鍼灸の話:陰陽説
陰陽説は、分類法としての陰陽説と、構造の解釈しとしての陰陽説がある。
分類法としての陰陽説は、対象をいくつかに分類して、分類ごとに個別に処理した方が容易であるということによる。対象の性質を調べてグルーピングしていくよりも、その対象への対処法が異なるということで分類していった方が良い。たとえば食品を加熱調理が必要な食品と生のまま食べることができる食品とに分類するようなことである。
これらは私の都合であり、陰陽説で見れば「彼我」ということで、彼の性質で考えるよりも、我の対処を反省して考えるということである。
分類法としての陰陽説では、最初にAという基準で2分類して次にそれらをBという基準で4分類して、さらにそれらをCという基準で8つに分類するということを行うが、この際に重要なことは、2分類を3回行うわけであるが、この順序である。ABCという順序で行うか、BACという順序で行うか、最初に定めておいて変えてはならない。分類の順序で結果が変わるのか?と思われるかもしれないが、変わる。可換性はない事が多いとしておいた方が安全である。
陰陽説の認識論として重要な事は、概念は常に対立概念のペアとして現れることである。たとえば熱寒という概念は、熱い物と冷たい物ということが表裏一体である。さらに細かく熱い物、温かい物、熱くも冷たくもない物、涼しい物、冷たい物などと分けることも考えられるが、これも陰陽説的な分類概念としては同様である。熱い物と冷たい物というペアで概念が現れた場合、さらに熱い物を熱い物と温かい物に分け、冷たい物を涼しい物と冷たい物に分けたのである。また、熱い冷たいが分かる物事と分からない物事に分けて、分からない物を「熱くも冷たくもない物」として概念を追加している。
このように概念を細かくしていく方向にも陰陽説で行うのであり、また、概念を統合していく際にも陰陽説を用いるのである。
さて、分類法としての陰陽説は、そうしてその分類を何かのために使用するという実用性があった方が良い。分類のための分類は思索としては迷路に迷い込む可能性が高いのでそれを防ぐために用途ということを考えると良い。