到着したリニアからホームへと人が次々と降り立ってくる。

九龍駅。新東京九龍市と他の都市とをつなぐ鉄道の玄関口として九龍区に位置する駅である。この駅は市内全ての区へのアクセスも可能であり、空の玄関口、海の玄関口となる空港、港にもつながる駅で、他の都市から訪れるものは必ずこの駅を通ることとなる。

新東京九龍市は九つに区を分かたれた都市である。東京湾に面する九龍区を囲うように右下から時計回りに一龍区から八龍区が存在し、各区は大まかにその役割によって分けられている。

一龍区は海に面した漁港・貨物港を有し、物流を。二龍区は多くの自然を有し、自然公園や市立の教育機関・研究機関を。三龍区はレジャー環境やショッピング・飲食環境が整えられた区。四龍区は住宅区域。五龍区は医療環境を。六龍区は企業の中枢が集まり、七龍区は政治・法を司る機関が設立されている。八龍区がさまざまな廃物などのリサイクル・処理区画として機能している。といった具合である。

環状的に引かれた鉄道とハイウェイが各区の交通をつないでいる。

その九龍市の玄関、九龍駅のホームに一人の少女が降り立った。

明るい茶色のショートの髪を緩やかに揺らしつつ旅行用の大きな荷物を肩から下げてあたりを見回すその表情は感慨深げであり、目も少しばかり潤んでいるように見える。

初めて訪れた町への興味深げでわくわくするようなちょっと不安なようなあの感じと異なるその様子から、おそらく久しぶりの帰郷に胸を震わせているのだろうと近くを通る人々は微笑ましく見守っていた。

そんな少女が一言…………

「はぁ………、お腹すいた…………」

げに、外見からの判断とはあてにならないものである…………

 


【世界重なりて】

外伝  再会の予感


 

「ん〜、やっと落ち着いた〜」

駅から出てすぐに目に入ったファーストフードのお店に駆け込んだ少女、霧島麻奈は心地良さげに伸びをひとつするとまだ残っていた飲み物に口をつけつつ窓の外に目をやった。

店の2階から見渡せる駅の入り口は呼吸するように人を吐き出し、吸い込んでいる。

先ほどまわりにいた人々が考えていたこと〜久しぶりの帰郷うんぬん〜はその表情に関しては間違っていたが、彼女の状況に関しては間違ってはいなかった。確かに麻奈は小学校低学年のころまではこの九龍市に住んでいたのだから、今年で17になる彼女にとっては久しぶりの帰郷であることは間違いない。

「それにしても、まさか出掛けにまであんな修練をやらされるなんて思わなかったわ!まったくこれだから年寄りはいやなのよ。おかげで朝ご飯は食べ損ねるわ、リニアの出発時刻に遅刻しそうになるわ、余計な体力使っちゃったじゃない。」

どうやら朝ご飯を食べ損ねて、かつリニアの出発時刻に遅れそうになって必死に走ったためにお腹の方が保たなかったようである。

「まぁ、これで一応師匠のお墨付きはもらえたんだし、後はおばあちゃんに報告してお仕事の許可をもらって、そうすれば………」

脳裏によぎるのは常に忘れたことのない光景。

「………よし!行こ!」

残ったジュースを飲み干してゴミを片すと、九龍市を巡る環状鉄道に乗るためにまた駅のほうに戻り始めた。

 

 

四龍区の東、三龍区側の住宅区画に道場がある。

霧島流合気道道場。

いつもは道場に通う者達で活気ある声の響くその道場内で、麻奈は祖母と2人、向かい合って座っていた。

小柄ながらぴしっと背筋を伸ばし歳を感じさせない生気を放つ祖母・麗佳に対し、道着姿に着替えた麻奈は脇に2mほどの棒を置き、正座をして対峙していた。

「霧島麻奈、ただいま修練を終え、京都より戻ってまいりました。」

「ふむ。ではその成果、確認させてもらおう。」

と、同時に麻奈の左右、天井付近から飛び降りてきた黒い影が両脇より走り込む!

瞬時に間合いを詰めてくる影に対し、麻奈は慌てることなく後ろに跳びすざると同時に掴んだ棒で左の一人の脛をなぎ払うように振るった。

狙われた一人が慌てて回避しようと上に飛び上がる。

瞬間!麻奈の棒を持つ右手を支点に左手が小さく半円を描き、それに合わせて棒の先端がその動きを上へと変化させて狙った相手の腹中に叩き込まれる!

吹っ飛ぶ相手をチラッと確認した後、すぐに体を左へと跳ばし右からの攻撃を受け流す。

棒の長さから近接戦に向かないことを察してか、もう一人がさらに間合いを詰めようとするのに対し、あっさりと棒を手放すと麻奈は伸ばされた相手の腕を掴み、ひねりを加えながら投げを放った。

床に叩きつけた次の瞬間!麻奈は相手の喉下に右の抜き手を突きつけていた。

動から静への移行。

仕掛けてきた相手は2人とも麻奈と同い年ぐらいの少年達であった。

「それまで。」

麗佳の掛け声で身を起こす麻奈に続いて、襲い掛かった2人も片や鳩尾を押さえながら、もう一人も喉をさすりながら立ち上がった。

「痛って〜。麻奈、お前、俺たちのこと気付いてて本気で叩きつけただろ!」

「あいたた、麻奈、強くなったね。」

文句を言いながら立ち上がった少年たちに対し、麻奈はニコッと笑顔を見せると、

「久しぶり〜。まぁ、武蔵に圭太なら多少怪我しても問題ないでしょ。」

「あるっつ〜の!まったく………」

「かわってないねぇ。」

あきれたように首を振ると、武蔵はさらにそこに座ったままの麗佳に向かって文句を言い始めた。

「だいたい、ばあちゃんだって式神出すって言ってたじゃんかよ。前に俺ら2人がかりでも苦労してたって言ってあっただろ!」

「……………」

そんな武蔵に座ったまま微動だにしない麗佳。

さらに続けようと口を開きかけた武蔵を圭太が止めた。

「あの、武蔵?」

「なんだよ、圭太?」

「ひょっとして気付いてない?」

「あ?何がだよ。」

戸惑った表情で問い掛ける圭太に対して、何がなんだかわからない武蔵。

そんな2人を見ながらパタパタ手を振ると、麻奈はその場に座りながら言った。

「あ〜、駄目駄目。武蔵は鈍いから気付いてないと思うよ、圭太。おばあちゃんもそこにいないで出てきたら?」

その言葉にスッと後ろの戸が開くとそこに座っているはずの麗佳が入ってきた。

「え?え?」

唖然と見比べる武蔵に苦笑しつつ、圭太は武蔵を引っ張って麻奈の横に座った。

「ふぅむ、これかの。私の式神を止めたのは。」

麗佳はもう一人の座っている自分まで歩みよると、何時の間にか胸のところに張り付いていた一枚の短冊、縛と書かれた札を摘み上げた。

次の瞬間、そこに座っていた麗佳が10cm程の紙の人型に変化する。

武蔵が圭太の脇を肘でつつきながら聞いた。

「おい、圭太。お前、あれが式神だって気付いてたか?」

「え、うん。まぁね。でも、麻奈があの縛符をいつ放ったのかはわからないけどね。」

ひそひそとやり取りする2人を尻目に、改めて麗佳が座りなおすと口を開いた。

「最初からあれが式神と気付いておったようだの。どうやらきちっと修練は積んだようじゃな。」

「もちろん!今日の朝まできっちりとやらされたわ。はい、これ。師匠からおばあちゃんにって。」

麻奈は懐から封筒を取り出すと麗佳に手渡した。

麗佳はそれを一瞥すると開くことなく懐にしまう。

「ね、これで私が退魔依頼を受けてもいいわよね、おばあちゃん。」

「………仕方があるまい。約束じゃしの。」

「ちょ、ばあちゃん!」

武蔵が焦ったように身を乗り出した瞬間、それを制するようにさらに麗佳が言葉を続けた。

「ただし。一人で仕事を受けることは許可できん。そこの2人を連れて行くことが条件じゃ。」

「え〜、武蔵と圭太を連れてくの?」

「なんだよ!その不満げな顔は。」

「だって、さっきあんなにあっさりやられてたし。それにおばあちゃんと式神も区別できてなかったしねぇ。」

ジト目の麻奈の言った事が事実なだけに反論できない武蔵。

「麻奈。いちおう武蔵も気に関しては強い方じゃ。圭太には符について教えてある。助けになるはずじゃ。」

「はぁ〜い。」

これ以上無駄なことを言って許可が取り消されたらたまらない。麻奈はその条件を受け入れると、こちらに戻ってきてから一番気になっていたことを口にした。

自分がこの仕事をしようと思った一番のきっかけだったから。

「それでねぇ、おばあちゃん。頼んどいたあの子、見つかった?」

「一本角の鬼の子か?」

「そうそう、銀色の目をしたあの子、ううん、同い年ぐらいだったからもう高校生になるのかなぁ。」

麻奈は今でもはっきり覚えていた。異形の姿のうちにあるあの優しさと悲しげな瞳を。

 

 

キャンキャンキャンキャン

公園の入り口から駆け出て行く犬を見つけたのは、麻奈が飼い犬・ラッツと散歩中のことであった。

いつものように幼稚園から帰ってきた後に、自分と同じぐらい大きなラッツに引きずられながら散歩に繰り出していた途中だった。

公園の中をのぞくと、男の子が一人、そこいらで拾ったのだろう木の枝を手に息を切らせながら立っていた。

麻奈と同い年ぐらいで黒い短髪の男の子。

どうやらこの子が先程の犬に暴力をふるったらしい。と考えた次の瞬間、麻奈はその男の子の前に立っていた。

ぱんっ!

いきなりの平手の一撃。

「なんでそんなひどいことするの!イヌさんだってたたかれたらいたいんだから!」

いきなり頬を叩かれて唖然としている少年だったが、すぐに我に返って右手に持っていた木の枝を離すと、

「………ごめん。」

そう言ってくるりと踵を返し、麻奈が来た方向から反対の方に走り去ってしまった。

「あ、………」

怒鳴りつけた後その少年の腕や足に引っ掻かれた痕があるのに気付いた麻奈だったが、声をかける暇もなく走り去られてしまったのだった。

その後、ラッツの散歩に戻った麻奈は家に帰り着く頃にはその少年のことは忘れ去っていた。

 

次の日。

麻奈が幼稚園に行くと、なにやら一人の女の子が皆に囲まれていた。

「あー、サヨちゃん!そのうで、どうしたの!」

その輪の中心には麻奈の友達・沙代子が腕に包帯を巻いて立っていたのだった。

「あ、マナちゃん、おはよう。」

「おはよ。ね、どうしたの?そのけが。」

麻奈が他の子を掻き分けて沙代子の前に立つ。

「うん、あのね、きのう、こうえんでのらイヌにひっかかれたの。」

「えぇ!だいじょうぶなの?!」

「あのね!男の子がサヨちゃんのことたすけてくれたんだって!木のぼうをもって、えいやって!」

先程その話を聞いていたのだろう。周りにいた子が沙代子の代わりに答える。

「へぇ、すごいね。で、どんな子だったの?サヨちゃんのしってる子?」

「ううん。しらない子。」

「え、でも、名前とかは?」

「………わたし、こわくってにげだしちゃったから………」

助けてもらったのに自分だけ逃げ出したことに罪悪感を感じているのか、そのことを思い出して沙代子は涙目になっていく。

一方、麻奈は何かが自分の頭の中で引っかかっている気がしていた。

「で、でも、どんな子だったのかはおぼえてるんでしょ。」

「グスッ………、うん。私とおないどしぐらいの男の子。」

「みじかいかみの毛の?ちょっと女の子っぽい?」

「うん。うしろからしかみてないけど、そんなかんじ。」

(あの子だ……。)

麻奈の脳裏に浮かんできたのは、昨日自分が頬を叩き、怒鳴りつけた男の子の顔であった。

(それじゃ、あのとき木のぼうをもってイヌをたたいてたのは、いじめてたんじゃなくて、おっぱらってたの………)

「……ぇ、ねぇ、マナちゃんってば!」

「…え、あぁ、なに?」

気が付くと麻奈は沙代子に肩をゆすられていた。考え込んでいて、声をかけられていたのに気が付かなかったらしい。

「マナちゃん、その子のことしってるの?」

「え、………ううん、しらないよ。」

「そっか、たすけてくれてありがとうっていいたいのにな。」

そんな沙代子のつぶやきを聞きながら、麻奈はひどい後悔に襲われていた。

何も知らずに、ただ一方的に犬をいじめていたと決め付けて、麻奈はその男の子ことを有無も言わさずひっぱたいたのである。

(あの子をみつけてあやまらなくちゃ)

それから数日、外を出歩くたびにそこに男の子がいないか探しながら歩き回ったが、結局その子に会うことができなかった。

 

その日、麻奈は母親とともに隣町に買い物に来ていた。

たまたま。本当にたまたま赤信号の横断歩道で信号が青になるのを母親と手をつないで待っていた麻奈が大通りの向こう側に目をやったときであった。

そこに、あの少年がいた。

黒く短い髪を穏やかな風に揺らしながら、金髪の大人の女性と一緒に通りの向うを歩いていくのが目に入ったのである。

せっかく探していた男の子が見つかったのに、どんどん離れていってしまう。

「! 待って!」

焦った麻奈はつないでいた手を離すと、まだ赤信号の横断歩道に飛び出していってしまった。

「あ、麻奈、駄目!」

あたりに麻奈の母親の声が響き、皆の目線が道路に飛び出した子供に集中する。

それなりに交通量の多い大通りである。当然、運転している方も赤信号の横断歩道を子供が飛び出してくるなどと予想していない。

「ま、麻奈!いやぁ〜〜〜!!!」

突然車道に飛び出してきた麻奈に、急停車も間に合わず甲高いブレーキ音をたてながら白いセダンが突っ込んでいく。

キキキキィィィーー、ダ、ガン!

誰もが最悪の想像をし、目線をそらし、目をつむった。

 

思わず飛び出した麻奈の耳に飛び込んでくる母親の静止の声、そして、甲高いブレーキの音。

そして目前に、妙にゆっくりと迫ってくる白い車。

そして………

次の瞬間、麻奈の目前に銀と紫の風が流れた。

 

どんな音も存在しない、時が止まったかのような一瞬。

 

「…おい、あれ……」

ザワザワザワザワ

次第に戻ってくる世界のざわめきの中、車は麻奈の手前で停車していた。いや、させられていた。

麻奈の目の前には、白いセダンを押さえるようにひしゃげたボンネットに手をついた少年がいた。

紫色のよろいのようなものをつけ、銀色の髪の少年が。

「あ…」

いまだ呆然としている麻奈の方に振り返った少年は……………あの自分の探していた少年だった。

容姿は違う。麻奈よりも一回り背が高いし、なにより髪の色も瞳の色も銀色に輝いている。そして、額には一本の角。

それでも麻奈はそれがあの少年と同一人物であることが何故か確信をもって受け入れられたのである。

「見ろよ………、車を止めやがった。」

「角が生えてるぞ。」

「………化けもんだ………」

次第に周囲の声が大きくなっていく。

麻奈のそばに母親が駆け寄ってきていた。

その少年が一歩、麻奈の方に歩み寄り声をかける。

「大丈夫?」

「来ないで!!」

その声に重なるように母親の声が麻奈の耳元で響くと、麻奈の体はぐっと暖かい母親の腕に包まれていた。

見上げる麻奈の目に映る母親の顔は何か恐ろしげなものを見るような顔で………

そして、少年の方に目線を戻したとき、その少年はとても寂しげな、麻奈の方が泣きたくなるようなそんな悲しげな光をその銀の瞳に宿しつつ、それでもなんともなさそうな麻奈の様子に安心したような優しげな表情を浮かべていた。

 

周りで見ていた何人かが走り寄ってくるのと同時に、少年がものすごいスピードで走り去る。

「あ!待て!」

「逃がすな!」

「大丈夫ですか!怪我はないですか!」

麻奈はこの後何があったか良く覚えていない。

慌てて降りてきた車の運転手の問いかけも、周りの喧騒も全てが遠い別の世界のことのようで、麻奈の心にはあの銀の瞳の輝きだけがぐるぐると回りつづけていた。

 

その後、麻奈はいろいろなことを知った。

この世界の成り立ち。

人と同じように生きる、人で無いものたちが存在すること。

闇の中で人に害を為すものと、それを阻止し人と共に歩もうとするものがいること。

祖母の教える合気道の裏に存在する退魔の技。

そして天地陰陽の理を引き出す符の技。

母親も父親もひどく反対したが、結局麻奈はその世界へと足を踏み入れた。

いつかきっと、またあの少年に出会うことができるように。

あの時伝えることの出来なかった、「ごめんなさい」と「ありがとう」を伝えるために。

 

 

 

「最近、それらしき人物がいろいろと動いていることが情報で知らされておる。」

「ほんと!じゃ、まだこの町のどこかにいるのは間違いないんだ。」

「麻奈が退魔の仕事をするのならば、どこかで出会うこともあるじゃろう。」

「うん。ありがと、おばあちゃん。」

「けっ、鬼なんて退魔の対象じゃねえかっ、ぐはっ!」

「それじゃ私はシャワー浴びてくるから、後でいろいろと詳しく教えてね。」

脇で不満げに文句を言う武蔵を一撃の下に黙らせて、麻奈は嬉しげにスキップを踏んで部屋を出て行った。

それに続くように道場を後にする麗佳。

残ったのは屍がひとつ。

「…………武蔵……口は災いの元って覚えておいた方がいいよ………」

圭太の言葉が空しく道場の中を散っていった………

 

 

 

いつもと変わらない朝。

空は青く澄み渡り、心地よい風の駆け抜ける中、新たに交わる世界の予感…………

「なあなあ、真治!ビッグニュースだ!このクラスに転校生が来るんだってよ!」

「しかもおなごだと!くぅ〜わいらはついとる!って、い、いいんちょ“」

「す〜ず〜は〜ら〜。ほら!早く花瓶のお水、変えてきて!」

「へぇ、そうなんだ。」

「し〜ん〜じ〜。何鼻の下伸ばしてんのよ!」

「………平和だねぇ。そうは思わないかい?」

「…………(コクコク)」

 

そして…………

 

 

「今日からこのクラスに加わることになった霧島麻奈です!よろしくお願いします!」

 

 

 


 

jr-sariです。Urielさん、一周年おめでとうございます。

自分のところで書いているものの外伝をお送りするのはいかがものかとは思いましたが、これしか能が無いもので。

「妖華」や「NEON」など、これからもどしどし書いてください。

応援してます。

written by 2000.02.04 Ver.1

感想・誤字の指摘等はこちら  E-Mail : jr-sari@mvb.biglobe.ne.jp


jr-sariさんより頂きました。
とても、ありがとうなのです。
それがあったから助かった、ではなくただそれを異形視して恐れる。
人の狭量さは、どこかの童話にも出てきました。
それは、自らが無力と知る人間の、悲しい限界かもしれません…


(それじゃ、あのとき木のぼうをもってイヌをたたいてたのは、いじめてたんじゃなくて、おっぱらってたの………)

さくら:「ほらね、碇さん」
シンジ:「…何が」
さくら:「私が奥義を振るうのも、あれは暴力じゃなくて碇さんへの愛情表現なんです」
シンジ:「すみれ、風塵一人前よろしく」
すみれ:「ええ、すぐに出来ますわよ」

>まったくこれだから年寄りはいやなのよ。

シンジ:「まったく年寄りってのはどれもこ…もごっ」
マユミ:「御前様の事をそんな風に言ってはいけません」
さくら:「と、何度言ったら分かるんですかっ」
シンジ:「わ、分かったから首はな…きゅう」

>見上げる麻奈の目に映る母親の顔は何か恐ろしげなものを見るような顔で………

アイリス:「アイリスの事もね、悪魔の子だって言う人がいるの。アイリスはね、悪魔なんだって…」
アスカ :「だ、だーいじょうぶだって。そんなことないわよねえ、シンジ?」
シンジ :「そうそう。アイリスはただの小悪魔だから。可愛いもんだよ」
アイリス:「お、おにいちゃん…


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