ボリュームポット全開状態: 縦軸 0 dB 付近の特性
ボリュームポット絞った状態: 縦軸 -10 dB 付近の特性
結論を先に言うと、エフェクター前ケーブルの特性(静電容量)は音に影響し、
エフェクター後ケーブルの特性(静電容量)は音にほとんど影響しないという結果になりました。
ギター本体は出力インピーダンスが高くケーブルの影響を受けるのに対して、
エフェクター出力インピーダンスは低いので、ケーブルの影響がほぼ無くなります。
よって「エフェクター前ケーブルは音重視で選び」、
「エフェクター後ケーブルは扱いやすく安価なケーブルを使う」という選択もできると思います。
では最初にエフェクター前ケーブルの条件(静電容量)を変えた、周波数特性グラフを見てみましょう。
ケーブルの静電容量(pF) が大きいほど、ピークの周波数(共振周波数)が
低くなり、ピーク値が大きくなる傾向が見られます。
またボリュームポット絞った状態ではトーンが甘くなる傾向があります。
上下のグラフのうち、下側はボリュームポット絞った状態の特性です。
ピーク部分の山が平らになり、これによってトーンが甘くなるのが分かります。
更新 21/Mar/2013
低音域が落ちているのは、エフェクターのカップリングコンデンサの影響です。
関連項目 (E)トランジスタ入力回路タイプのカップリングコンデンサ
[図] エフェクター前ケーブルの条件を変えた場合
次にエフェクター後ケーブルの条件(静電容量)を変えた、周波数特性グラフを見てみましょう。
エフェクター前ケーブル条件は 300pF で固定しています。
エフェクター後ケーブルの条件を変えても、周波数特性にはほとんど影響しないことが分かります。
これはエフェクターの出力インピーダンスが、ギター本体と比較して低いためです。
ギター本体は出力インピーダンスが高くケーブルの影響を受けるのに対して、
エフェクター出力インピーダンスは低いので、ケーブルの影響がほぼ無くなります。
つまりエフェクターを接続することでアンプまでの接続経路インピーダンスを安定させることができます。
ケーブルの静電容量の大きさは長さに比例しますが(長さが2倍になれば、静電容量も2倍)、
エフェクター後であればケーブル長さによる静電容量の影響をほぼ無くせます。
(E)(R)トランジスタ入力回路タイプの歪率(TURBO Over Drive)
で紹介したような、歪率が小さく周波数特性が良いエフェクターを常時接続しておくのも良いでしょう。
また「エフェクター前ケーブルは音重視で選び」、
「エフェクター後ケーブルは扱いやすく安価なケーブルを使う」という選択ができます。
[図] エフェクター後ケーブルの条件を変えた場合(周波数特性にはほとんど影響無し)