このページはめずらしい天文現象、見頃の天体など 夜空を見上げるきっかけとなる情報をお知らせします。 この欄以下の画像(表形式)は回線等の状態により、 |
☆★星空を見上げてみよう・バックナンバー★☆
りゅう座γ流星群(γDraconids Meteor Swarm) りゅう座γ星付近に放射点がある流星群で、毎年10月8〜9日が極大日です。この流星群は普段はほとんど出現することはありませんが、13年ごとに大出現することで有名です。(必ず出現するとはかぎりません)。過去には、1926年、1933年、1946年に大流星雨が見られ、今年、1998年にも出現の可能性があるといわれています。ジャコビニ−ジンナー彗星が母彗星なので、ジャコビニ流星群の別名もあります。
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10月8日夕方、私は、ヨドバシカメラ八王子店でフィルムを買いこみ、期待に胸膨らませながら、一路、富士山を目指した。もちろん、美しい富士山を前景に乱舞するりゅう流星群を写真に収める腹積もりなのだ。輻射点はこの日、北西から北の空の低空にあり、流星と富士山をうまく構図に収めるには、富士山の西臼ヶ塚か、水ヶ塚、あるいは、太郎坊が適当だろう。
午後7時頃河口湖に到着、それまで快晴だった空だが、急に雲量が増えているような気がする。山中湖を抜けて御殿場へ向かう途中、不安は現実となり、全天を雲が覆いはじめた。御殿場側から雲が湧き出しているようにも見える。それでも、富士山と流星という構図にこだわりを捨てられなかった私は、自衛隊駐屯地近くのローソンで夜食を買いこみ、、水ヶ塚駐車場を目指した。
太郎坊昇り口を過ぎた頃から、急に雨が振り出した。それも、大粒の雨だ。富士山の天候は変わりやすい。念のため、そして確認の意味もこめて、まず西臼ヶ塚に向かうことにした。しかし、一向に雨のやむ気配はない。西臼ヶ塚も同じような状況だ。しかたなくUターンした私は、これが低い雲であることを願いつつ、わずかに標高の高い、太郎坊に向かうことにした。というのも富士山では、下界が雨でも、新五合まで昇ると快晴で、雲海の上に広がるすばらしい星空を楽しめることが多々あるのだ。
太郎坊に到着して雨は収まったが一向に、雲がとれる気配はない。機材の調整や、整理をしつつ0時頃までは、ここ太郎坊で様子をみることにした。極大時刻は、予想では明朝午前6時、早くて午前3時だ。
午後9時頃だろうか、夜食を採っているとき、雲が急に取れはじめ、ぽっかりと、りゅう座の方向にだけ星空が見え始めた。と同時に輻射点近くから地平線の方向に-1等級ほどの流星が見られた。つづけて、暗い流星もひとつ。流れる方向から見て、確実にりゅう座γ群のものだ。ふたたび、雲量が増えまたたくまに星空は見えなくなってしまったが、この時間にこれほどの流星が見られるということは、明け方には、予想もしないすばらしい光景が見られるに違いない。準備を進めながら、登山道をあちこち散策し、よい構図が得られる場所を探しつつ、晴間を待つことにした。
午後11時をまわったころだろうか、一向に晴間が見える様子もない。待ち合わせをしていた、神奈川の清水氏もどうやら、仕事が抜けられなかったのか現れない。0時を目処として撮影地を移動することを、太郎坊で知り合った神奈川の市川さんに告げ、晴間を求めて、北へと向かうことにした。
山中湖を過ぎ、河口湖へ向かう途中、わずかに雲が残るものの、ほぼ快晴となった。やはり、富士山にまとわりつくように雲が発生していたのだ。ここから見ると、どうやら八合目付近まで覆われているようだ。車を運転しつつ、絵になる構図を記憶から探す。ここから近いのは・・「紅葉台」・・、しかし、車窓から見える北側に浮かぶ雲が気になる。ふと時計を見ると、午前0時30分。どうやら、北に行くほど天候は安定しそうだ。飛ばせば、間に合うかもしれないということで、富士山を八ヶ岳に置き換え、長野方面に向かうことにした。
午前2時頃、長野県原村に到着した。ここは、へールボップ彗星のときにも、利用した場所だ。機材を迅速にくみ上げる。今回は、ペンタックス67と自作67カメラ、ペンタックスMXの3台で撮影を行なうことにした。一台は、池と森を背景に輻射点を、もう一台は八ヶ岳をバックにしし座付近を、残る1台は北斗七星付近に構図をとることにした。
諏訪からきたという山本さんと雑談しながら、流星を待つが、いっこうに流れない。時間はどんどん流れ、薄明かりの時刻が近づく。散在流星さえ流れない。明け方ぎりぎりまで粘ったが、とうとう流星を見ることはできなかった。
極大の予報がずれ、雲間から見たあの流星が、実は極大時のものだったことを知ったのは、東京へ帰ってからだった。(涙)
結局、りゅう座γ(ジャコビニ)流星群は、予報より8時間以上も早く、8日午後9時〜11時頃に大出現し、ピーク時には肉眼で一人が1時間に50〜60個を確認できたようだ。そして午後11時を過ぎるころ、ほとんど出現は収束したらしい。
次は、 しし座γ星流星群!こんどこそ!
![]() 1998年10月8日午前20時00分ころの北を中心とした星空 (StellaNavigater for Windows95により作成) |
![]() 1998年10月9日午前3時00分ころの北を中心とした星空 (StellaNavigater for Windows95により作成) |
[りゅう座γ流星群を見る為のヒント]
冒頭にも書きましたが、今年の極大予想時刻は、10月9日午前6時前後あるいは、10月9日午前3時前後といわれています。もし極大が午前6時前後であった場合は、残念ながら夜明け後ですので観測することはできません。また、午前3時頃に出現があった場合でも、残念ながら、輻射点の高度がたいへん低いため、見られる流星数は少なくなってしまうかもしれません。この点から観測場所は、緯度の高い北海道、東北地方などが良いと思われます。
幸運にも、極大時刻がさらに早まり10月8日の夕方から夜半前にかけて出現すると、条件もよく大流星雨が見られるかもしれません。いずれにしても流星物質の分布のしかたはたいへん予想しがたいものなので、10月8日の夕方から10月9日の明け方まで、一晩中監視を続けるのが無難だろうと思います。またこの日の夜空には満月過ぎの大きな月があるために、暗い流星がみずらくなってしまうのも、残念です。下図の月齢カレンダーを参考にしてください。
新月(一晩中星空を楽しめます)
半月(上弦の月:月は夜半過ぎに沈み明け方まで星空を楽しめます)
満月(一晩中、月明かりが邪魔して星空を楽しむのは困難です)
半月(下弦の月:月が昇る夜半過ぎまで星空が楽しめます)
この流星群の輻射点のあるりゅう座γ星付近は、夕方北西の空45度ほどの高度にあり、翌日午前3時過ぎには、日周運動のため北の地平線下に沈んでしまいます。観測には、北西から北の方向を向き、ゆったりとした椅子に腰掛けたり、地面にシートをひき寝転んだりして眺めてみましょう。大出現が起これば、輻射点の方向からいくつもの明るい流星がシャワーのように流れるのが見られます。
観測場所には、街明かりや外灯の光が直接目に入らない、星空が綺麗に見える場所を選んでくださいね。
1998年りゅう座γ流星群・月齢カレンダー
1998年10月 | 12日![]() |
20日![]() |
28日![]() |
しし座γ流星群(γLeonids Meteor Swarm) しし座γ星付近に放射点がある流星群で、母彗星はテンペル・タットル彗星です。33年ごとに大出現し、流星雨が降ることで有名な流星群で、過去1799年、1833年、1866年、1966年に大流星雨が見られました。次の大出現は、1998〜1999年の11月17日頃だと予想されています。
[用語]
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☆★しし座γ流星群、涙(?)の観測結果★☆ 撮影奮闘気は、現在執筆中です(^-^)もうしばらく写真のみでご容赦下さい。
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☆★しし座γ流星群の見え方★☆
[しし座γ流星群を見る為のヒント]
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