捨てるような口調のシンジだが、これがいずれちょっとした騒ぎになるのだが、それはまた別の話。
 布団に潜っているアイリスには、無論それは聞こえず、
「アイリス起きてる〜」
 手が触れた途端、
「み、見ちゃダメっ」
「え?」
 部屋を見回したのは、やはり極悪人の面目躍如と言えるだろう。
「ア、アイリス今いやな顔してるもん…だから…だから見ちゃ駄目なの」
 布団を剥がれると思ったようだ。
 しかし、シンジも別にはぎ取る気はないから、
「ところでアイリス、もう脱いだりしない?」
「…え?」
 普通なら忘れたんじゃないよとか、或いは他のフォローもありそうだが、何故か出てきたのはこの台詞であり、アイリスの身体がぴくっと動いた。
 
 
 
 
 
「よろしいですか。最初の二人は創造主が創ったとされています。が、果物に騙されて女が、そして女の尻の匂いに抗しきれなかった男が、揃って園から追放されました。そしてその子供ですが、弟を殺っちゃった兄は妹を妻にした訳で、これが多分最初の近親相姦です」
「じゃ、正当じゃないのよ」
「違います。あの時は他に女がいなかったからやむなくそうしただけで、大体質は落ちるとしても、他にも男はいるでしょう」
「やだやだ、シンちゃんは私の物なんだからっ」
「諦めて下さい」
「やなこった」
 ふん、とそっぽを向いたミサトに、瞳はやれやれと溜息をついた。ただし、二人の目線は異なっており、その訳はミサトの姿勢にある−椅子に縛り付けられているのだ。
 結局ミサトが暴れるもので、仕方なく瞳が拘束したのだが、
「何ならコンクリート詰めでもいいよ」
 と、シンジから命令は出ているのだ。
「でも、女神館の娘さん達もシンジ様が気に入ってるようですが」
「あたしと張り合おうっての?肉親に敵うわけないじゃない」
「だから、普通は肉親が恋敵になったりしませんてば」
「あんたは分からないわけ?」
「は?」
「どーせ、あんたや泪だって、愛に恋人が出来たらイロイロ調査するんでしょうが」
「そ、それはあまり知られたくない事とか…」
「別にその事を言ってるんじゃないのよ。例え世界的なテロリストでも、シンちゃんがいいって言えばいいんだから。でもあんた達、愛を可愛がってるじゃない。絶対相手の器量に問題があるとか難癖付けるわよ。しない自信でもあるの?」
「それはその…」
 瞳−自分は多分大丈夫だ。自分と泪はフユノの護衛が職だし、店は愛が亭主と二人でやっていけばいいのだから。
 但し、泪が問題だ。瞳と違って年の差があるから、愛をそれこそ実の娘みたいに可愛がっているし、愛が彼氏とか連れてきたら…。
「ほら、ね」
 にやあと笑ったミサトだが、
「でも泪姉の場合には、愛を恋人とか思ってる訳じゃありませんから、ミサトさんみたいに邪悪じゃありません」
「あんたねえ、使用人のくせにあたしを邪悪呼ばわり…うっ」
 その前にひらひらとかざされたのは、一枚の羊皮紙であった。
 何故か羊皮紙を雇用契約書にしてサインさせたシンジだが、無論その脳裏にはとある大悪魔が浮かんでいた事は間違いあるまい。
 そこには、
「下記の者、碇シンジ専属の下僕とする」
 と短く、そして危険な一行が記されており、その下には来生三姉妹の名があった。
 つまりミサトにも、そしてフユノにさえも、建前上は従う義務はないのである。
「ここまで弟に固執する姉は初めてです。シンジ様にも言われてる事ですし、少し洗脳しておきましょうか」
 にこりと笑った瞳が、一気に障子を開けた途端、近親相姦道まっしぐらで一歩も引かなかったミサトの顔から血の気が退いた。
 
 
 
 
 
 しばらく室内に沈黙が漂ったが、やがてゆっくりと布団から顔が出た。
「お、おにいちゃん…アイリスの事怒ってるの?」
 もぞもぞと動いていたのは、両目をごしごしこすっていたからと明らかに分かる双瞳であり、まだ少し痕は残っている。
「ううん」
 シンジは軽く首を振った。
「でもアイリスの事だから、アイリスだっておっぱいあるもんとか言って、また脱ぎそうな気がするの」
 母親と娘の会話ならまだしも片方は十八才の青年であり、どう見ても犯罪的と断定できる。
「アイリスもうそんな事は…た、多分しないよ」
「多分?」
「だ、だっておにいちゃんだって胸の大きい方が好きだからまたアイリスよりそっちがいいとか言うと哀しいんだもん」
 一気に言ったアイリスだったが、
「…ナヌ?」
「え?」
「胸の大きいのがいいって誰が言った?」
「ち、ちがうの…お、おにいちゃん痛いよう」
 頭をぐりぐりされているアイリスに、
「女の身体には最初から胸がある、それだけなの。分かった?」
「う、うん」
「まったく」
 とは言えフェンリル、あるいはシビウ、又は麗香にしても胸と腰が見事に反比例した肢体の持ち主であり、そこだけを見れば巨乳好きと言われても無理はあるまい。
 が、シビウも麗香も、ここの住人達はほとんど知らない。
 だとすると、アイリスの台詞はどこから来た物なのだろうか。ただし、シンジがそこまで気付くことはなく、
「多分と言うことは、可能性はゼロじゃないね?」
 妙な事を訊くシンジだが、アイリスは少し考えてからこくんと頷いた。それだけシンジを好きなのか、あるいはその思考が若干変わったものなのか。
 シンジは別に怒った様子もなく、
「服を脱ぎたがるのは個人の性癖だから、それはそれで良しとしよう。でもね、パジャマを脱いで下着があるのと、ちっちゃくても胸があるのとでは犯罪性が違うの」
「そ、そうなの?」
「そうなの」
 頷いて、
「もちろん前者の方が好ましいし、アイリスもそうでなくてはいけないよ」
「う、うん」
 この時点でまだ、アイリスにはシンジの言いたいことがよく分かっていない。脱ぐなと言われるかと思ったら言わないし、別に怒りに来たのでもなさそうだ。
「そこでアイリスにはこれを」
 立ったシンジが部屋を出ていき、すぐに戻ってきた−ワゴンを押して。
「イリス・シャトーブリアン様」
 何故か金文字で書かれたそれは、住人達のそれを全部放り込んでもまだまだ余裕がある大きさであり、 
「こ、これはなあに」
「自分で見なさい」
「うん」
 泣かせた者の台詞ではないような気もするが、素直にアイリスは起きあがった。
 がさがさと箱を開けて覗き込んだアイリスが、
「お、おにいちゃんこれ…これを全部?」
「一日一回着替えて、一年間使い捨てにする量は入って−うぷ」
 最後の方でむせ返ったのは、いきなり抱き付かれて気道が圧迫されたからだ。
「おにいちゃん、大好きっ」
 顔のあちこちにキスの雨が降ってきたが、
(なんて情熱的な)
 内心でおどけてはみたものの、こんな経験は初めてであり、即引き離していいものかも分からない。
 取りあえず最初の大波は待ち、それが引いたと思う頃にそっとアイリスを離し、
「アイリスが嬉しいのは分かったから、取りあえず着てごらん」
「うんっ」
 ところが、その場でがばっと脱ごうとしたから、
「あ、じゃあ俺はこれで−」 
 がしっ。
「おにいちゃんがくれたのに、似合うとか言ってくれないの?」
「じゃ、ほら着替えるまで出てるから」
「おにいちゃんがアイリスの事嫌いになったのかなって、アイリスすっごく哀しかったんだからね!」
「そんな事はないよ。アイリスの事は可愛いって思ってるんだから」
「駄目。アイリスを泣かせた罰にちゃんと見ていて。悪いことをしたら神父様に罰を受けるんだって、小さい頃教わったんだから」
 だがそれを聞いた途端、シンジの目が鋭く光り、そこは危険な色を帯びた。
「教わった、とは誰に?」
 瞬時に雰囲気が変わったシンジに、アイリスは一瞬身を固くしたが、
「お、お屋敷の人だよ」
「両親ではなかったか」
 呟いた声には氷雪の冷たさがあった。
「アイリス、悪いが今日はこれで失礼するよ。来週、アイリスと一緒に寝る時に見せてもらうから、ね」
 アイリスを抱き寄せて、軽く頭を撫でるとそのままシンジは部屋を出た。
 止められぬ、いや止めてはならぬと幼い少女の本能が告げており、アイリスはしばらく立ちつくした。
 やがてその手がのろのろと動き、服を脱ぐと箱の中に入っていた物を取りだした。
 数値と実寸は必ずしも一致はしない−まして、それが下着であれば。
 ぴたりとフィットしたそれを着けて鏡の前に立ったアイリスは、当然の疑問を口にした。
「仲間はずれじゃなくてよかった。でもおにいちゃん、アイリスの身体のこと、どうしてわかったんだろ」
 
 
 
 
 
 部屋へ戻ったシンジは、どさっとその身をベッドの上に投げ出して宙を見上げた。
「親は子供を選べないし、子供もまた然りだ。だが産むことを選択するのが両親である以上、不公平さはより子供の方に負担が大きくなる。子供の力に怯えて幽閉する愚か者など−」
 何か言いかけて止めた。
 だがシンジ自身も気付いていないが、思考に剣呑な物が入るのは、より上がいないからだ。
 すなわちフェンリルが。
 普段なら、フェンリルの方が危険な思考をしており、それをシンジが抑える方に回っている。役割分担の片方がいない事で、シンジの思考にも微妙な影響を及ぼしているらしかった。
 軽く開いた掌に、ぼっと火の玉が出来たところで、扉が静かにノックされた。
「……」
 ちらりとドアの方に視線を向けてから、シンジは身軽に起きあがった。
 訪問者はもう分かっている。
 予想外だったのは、その格好であった。透けてはいないが、黒のネグリジェで来るとは、まさかに思っていなかった。もっとも、来ること自体も想像などしてはいなかったが。
「こんな時間にごめんなさい」
 取りあえず当然の事を口にしたすみれに、
「寝る時はパジャマじゃないの?」
「気分ですわ−何となく」
 だが、神崎すみれの名を持つ娘が、夜に男の部屋へ、それもこんな格好で来ること自体尋常ではない。
 かと言って相談事でもなさそうだしと、
「入って」
 短く言ってシンジは中へと招じ入れた。
「失礼いたします」
 楚々と入ってきたすみれだが、何となく格好とそぐわない。
 が、奥まで入らず、扉を後ろ手で閉めた所で足が止まった。
「どうしたの?」
 僅かに俯いているすみれに、忠義の最期でも思いだしたかと思ったのだが違った。
 俯いていたすみれの顔が、やがてゆっくりと上がった。
 その唇が動いたのを見た時、シンジは夜なのにルージュを引いているのに気付いた。
 そして、来訪の目的を知ったのは、すみれの言葉を聞いてからである。
 すみれはこう言ったのだ。
「ホテルでのこと…わたくし、思い出しましたの」
「全部?」
 反射的に出たのは、自分の意志ではなかった。
「ええ、全部ですわ」
 妖しく頷いたすみれを見て、シンジの深層モニターは本体の思考回路が刹那麻痺したのを感知した。
 
 
 
 
 
(つづく)

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